ミカエル晴雨堂の晴耕雨読な映画処方箋

晴雨堂ミカエルの飄々とした晴耕雨読な映画処方箋。 体調に見合った薬膳料理があるように、 料理に合う葡萄酒があるように、日常の節目に合った映画があります。映画の話題をきっかけに多彩な生活になれば幸いです。詳しいレビューは「続きを読む」をクリックしてください。

ももクロの「男性限定ライブ」に「憲法違反」の声まで出始めたか。アイドルのライブにまで憲法を持ち出されるとシンドイ。 近頃の現象[一一八八] 

ももクロの「男性限定ライブ」が波紋 
「憲法違反の可能性あり」と弁護士が指摘


 福岡県太宰府市で10月31日に開かれるアイドルグループ「ももいろクローバーZ」のコンサートが、波紋を呼んでいる。コンサートは国特別史跡の大宰府政庁跡で開かれる予定だが、「ももクロ男祭り2015 in 太宰府」と題して、観客を「男性」に限定していることに、疑問の声があがっているのだ。(弁護士ドットコム)

【雑感】私がまだ中学生の時だったから、もう40年近く昔だ。社会科の授業、たしか授業のテーマは日本国憲法だった。社会科の教師が男女平等とか権利について解説する時に、生徒をリラックスさせようと滑稽な例え話をした。

「私はスケベな男なので、女子便所を女子が独占しているのは憲法違反だ!男子にも開放するべきだ!なんて言ったら君たちは、特に女の子諸君はその通りだと賛成して私を女子便所に招待しますか? おっ、本気で嫌な顔してる子いるやないか。その通り、これは男女平等ではありません。逆に性別や個性の否定になるから基本的人権の侵害になる」

 そんな内容だったと思う。大爆笑という訳ではなかったが、教師の話し方が面白かったので教室全体が笑いに包まれた。この時代は70年代後半、21世紀に入って十数年が過ぎた今では当時の社会科教師が冗談で言った例え話が笑い話にならなくなりつつある。
 活動家たちは「セクシャル・マイノリティ」なんてイングランド語を使うが、要は性的少数者の権利の問題、これが絡むようになってきているので、一部では男と女の二元論に疑問を持つ人も出ている。
 賛否・真偽・是非はともかくとして、世の中はますますシンプルに割り切れなくなる状況だ。

 法律なんてものは、たとえ憲法であったとしても恣意的に拡大解釈・飛躍解釈は幾らでも可能であり、だからこそ解釈をめぐって社会通念やら時の世論やらが様々な思いがぶつかり合って、一種の軍事境界線が生まれ、それが取り敢えずの基準となる。法律の条文というものはあくまで基準を設けるうえでの目安でしかない。
 だから時代とともに解釈や判例が変わり、あまりにも現実社会との乖離がひどいと改正される。便所を男女で分けるやり方も、いずれは変わる可能性はあるかもしれない。

 ただ、教師が話した寓話で一つ未だ笑い話の域かなと思うのが、便所の事にまで憲法を持ち出してしまう行為だ。当時のクラスメイトが笑ったのも、漫才などでよく使う些細な事を大袈裟に糞真面目にいう笑いの手法を教師が使ったからだ。

 一部マイノリティ諸氏やマイノリティにシンパシーを感じている一部のマジョリティからは大袈裟でないと主張する者もいるかと思うが、しかし大袈裟なのである。
 そもそも憲法というものは国家の最高法規であり、法治国家が建前の国にとって憲法とは時の政府を管理するものでもある。人心を支配するよりも時の体制権力を支配するためのものと言い切っていい。何故なら、言うまでもなく法律は国会がつくるものだが、現在の自民党政権のように圧倒的多数の議席を占有していたら政権の都合の良い法律が作り放題になってしまう。極端な話、犯罪をやらかすかもしれない人間が罰則をつくるかもしれない、なんておかしな事にもなりかねない。そこに歯止めをかけるのが憲法だ。

 こないだの安保法制など国家の一大事であれば憲法を持ち出す必要がある。時の権力者たちが作った法律が果たして憲法に違反しているか否かは問題にされなければならないし、安保法制反対者は時の権力者に言論戦・政治戦で対抗するには憲法を持ち出すのは当然である。(余談1)
 しかし、便所ごときに憲法違反を持ち出すのは果たしてアリなんだろうか? そんな些末まで憲法違反を持ち出してしまうと、世間には無数の憲法違反が噴出して収拾がつかなくなると思う。

 さて「ももクロ男祭り2015 in 太宰府」だが、クレーム者の言い分は一応の理が有る。主催はももクロの所属芸能事務所ではあるが、一連のイベントを企画する実行委員会には公平公正を建前とする地方自治体の太宰府市が参画している点が法に抵触するするのだろう。
 それを論拠にするところを見れば、クレーム者も「ももクロ単独のイベントなら男祭りでも女祭りでも好きにしてもらって結構」とでも言いたそうだ。

 なら、男祭りと女祭りとトランスジェンダー祭りを連チャンでやるしかない、か。
 前述の話に戻るが、公共施設の男便所女便所も既に異議を唱える者がいる事を私は実際に聞いたことがある。やがては政治的問題に発展するかもしれない。
 私は率直に言って、本当にその流れは良い事なのかどうか不安に思う。理想を求めた結果、かえって理想から遠ざかる事も世の中には多々あるのだ。

(余談1)かつて幕末明治維新でも似たような事が有った。
 当時、幕府の実務最高責任者である大老井伊掃部頭直弼が反対を押し切って米国との条約と開港を約束してしまった。 それに反発した勤皇の志士たちが挙げた法的論拠が「天皇の勅許を得なかった」という事である。
 私がわざわざ「井伊直弼」といわず「井伊掃部頭直弼」と言ったのも、掃部頭は幕府の役職ではなく天皇を頂点とする朝廷の役職である事を強調するためだ。そして公方様である征夷大将軍も、本来は軍最高司令官という意味しかなく、朝廷からは将軍とは別に内大臣や右大臣の官職を与えられて、国政を担う立場である法的根拠を確保している状態なのだ。

 江戸時代、国家元首は江戸にいる征夷大将軍であると当時の人間も現代の人間も錯覚しているが、実は法理論的には古代と変わらず天皇が国家元首なのである。征夷大将軍はあくまで天皇から強引な経緯ではあるものの合意の上で国政を委任された存在であり、しかも征夷大将軍という役職の本来の意味は「夷を征する」軍隊の最高司令官、そして幕府の本来の意味も司令部、反対者はそこを突いた。
 つまり国家元首である天皇の許可も得ず国政を私物化しながら、ペリーという「野蛮な侵略者」がやってきても本来の職責である軍最高司令官の役割を果たさない。

 今回の安保法制では、反対者は違憲を持ち出した。そして安保を推進する側は国会で審議する前にアメリカの上下議会に約束しているので、構図的にはペリー来航時の騒動とあまり変わらない。


 
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[ 2015/10/16 23:42 ] 日誌・・近頃の現象 | TB(0) | CM(0)
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