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ミカエル晴雨堂の晴耕雨読な映画処方箋

晴雨堂ミカエルの飄々とした晴耕雨読な映画処方箋。 体調に見合った薬膳料理があるように、 料理に合う葡萄酒があるように、日常の節目に合った映画があります。映画の話題をきっかけに多彩な生活になれば幸いです。詳しいレビューは「続きを読む」をクリックしてください。

「TOKKO -特攻-」 社会問題を考えたい時に〔5〕 

TOKKO -特攻-」 
日本育ちのアメリカ人と
日系アメリカ人が協力して制作。

 

 
【原題】WINGS OF DEFEAT
【公開年】2007年  【制作国】亜米利加  【時間】89分  
【監督】リサ・モリモト
【制作】リンダ・ホーグランド
【音楽】
【脚本】
【出演】
    
【成分】悲しい 恐怖 絶望的 切ない 第二次大戦 ドキュメント 神風特攻
       
【特徴】日本育ちのアメリカ人プロデューサーと日系アメリカ人監督が協力して制作した神風特攻隊がテーマのドキュメント。アメリカ人としての視点と日本に親類がいる利点などが活かされた。
   
【効能】第二次大戦の理解に役立つ。
 
【副作用】NHK特集的で、「映画」を楽しみたい人には不向き。
 
下の【続きを読む】をクリックするとネタバレありの詳しいレビューが現れます。記事に直接アクセスした場合は、この行より下がネタばれになりますので注意してください。
作品としては凡庸だが、意義ある作品

 「ヒロシマナガサキ」といい「特攻」といい、アメリカでは自国の現代史を見直す作品が矢継ぎ早に発表されている。
 
 作品としてはあくまで及第点である。NHKスペシャル的なドキュメント作品だ。ただ、監督の立場が反映した内容、別の言い方をすれば監督の立場が最大限に活きた内容である。
 2007年に公開された特攻隊員たちが主人公の映画「俺は、君のためにこそ死ににいく」は美化が目立ったとの批判があったが、この「TOKKO」はアメリカ人的視点が鼻についてしまった日本人もいるだろう。前者は日本人によるフィクション、後者はアメリカ人によるドキュメント。特攻の輪郭を掴むには、この2つの作品、言い換えれば2つの視点を知ることが大切だ。
 
 日系人二世はもはや「アメリカ人」である。流暢に日本語が話せていても、もはやアメリカ英語が母語であり、日本語は第一外国語である。しかし二世であるゆえにモリモト監督のように近い身内に日本人がいる。文化や価値観はアメリカ人であるゆえに、NHKであれば日本社会に「配慮」して「編集」するところを堂々と遠慮会釈無く描写する。身内が日本人であるためにアメリカ人の視界に入らない事実が見える。(余談1)
 アメリカのメディアに関わっている人間だからこそ、アメリカ側の貴重なフィルム映像を大量に入手できるし、日本がルーツのモリモト氏だからこそ日本側への取材もやりやすかった。仮に石原慎太郎氏がアメリカを取材したら、アメリカ人は態度を硬化させて消極的協力になるだろうし、監督が「硫黄島からの手紙」のクイント・イーストウッド氏であっても元特攻隊員たちは心に垣根を作っていたかもしれない。
   
 戦争を題材にした過去の映画を観て解るように、特にアメリカ単独で制作した戦争映画は敵国だけでなく友軍の描写もいい加減だ。どこの国も自国を美化し、それ以外はボロカスだ。客観性を意識しても、制作者の立場や利害関係が反映されるものである。
 敗戦時、若年兵であった人々も80歳を超える老人となった。いやな言い方だが「制限時間」は迫っている。この時期に日系のアメリカ映画人たちがこれらテーマに気付いてくれたのは良いことだ。

(余談1)特攻は自爆テロ、これはアメリカ人だけの感覚ではない。世界中の人間がこの感覚だ。同時に原爆もB29の無差別爆撃もテロ行為であると認識してもらいたいものだ。「メンフィス・ベル」のようなヒューマンなエピソードは存在しない。


 
晴雨堂スタンダード評価
☆☆ 可
 
晴雨堂マニアック評価
☆☆☆ 佳作

 

 
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TOKKO-特攻- 戦争を扱うドキュメンタリーは多いが、本作は、日系女性監督と、日本育ちの米国人プロデューサーが、“特攻隊”を扱った点がユニークだ。太平洋戦争末期に行われ、“カミカゼ特攻隊”という名前で美化された、体当たり攻撃の真実を追う?...
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