安保法賛否・デモの報道
新聞各紙、二極化する論調 戦後日本の大きな転換点となった安全保障関連法の成立や抗議デモを、国内の新聞・テレビはどう報じたのか。(朝日新聞デジタル)【雑感】今さら報道する事ではないと思ったりするのだが、未だ知らぬ人がいるのでわざわざ報道する必要はあるだろう。
私は当ブログで於いても頻繁に主張してきた。少なくとも「朝日」と「産経」は読もう!と。価値観が対立する2紙に目を通さないと正確な問題点の掌握ができない。 人間というものは基本的に興味の有るモノと都合の良いモノしか見ない。興味の無いモノ都合の悪いモノは、本能的に最初から視界に入らないか、視界に入っても拒絶する。人間の視界は当人の利害関係を反映してしまうものである。
新聞も同じだ。朝日新聞は朝日新聞の価値観に基づく視点で事実を見るし、産経新聞は産経新聞の価値観に基づいた視野でモノを見る。 便宜的に「朝日市民」と「産経市民」と呼んで述べよう。
今回の安保問題についていえば、朝日市民は自民党政権というものを頭から信用していないので、政策の大半に疑いの目を向け、とりわけお題目のように唱えている憲法9条に抵触するような言動には蜂の巣を突いたかのように反応する。
産経市民は朝日市民を信用していないので、安倍政権に逆らう輩は国益を損し中韓を利する反日行為に見える。
安保法案をなぜ通さなければならなくなったのか、その経緯や必要性について朝日市民は興味は無いし興味を持っても反論材料に利用できる要素しか抽出しない。ただし法案の不備や法案可決後に予想されるリスクやトラブルについては目ざとく見つけ出す。
産経市民はその全く逆の反応だ。
安保法制についてのリスクやトラブルについては全く視界に入れようとしないし、視界に入っても昨今の不安定な国際情勢を引き合いに出して
安保法制のマイナス面を中和させようとする。ただ、朝日市民の主張と行動の矛盾については目ざとく見つけて批難する。
そして朝日の従軍慰安婦捏造記事に見られるように、どの新聞も程度の差はあれ誤った記事を書く場合がある。各々の新聞社の価値観を補強したいがために、期待している仮説を事実にしたいがために都合の良い記事を書く。その結果、勢い余って限りなく捏造に近い誤報をやってしまう場合が昔から多々あり、だからこそ名誉棄損の訴訟は絶えない。
で、名誉棄損で訴える側も、不都合な事実を認めたくないがために訴える場合もある。何度もいうが、自覚無自覚関係なく、人間は本能的に都合の良い事実は詳細に記憶して都合の悪い事実は忘却するようにできている。
読む側は頭をある程度はニュートラルにして、情報を冷静に摂取する必要があるのだが、自分が置かれている社会的ポジションと利害関係で見える視野が限定されていくので、重い腰をあげて目をできるだけ見晴らしの良い高みに置かなければならない。高みに置くことで、一見すると別の事象のように見える出来事も俯瞰からだと見事にリンクされているのが見えるようになる。
どの立場であれ事実関係を正確に掌握できなければ、亡国まっしぐらだ。正確に掌握するには、敵対者からの声を聞く事が一番である。
反安保を訴える輩を短兵急に「反日だ」とか「在日だ」とか貶しているだけではアメ公の良いようにされるだけだし、安保賛成を「保守反動」だの「ネトウヨ」と貶しているだけでは日本経済も国防も立ち行かん。
以前に私は「原発推進派は放射能のリスクをナメてかかる、原発反対派は経済をいちびってとらえている」とTweetした事があるが、安保にも同じ事がいえる。
昔はわざわざ新聞をコンビニや駅売店で購入する手間と金銭が要ったが、今はネットで容易く閲覧できる。最低でも朝日と産経だ。少し銭があれば夕刊フジと日刊ゲンダイ、時間があれば文春と新潮と世界と週刊金曜日も読む。これで大雑把な事実の輪郭が掴めるだろう。
何事も鵜呑みはいけない。
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読まなければ何を書いているのか、何処を非難すればいいいのか分からないですからね。
まずは読むべし、です。