ミカエル晴雨堂の晴耕雨読な映画処方箋

晴雨堂ミカエルの飄々とした晴耕雨読な映画処方箋。 体調に見合った薬膳料理があるように、 料理に合う葡萄酒があるように、日常の節目に合った映画があります。映画の話題をきっかけに多彩な生活になれば幸いです。詳しいレビューは「続きを読む」をクリックしてください。

「タイムスクープハンター 通貨危機!古代ニセ金捜査官」 TVドラマ評[七十七] 

タイムスクープハンター 
通貨危機!古代ニセ金捜査官」を観た。


【雑感】タイムスクープハンター」は江戸時代など当時の風俗や言語を忠実に再現したドキュメンタリー風の時代劇である事が知られている。
 丁髷も実際に月代を剃って髪を結っていたり、シャンプーやリンスの無い時代の入浴頻度に合わせて脂っぽい髪を再現している。庶民の衣服もリアルに汚れや継ぎ接ぎが目立つ。

 奈良時代を舞台にした「通貨危機!古代ニセ金捜査官」は非常に楽しみにしていたエピソードで、本放送では迂闊にも見逃してしまい、今週の深夜再放送でやっと録画に成功した思い入れの強い作品である。数年越しの願いが叶った。
 というのも、「タイムスクープハンター」が取り扱う時代の大半は江戸時代である。やはり衣装やメイクやロケ地の制約があるのかもしれない。私は古代史が好きなのでどんなリアル表現をしてくれるのか待ちのぞんでいたのだ。
 この番組は台詞もリアルさを追求する。当時の日本人が話したであろう日本語を再現しているのも特徴だ。江戸時代であれば、現代のカタカナ言葉や外来語が無いだけでさほど差異は無いだろうが、奈良時代となると現代の日本語とはずいぶん違うものであるはずだ。

 小学校5年生の時、国語の授業で教師がクイズを出した。「てふてふ」とはなんと読むのか? 当時、私は百人一首カルタをやっていたので「てふてふ」は蝶々と読むのは知っていた。不本意ながら自慢話になってしまうがクラスで答えられたのは私一人だった。
 正答しながらも疑問に思った。その疑問を教師にぶつけてみたこともあるが得心のある返答は無かった。なぜ「てふてふ」を「ちょうちょう」と読まなければならないのか? なぜ「けふ」を「きょう」と読まねばならないのか? 
 私はきっと遥か大昔は実際に平仮名のスペル通りに発声していたのではないかと推理した。「てふてふ」も平安時代や奈良時代の人間は「てふてふ」と発声していたのではないか? 後にバラエティ番組で「ティェプティェプ」と発声していたことが紹介された。 

 だからこのエピソードでどんな台詞になるのか楽しみだった。

 たしかに奈良時代の日本語と思われる台詞を話してはいた。この番組では視聴者に判りやすいよう現代語字幕が出る。奈良時代の日本語になるとヒアリングだけでは何を話しているのか解らない。
 ただ、少し残念に思う。というのも、発音が現代日本語と同じなのだ。おそらくだが、当時の日本語は「てふてふ」の例が示すように発音も今より複雑だったはずだ。

 10代後半から20代まで私はチャリンコで全国を旅してきた。感じたのは方言もいきなりガラリと変わるのではなく、出発地点の大阪から見て遠くになるにしたがって聞き取りにくくなる。西の四国・中国地方・北九州地方は方言でも何を話しているのかはまだ解る。ところが熊本県に入るとヒアリングが困難になってくる。鹿児島になるともはや外国語だ。
 同じく東も北陸や関東地方までは「日本語」だと認識できるが、新潟から山形、関東でも茨城県北部になると聞き取りづらくなり、秋田や岩手になってくると外国語だ。
 どうして外国語に聞こえるのかというと、アクセントが完全に標準語や上方言葉から乖離しているからだ。名詞だけが日本語として聞き取れるので、それで話の内容を推理する作業を無意識にしてしまう。

 同時代を生きる人間でも空間軸の隔たりで言語に方言という形で差異が生じる。同じように空間軸ではなく時間軸の隔たりでも同様の差異が生じるのではないかと私は考えている。

 たとえば私はたまに郷里の高知に帰省することがあるが、私の使用言語はほぼ大阪弁で耳も大阪弁仕様になってしまっているから、高知弁はときおり聞き取りづらくなる事がある。
 同じように、たぶん江戸時代にタイムスリップすれば、高知や福岡に行ったかのような差異を感じるのではないか。室町時代や鎌倉時代であれば熊本や宮城に行ったかのような差異ではないのか、平安時代や奈良時代は鹿児島や岩手や秋田、そして飛鳥時代以前であれば沖縄のウチナグチや北海道のアイヌ語のように隔たっているのではないか。

 ところがこのエピソードで奈良時代の人間を演じる俳優たちは現代日本語のアクセントなのだ。幕末明治維新の時代劇に登場する標準語アクセントの高知弁に違和感を抱くのと同様の現象ではないかと思うのだ。


 
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