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ミカエル晴雨堂の晴耕雨読な映画処方箋

晴雨堂ミカエルの飄々とした晴耕雨読な映画処方箋。 体調に見合った薬膳料理があるように、 料理に合う葡萄酒があるように、日常の節目に合った映画があります。映画の話題をきっかけに多彩な生活になれば幸いです。詳しいレビューは「続きを読む」をクリックしてください。

「スター・トレック」 知的興奮を楽しもう〔1〕 

スター・トレック」 カーク船長が帰ってきた!


 
【原題】STAR TREK-THE MOTION PICTURE
【公開年】1979年  【制作国】亜米利加  【時間】132分  
【監督】ロバート・ワイズ
【原作】
【音楽】ジェリー・ゴールドスミス
【脚本】ハロルド・リヴィングストン
【言語】イングランド語
【出演】ウィリアム・シャトナー(ジェームズ・T・カーク船長)  レナード・ニモイ(ミスター・スポック)  デフォレスト・ケリー(ドクター・マッコイ)  パーシス・カンバッタ(アイリーア大尉)  スティーヴン・コリンズ(ウィラード・デッカー副長)  ジェームズ・ドゥーアン(モンゴメリー・スコット)  ジョージ・タケイ(スールー)  ニシェル・ニコルス(ウフーラ)  ウォルター・コーニッグ(パーヴェル・チェコフ)  メイジェル・バレット(クリスティーン・チャペル)  グレイス・リー・ホイットニー(ジャニス・ランド)  マーク・レナード(クリンゴン船長)
    
【成分】ファンタジー ゴージャス ロマンチック パニック 勇敢 知的 かっこいい SF
       
【特徴】正統SF映画としては佳作になる。監督はあらゆるジャンルで名作を発表する巨匠ロバート・ワイズ氏。
 TVシリーズから3年後という設定で、提督になったカークが再びエンタープライズの指揮を執る。デッカー艦長から強引に指揮権を奪って。 TVシリーズのエピソード「小型宇宙船ノーマッドの謎」を2時間枠の映画に書き直した感じだ。ただ、そういう「SF」がイマイチ不評だったため、続編はまるで「宇宙戦艦ヤマト」か「スターウォーズ」といった冒険活劇路線にシフトしてしまい本来の持ち味が殺されてしまう。
 だが、ファン(トレッキー)にとってはカーク船長が帰ってくれるだけで感無量なのである。
  
【効能】トレッキーにとってはスタートレックの世界が戻ってきて感無量。エンタープライズ号を眺めて感無量となるカーク船長にモロ感情移入。明るい未来を信じられる。
 
【副作用】TVシリーズの焼き直しでつまらなく感じる。
 
下の【続きを読む】をクリックするとネタバレありの詳しいレビューが現れます。  
全世界のトレッキーが待ち望んだ映画化。
  
 多くのトレッキー(余談1)にとって、待ちに待った映画、念願かなった映画がこれである。まさにレビュータイトル通り「カーク船長が帰ってきた!」と歓喜に小躍りしたトレッキーは少なくないと思う。私もその一人だ。
  
 TVドラマ「スタートレック(宇宙大作戦)」は60年代後半に3年ほど放映されていたが、視聴率低迷を理由に放送は中断された。(余談2)ところが、実は当時の視聴率データの解析法が稚拙で、視聴者全体の視聴率しか見ていなかったために低視聴率と解釈されたのだ。後に年齢別に解析すると10代から30代の視聴者には絶大な支持を得ていたことが判明し、それはスポンサーたちの有力購買層と合致、放送中断の判断は誤りだった。
 放送終了後のファンたちの放送再開の声は大きく、放送再開や映画化(余談3)の話が浮かび上がっては消え、10年後にやっと実写映画が誕生した。日本でいえば「宇宙戦艦ヤマト」や「機動戦士ガンダム」が本放送で視聴率が取れず、再放送を重ねるごとに人気があがり、社会現象へと発展するのに似ている。
 
