ミカエル晴雨堂の晴耕雨読な映画処方箋

晴雨堂ミカエルの飄々とした晴耕雨読な映画処方箋。 体調に見合った薬膳料理があるように、 料理に合う葡萄酒があるように、日常の節目に合った映画があります。映画の話題をきっかけに多彩な生活になれば幸いです。詳しいレビューは「続きを読む」をクリックしてください。

町興し村興しのヒント(7) マイクロ・ライブラリー 晴雨堂の晴耕雨読な日常[二二六] 

マイクロ・ライブラリーサミット
見学に行ってきた。


マイクロ・ライブラリーサミット
難波駅近くの大阪府立大学施設内で。

【雑感】10月3日に催された「マイクロ・ライブラリーサミット」なる集まりに参加してみた。数年前に「まちライブラリー」を提唱して活動を続けている磯井純充氏らが中心となっているようだ。参加者は関係者も含めて約二百数十人と行ったところか。

 「マイクロ・ライブラリー」と聞くと、ビール党の私はつい「マイクロ・ブルワリー」を連想してしまう。大手のビール会社に対する地元密着の小さな地ビール醸造所だ。ところが「マイクロ・ライブラリー」は聞きなれない言葉、要するに個人的に運営する小さな図書館の事を指すみたいだ。

 連れ合いがこのイベントのチラシを見つけて私に「行ってみたら」と勧めてくれた。平素から私は「郷里に私設博物館をつくるぞ」と冗談半分に言っていたし、当ブログのプロフィールページにも明らかにしていた。趣旨が近いと思ってくれたのだろう。家計が苦しいので、講演や討論の類が終わったらすぐ帰れと言うてくると思いきや、「懇親会も行きや」と背中を押してくれた。(余談1)

 私にはささやかな夢がある。大阪を引き払ったら、郷里で小さな博物館を興したい。あくまで今のところは漠然とした淡い夢でしかないが。
 郷里は昔から書店空白地帯だった。商店街の雑貨屋が本屋を兼ねていて専門の書店は無かった。もっとも近年は、やなせたかし先生の故郷である事にあやかって文化的な施設がまとまって建設されたり、児童書をメインにした市立図書館の別館ができたりと文化薫る郷里になってきてはいる。
 が、今まであった商店街は寂れつつある。郷里をもっと賑やかにするには、もう一つくらい名所が必要だと思っているし、私はサブカルが好きなのでマニアック寄りの文化拠点ができても良いのではないかと思っている。
 美容師の連れ合いは、田舎でへなを使う美容室を雑貨屋を兼ねた形式で始めたい夢がある。これに私が構想している古書店と特撮系の雑貨や古美術にパイプ椅子を10個ほど並べた程度のプチシアターでパブリックドメイン化された映画の上映サービスを行ったら楽しいだろうな・・という空想を抱いていた。

 淡い夢のまま、いつの間にか齢50になってしまった。還暦まで10年程度しかない。実際問題、どれほど困難なのか仕事が暇なので調べてみた。
 問題は書店分野の業界だ。少子高齢化による人口減と大都市への人口流入と地方の極端な過疎化、書店業界の市場は着実に縮小しており、特に私の郷里のような、関西や関東などの大都市圏外から外れた地方では「市場」と呼べるものは無いに等しいと考えたほうがよさそうである。
 大店舗は体力を活かして大都市圏で店舗数を伸ばしてはいたが近年は頭打ちになりつつある。となると、銭儲けを第一のテーマに挙げている限り書店業参入は無謀といっても過言ではない。完璧な斜陽産業である。

 全体の市場が縮小しているのに加えて、最も書物を利用する年齢層である学童や学生の紙媒体離れが凄まじい勢いで進んでいる。さらにネット媒体で書店業界に切り込む業者が割って入って躍進しているため、中小零細の書店は次々と廃業へ追い込まれている。
 調べれば調べるほど、希望的要素は無い。少なくとも本だけでは勝負できない。所詮はランチェスター法則(余談2)には逆らえないということか。

 ただ、私は全くの素人なので、この「サミット」から何か新しい方法論やヒントがあるかもしれないと思って参加した。

 参加の印象は、まず私の見立て通りだったという事である。これはガッカリであると同時に、一介の旋盤工の見立ては見当違いではなかったという訳なので個人的にささやかな自信を持っても良いかなと思った。
 何か手に職を持って生業としながら古書店や私設図書館をやっていき、各々の古書店や私設図書館が連携しあってコミュニティの場として地域活性に貢献していく。そういう試みのようだ。

 マイクロ・ライブラリーという概念自体は決して新しいモノではない。市民運動にかかわっていた時代、そういった地域の情報発信の場として図書館や資料館のようなものを運営している人たちを若干名知っていた。
 あるお寺などは、檀家に頼る時代ではないと言って、地域のコミュニティ広場として開放し、蔵書も図書館のように貸し出し、左派護憲派系なら積極的に市民団体の会議やイベントに場を提供していた。実際にお寺で開かれた会議や懇親会に参加したことがある。
 またあるオタク系の人たちが映画や特撮などに特化した古書店や雑貨店を開いているのを見たことがある。

