ミカエル晴雨堂の晴耕雨読な映画処方箋

晴雨堂ミカエルの飄々とした晴耕雨読な映画処方箋。 体調に見合った薬膳料理があるように、 料理に合う葡萄酒があるように、日常の節目に合った映画があります。映画の話題をきっかけに多彩な生活になれば幸いです。詳しいレビューは「続きを読む」をクリックしてください。

18禁「春画展」に若い女性が行列、だから何なんや。若い子が興味持つの当たり前やないか 近頃の現象[一一八九] 

若い女性が行列 
18禁「春画展」芸術かわいせつか


 「18歳未満入場禁止」の「春画展」に、若い女性が行列をなしている。春画といえば、江戸時代の「エロ浮世絵」程度の知識しかなかったが、「芸術か、わいせつ物か」の議論もある。日陰の存在とされてきた春画の何が引き付けるのか。会場の「永青文庫」(文京区目白台)をのぞいてきた。

男「これが有名な北斎のタコ? すごい構図、ありえない世界だね」

女「…」

 来場した20代カップルのやりとり。会話になっていない。女性グループになると、話が弾んでいたようで、絵を肴(さかな)にして体験談に花を咲かせていた。来場者の半分以上は女性だったのが意外だった。(日刊スポーツ)


【雑感】主題とは直接関係ないが、見出しの「芸術かわいせつか」という見出しは日本語の特質を殺してしまっている。本来なら「藝術か猥褻か」と書くべきなのだ。
 というのも日本語文は漢字と仮名を混ぜる事によって英語の分ち書きと同じ効果を発揮させ読みやすくしているのである。ところが一部を画数が多すぎるからと言って常用漢字から外すことで仮名にしてしまうと、分ち書き効果が無くなり一瞬ではあるが「芸術かわ」と読んでしまう。「藝術か猥褻か」としたほうが視覚的に読みやすい。(関連記事「君は字幕派か?吹替派か? 近頃の現象[一〇九五]」


 さて、主題に入ろう。
 取材した「日刊スポーツ」の記者は来場者に女性が多い事を意外に思ったようだが、私は全く意外には思えず、直球ストライクの想定内だ。
 というのも、現代の春画とも揶揄されることもある漫画同人誌の世界最大即売会コミックマーケット参加者の7割は女性で占められているからだ。若いころ、漫画同人誌の印刷を請け負う会社に勤めていた事があるのでわかるが、お客様の過半数は女の子や淑女たちであった。いまもその状況は変わっていない。

 私がなぜ漫画同人誌即売会を引き合いに出したかといえば、専門の印刷屋に勤め「業者」として漫画同人誌業界に参加したことをきっかけに江戸時代の春画にも興味を持つようになった。実に共通点が多いからだ。もしかしたら藝術史として脈々とつながっているのではないかと思うほどだ。

 共通項は印刷と出版だけではない。春画をはじめする浮世絵の類には現代の漫画に通ずる表現法が盛沢山であることに気づく。髪の毛の生え際や陰毛一本一本の細かい描写、強調したい局部のデフォルメと実際にはありえない体勢なのだが視覚的に安定する構図、これらがヨーロッパの絵画にも影響を与えたことは至極有名である。

北斎 蛸と海女 部分

 上記の絵が記事でも評判になった北斎の「蛸と海女」である。発表されたのが1820年前後、爛熟文化が花開いた文政年間初期。
 全図紹介したいところだが、当ブログは一応アダルトではないので一部分に留める。性器までみせなくても、この美女が小さな蛸のお化けとディープキスをしている場面だけでも奇抜さが伝わってこよう。蛸の足の一本が左乳房を捉え乳首を刺激している様がエロい。(余談1)
 全図では、巨大蛸が美女の陰毛豊かな股間に吸い付き、八本の足で女性をホールドしている。背景の文字は蛸と美女の会話が生々しく描写されている。

 以前紹介した映画にロジャー・コーマン制作「ギャラクシー・オブ・テラー 恐怖の惑星」で、巨乳美女が巨大蛆虫にレイプされる場面がマニアの間で評判で、米国の評論家や映画ファンたちは日本のアダルトビデオにも影響を与えた作品と高評価していることを紹介して、私は反論を述べた。
 あの時はアニメや漫画で触手モノが独自に発達したカテゴリーと主張したのだが、北斎漫画を観ているとこの手のセンスは江戸時代の昔から存在していたのだと誇らしく思う。

 今回の展覧会で18禁としながらも行政側が許容する英断を高く評価する。良き事をされた。

(余談1)ドラマではNHK金曜時代劇の「寺子屋ゆめ指南」で「蛸と海女」が登場する。北斎を名乗る絵師が美保純氏扮するおりんをモデルに絵を描く。おりんはてっきり歌舞伎役者の大首絵のような肖像画が描いてくれたと思いきや、蛸とエッチする絵になっていたのでえらい剣幕で怒りだす。
 若い頃は不良っぽい女性やファンキーな役柄が多かった美保純氏だったが、ここでのキャラは訳アリの教養ある淑女役、字が読めない床屋の徳次(中条きよし)のためにしばしば瓦版や御触書など読んであげる場面がある。

 映画では新藤兼人監督「北斎漫画」で登場する。緒形拳氏が葛飾北斎を演じた。歌麿が愛川欽也氏、十返舎一九を宍戸錠氏が扮した。重量級の濃い作品である。

 漫画では永井豪氏「けっこう仮面」で、劣等生で教師から睨まれている高橋真由美が仕置き教師たちに拘束され、身ぐるみ剥がされて無数の蛸が蠢く水槽に放り込まれ蛸の愛撫でイッてしまうエピソードがあった。

晴雨堂関連作品案内
あの頃映画 「北斎漫画」 [DVD] 新藤兼人監督 緒形拳主演


 
 blogram投票ボタン にほんブログ村 映画ブログへ
ブログランキングに参加しています。
関連記事
スポンサーサイト
[ 2015/10/19 17:31 ] 日誌・・近頃の現象 | TB(0) | CM(0)
コメントの投稿













管理者にだけ表示を許可する
映画処方箋一覧
晴雨堂が独断と偏見で処方した映画作品。
下段「日誌」項目は晴雨堂の日常雑感です。
メールフォーム
晴雨堂ミカエルに直接ご意見を仰せになりたい方は、このメールフォームを利用してください。晴雨堂のメールアドレスに送信されます。

名前:
メール:
件名:
本文:

プロフィール
↓私の愛車と野営道具を入れたリュックです。

晴雨堂ミカエル

Author:晴雨堂ミカエル
 執筆者兼管理人の詳しいプロフィールは下記の「晴雨堂ミカエルのプロフ」をクリックしてください。

晴雨堂ミカエルのプロフ

FC2カウンター
2007年10月29日設置
当ブログ注目記事ランキング
当ブログで閲覧数の多い順ランキングです。
設置2013年6月13日
ブログランキング
下記のランキングにも参加しております。ご声援ありがとうございます。
  にほんブログ村 映画ブログへblogram投票ボタン
アクセスランキング
[ジャンルランキング]
映画
174位
アクセスランキングを見る>>

[サブジャンルランキング]
レビュー
80位
アクセスランキングを見る>>
タグランキング
晴雨堂の関心度が反映されています。当ブログ開設当初は「黒澤明」が一位だったのに、今は・・。
訪問者閲覧記事
最近のアクセス者が閲覧した記事を表示しています。
最近のコメント
月別アーカイブ
ブロとも申請フォーム
リンク