 さて、作品としては疑問を呈する人は少なくないと思う。トレッキーではなく単純にSF特撮映画を鑑賞するつもりの人には間延びして退屈な作品に見えるかもしれない。この映画は一般観客の需要に応えた映画ではなく、明らかにトレッキーを対象にしたもので、カーク船長をはじめエンタープライズ号のクルーたちが笑顔で再び目の前に現われることを切望する人々のための作品である。
 物語最初の部分で、カーク船長がドックに入っているエンタープライズ号を必要以上に長時間眺め続ける場面、ブリッジに入るとかつてのクルーたちがまるで同窓会のように集まる場面、これはファンの目線でもある。改装されて美しくなった船を眺めるカーク船長と同じく、ファンも「スタートレック」に帰ってきたんだ、TV時代は予算が無くて稚拙な特撮しかできなかったが今は潤沢な資本と技術で凄い特撮で甦ったんだ、と感慨深く思うのである。(余談4)
 
 物語としてはTVシリーズの「小型宇宙船ノーマッドの謎」をそのままスケールを大きく映画にした感じのもので、良くいえばTVシリーズの雰囲気を踏襲したものであり、悪くいえば45分枠のTVストーリーでも良いネタを無理に2時間枠の映画にしたような感を持つかもしれない。
 たぶん、トレッキーと一般観客双方からの酷評があったと思うが、結果的に一般観客の評価を優先したのか、2作目「カーンの逆襲」・3作目「ミスタースポックを探せ」は特に科学考証の必要がないアクション戦争映画になってしまった。判りやすくいえば「宇宙戦艦ヤマト」的ストーリーにされて、「スタートレック」の良さは完全に殺されてしまうことになる。4作目「故郷への長い道」までは、この1作目が最もデキが良いと評されることになった。

 当時の私は、カーク船長たちが帰ってきてくれただけでも感動で、続編と明るい未来を期待したものだった。(余談5)
 
(余談1)「トレッキー」とは、「スタートレック」の熱烈なファンあるいはオタクである。日本でいうウルトラマンやガンダムなどのマニアに相当する。
 ただし、アメリカ社会におけるSFの地位は日本とは比べ物にならないくらい高く、NASAや宇宙産業を支えているといっても過言ではない。NASA職員には「トレッキー」が多い。スペースシャトル一号機「エンタープライズ号」は原子力空母からの名前ではなく、この宇宙船USSエンタープライズ号からとっているのは有名な話である。
 
(余談2)アメリカでは視聴率が低迷だと「最終回」を制作する猶予も与えられずに放送中止となり、尻切れトンボのドラマが多い。この「宇宙大作戦」も「最終回」は無い。
 
(余談3)70年代前半にアニメ版が制作され、日本でもローカル局で放送された。作画は些か雑だが、キャラは実写のアニメ化でカーク船長スポックもそのままアニメで登場する。もちろん声も実写と同じシャトナー氏やニモイ氏が担当する。ストーリーはまずまずで、著名なSF作家も脚本に参加する。チェコフ役のコーニッグ氏も脚本家として参加。
 
(余談4)デルタ星人の女性中尉役の坊主頭は絶大な前評判だった。端正な顔立ちに形の良い後頭部はセクシーだった。当時、友人とでカツラか実際に剃っているかで激論した。実際は1シーンごとに剃っていたそうで、剃刀まけで頭皮が荒れて血が出はしまいか他人事ながら心配したものだ。
 別の役でスタートレックに出演してほしかったのだが、残念ながら10年程前に逝去された。
 
(余談5)TVシリーズから3年後の設定だが、やはり放送終了後から10年経っているので、カーク船長をはじめレギュラー陣の老け方が気になり設定に無理を感じた。ただ、チェコフはあまり変わっていなかったのが嬉しい。
 
晴雨堂スタンダード評価
☆☆☆ 良
 
晴雨堂マニアック評価
☆☆☆ 佳作

 



 
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