 ただ、「マイクロ・ライブラリー」というテーマに特化したネットワークは私にとって初耳だった。自主的に小図書館が連絡を取り合う事はあっても、今回のように大阪府立大が協力して学術的に理論をまとめ体系立てて運動にしていくのは、以前はあまり無かったと思う。
 あくまで小図書館を中心にした地域社会の活性化がテーマなので、政治的あるいは宗教的な色合いは無い。参加者たちの多くは児童書やエコロジーや藝術などにほぼ限られている。今後もニュートラルであってほしいが、いずれは特定の主義主張を「信仰」するグループも参入してさざ波を起こすこともあり得るだろう。
 そうなった時、サミットを主催する人たちはどのように対処していくのだろうか? ふと思った。

 このイベントも今回で3回目だそうである。午前中の基調講演とパネルディスカッション、午後からは各地でマイクロ・ライブラリー活動をしているグループの発表会、夕方は各分野に分かれての分科会、最後は近くのビュッフェで懇親会。(余談3)非常に盛沢山のイベントを滞りなく運営されているのに驚いた。
 私も千人集会や五百人集会の実行責任者を務めたことがあったが、胃が痛くて二度とやらんと思ったものだ。

(余談1)そうなのだ。この手の集まりの本当の勝負は懇親会にある。懇親会に行かなければ、イベントへ行った意味の半分も無い。何故なら昼間のお堅い勉強会だけでは、予定調和的な好意的情報が中心になる。本音を聞くとなればやはり懇親会だ。また懇親会であれば名刺交換の機会も得られる。連れ合いがこうも理解があると気持ち悪い。

(余談2)第一次世界大戦勃発直後、フレデリック・ランチェスターによって発表されたオペレーションズ・リサーチにおける戦闘の数理モデル。現在は経営学で応用されている。
 ランチェスター法則の概略を解りやすく述べるとこうなる。

基本戦術・・弱小勢力はアイディアを絞って他社との差別化戦術、対して巨大勢力は新興勢力の戦術を潤沢な資本で真似る。
 よく画期的な家電が発売されたら、いつの間にか大手家電も横並びで同様の家電を販売している現象。

基本戦法・・弱小勢力は一点集中、専門性に特化。対して巨大勢力は全方位攻勢。
 例えば、地ビール業者はドイツ系やベルギー系などの濃厚ビールに特化して市場との差別化を図らざるを得ないが、大手ビールメーカーは売れ筋銘柄を大量生産しながら濃厚ビールも出す。

展開方法・・弱小勢力は局地戦(地域密着)を展開。巨大勢力は広域戦(全国)を展開する。
 マイナーな映画はミニシアターや自主上映会で発表せざるを得ないが、ジャニーズとフジサンケイグループの連合軍は全国のシネコンで展開。

(余談3)分科会では、南陀楼綾繁氏が高知の「うずまき舎」の事を話題に挙げた。

 懇親会を開いた店の名は失念した。立食パーティの形式をとっていた。やはり主催者はよく考えている。
 高知では、宴会の席次は有って無いようなもので、宴会が始まると各々ビール瓶やお銚子を片手に席を立って挨拶しまくる。ところが高知以外の地方では皆さん尻が重い。座ったらそこから動かない人がいるなんて私には信じられない。だから交流を広げ深めるには立食が一番だろう。

 ビールがプレミアムモルツなのが嬉しい。結局、私は名刺交換と談義にかかりっきりでビールばかり飲んでしまった。腹が減っていたのに食事にはあまり手を付けなかった。食器を持ってると手がふさがって不便だからだ。
 ウエイトレスが沢尻エリカ風の若い美女で、キャッツアイのような衣装を着て近寄りがたい無言の無表情で隅に待機していて、空になった皿やグラスを問答無用で下げていく。
 ちっくと下げるの早すぎると思ったこともあったが、そういうキャラで売っているのだろう。


 
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そりゃキャラじゃなくて、無礼なんですよ。自分の立場がわかってない。サービス業のはしくれとしては、いくら美女でもけっとばしたくなりますね。(笑)

私設図書館というのはあこがれですね。気がつくと50歳も目の前。なにか始めないと、と気だけはあせるのですが、実現には遠いです。

ところで、今号の雑誌ダ・ヴィンチはエロイカ特集です。ファン座談会のページで「初めて読み始めたのが中学生」という40代の方をみて、ふふんまだ甘いな、私は小学生から読んでるぜ、と思ってしまいました。(笑)

[ 2015/10/09 20:25 ] [ 編集 ]
A君へ

 沢尻エリカと森下愛子を合わせたような美女でしたね。ただ、かなりの白塗りなのでスッピンは肌荒れと瞳の外輪縮小は想定しなければならんでしょう。

 私設図書館にチャレンジしてみては。シンポジウムでは、寂れかけた町でやると効果があるそうです。推理小説やハードボイルドや青池保子ワールドにショーン・コネリーをはじめとする胸毛男優、これらに特化して始めれば地域の名所になるやも知れません。

> そりゃキャラじゃなくて、無礼なんですよ。自分の立場がわかってない。サービス業のはしくれとしては、いくら美女でもけっとばしたくなりますね。(笑)
>
> 私設図書館というのはあこがれですね。気がつくと50歳も目の前。なにか始めないと、と気だけはあせるのですが、実現には遠いです。
>
> ところで、今号の雑誌ダ・ヴィンチはエロイカ特集です。ファン座談会のページで「初めて読み始めたのが中学生」という40代の方をみて、ふふんまだ甘いな、私は小学生から読んでるぜ、と思ってしまいました。(笑)
[ 2015/10/10 00:22 ] [ 編集 ]
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