『真田丸』石田三成役に山本耕史、
大谷吉継役に片岡愛之助 来年1月スタートのNHK大河ドラマ『真田丸』の新たな出演者が24日、同局から発表された。堺雅人演じる主人公・真田信繁(通称:幸村)にとって重要な存在となる石田三成役に山本耕史、大谷吉継役に片岡愛之助が起用された。山本は『平清盛』(2012年)以来、片岡は大河ドラマ初出演となる。(オリコン)【雑感】厳密にいうと
片岡愛之助氏は「初出演」という事になるのだろうが、実は大河ドラマ「新選組!」の番外編「新選組!! 土方歳三 最期の一日」に榎本武揚役(余談1)で出演し、土方歳三に扮する主演の
山本耕史氏と共演している。したがって「新選組!!」から十年余りを経て再びNHK大河がらみで共演する事になる。
この番外編の舞台は幕末明治維新で勃発した戊辰戦争最後の激戦地箱館(函館)である。幕府海軍を率いる榎本武揚は艦隊を率いて北へ逃れ、途中の仙台で撤退する幕府軍や会津藩らの兵士を乗せて北海道へ進軍し箱館周辺を占領、国際法に明るい榎本らは駐日の諸外国要人を集めて独立政権樹立(余談2)を宣言、それを許さない薩長は大軍でもって上陸、激戦が繰り広げられた。
物語は陥落前夜の箱館で箱館政府の代表の任についている榎本武揚と、箱館政府軍の陸軍司令官の地位にいる土方歳三との鬼気迫る討論を主軸に物語が展開されている。佳境では榎本と土方との間に友情が芽生え始めた。
「
真田丸」で再び山本・片岡の「友情コンビ」が見られるとは楽しみである。大阪城の攻防戦はたぶん11月以降に繰り広げられるだろうから、関ケ原の合戦は今時分の季節だろう。夏から初秋にかけて山本三成と片岡吉継との火花を散らす論戦が期待できる。
あくまで家康打倒を主張する山本三成と、早まるなと制止する片岡吉継、最終的には三成を助けるために動く吉継、三谷幸喜氏の脚本なので紋切り型の展開にはすまい。迫力ある討論劇が期待できる。
(余談1)本編大河ドラマの「新選組!」では草彅剛氏が榎本武揚に扮していた。土方歳三を主人公としたこの番外編でも本編で出演した試衛館のメンバーをはじめお馴染みのメンバーが出演していたが、ジャニーズ系俳優は降りている。本編の主役を務めた香取慎吾氏は本編動画からの流用であったし、草彅剛氏の再出演もなかった。
(余談2)榎本武揚の構想は奇想天外と評価されているが、当時はけっして絵空事ではなく、国際法に明るく欧州の情勢を知り尽くした榎本らしいビジョンである。
幕府が倒れた後、問題となるのが旧幕臣たちの失業問題である。現実に明治の前半までは士族の反乱騒ぎで社会不安は収まらなかった。もっとも内乱を起こしたのは旧幕臣たちよりも官軍として参加した長州や薩摩などの士族たちが多かったが。
欧州では王侯の小さな独立国も少なくない。またイギリス連邦のように独立国の政体をとりながら名義上はビクトリア女王を元首にする国も少なくなかった。これは現在のエリザベス女王でも同じである。例えばカナダの元首はエリザベス女王であり、名誉職として女王の名代である総督がカナダに名義上君臨し、実質はカナダ国民に選ばれた首相がカナダの全権を掌握する体をとっている。
同じように、天皇を共通の元首として戴き、天皇から爵位を得た徳川の人間を名誉職的につけ、その下で榎本総裁が政権を執る。失業した侍たちの移民を奨励し、南下するロシアなどを睨んで北辺の防備を固める。けっして絵空事ではない。
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