ミカエル晴雨堂の晴耕雨読な映画処方箋

晴雨堂ミカエルの飄々とした晴耕雨読な映画処方箋。 体調に見合った薬膳料理があるように、 料理に合う葡萄酒があるように、日常の節目に合った映画があります。映画の話題をきっかけに多彩な生活になれば幸いです。詳しいレビューは「続きを読む」をクリックしてください。

他国への安易な賞賛が目立つが、自分の足元を確かめる方が逆に良心的ではないのか? 近頃の現象[一二〇三] 

ヨーロッパの「静かな崩壊」が始まった! 
難民問題でドイツはギブアップ寸前。
じわじわと広がる排斥運動が、
EUの理念を侵食する


 現在、ドイツに続々と到着している難民は、オーストリアからドイツのバイエルン州に入る。オーストリアが、スロベニアから自国に到着した難民を、せっせとバスで運んでくるのだ。
 国境には公式の通過地点が5ヵ所定められており、9月と10月だけで、到着した難民は31万8000人。つまり人口1260万人のバイエルン州には、2ヵ月間、毎日平均5000人がやって来た勘定になる。
 受け入れ側の警察、役人、ボランティアは、文字通り休みなしだ。難民の身分証明書をスキャンし、指紋を登録し、健康チェックをし、食事を与え、仮眠所で休息させているうちに、次のバスが到着する。
 ベッドが足りなくなると、数時間仮眠した人たちを起こして、チャーターしたバスに乗せ、他州に振り分ける。世話をする人たちは、難民が到着すれば、どんなにくたびれていても放っておくわけにはいかない。
 オーストリアからのバスは、しばしば深夜に、それも予告なしに、何百人もの難民を国境に置いていった。そして、このやり方がドイツとオーストリアの間に緊張をもたらし、10月末、デ・メジエール内相が「了解できない」と強く非難した。
 それに対してオーストリアのミクルライトナー内相は「ドイツは、難民を他のEU国に戻さないと宣言した唯一のEU国だ。それによって、難民の数が爆発的に増えた」と反論。問題がここまで混乱したのは、ドイツのせいだと言わんばかりだった。(現代ビジネス)


【雑感】Twitter上ではドイツの脱原発政策やシリア難民受入政策を賞賛する声が多い。しかし私は逆に不安になる。これは以前の「アラブの春」でも同様の不安を抱いた。欧米のメディアや日本の旧革新系(現在の護憲派や左派)は論調だけを見ると手放しの賞賛、そして日本も見倣って続けの連呼だ。

 私は安易な綺麗事を言う輩は嫌いである。そういった方はよく花火だけあげて後始末はやらない事が多い。盛り付け豪華な美味い御馳走を作って食事後の後始末は配偶者(女とは限らないよ、今は)に押し付ける様に似ているかもしれない。
 どうしても問題になるのが物理的制約と物理的担保である。これを無視すれば、良い顔をして約束しておきながら、後になって「できませんでした」となると、先の民主党政権が沖縄県に対してやった公約と同じで、かえって混乱と災いを招く。日常でもええカッコして転んだらイメージは実行する前より信用は大暴落だし、助けられる側も期待持たせられての突き落としだからもはや信じなくなる。

 ドイツはナチスドイツ時代を反省して日本の革新系勢力が羨むような制度をつくり実行してきた。今や日本の左派ジャーナリストの大御所ともいえる立場になった本多勝一氏は今でも日本を批難する際には「ドイツでは云々・・それに引きかえ日本はなんや」という理屈で来よる。
 だから、欧州各国は移民受入に寛容なドイツを批判している場合ではないのかもしれない。むしろ二度の世界大戦を引き起こした前科があるドイツの寝た子を起こさないためにも、仏の顔のドイツを支えてやらなければまたヒトラーみたいな魔王が台頭してくるかもしれないのだ。

 しかし実際はドイツへの批判が高まりつつある。ドイツ国内でもジワジワ難民受入への不満がボヤから火災へと大きくなりつつある。とどまる事を知らない難民の急増に政府スタッフやボランティアは大変だろう。このまま増え続ければ、対応力は限界に達するし、ドイツが抱えているのは難民問題だけではなくギリシアなどのEU内の経済的困窮国への債権もあるし脱原発政策もある。
 ドイツ経済が破綻する噂が右派世論から聞こえているが私はそこまではいかないと思っている。しかし、メルケル政権は倒れるかもしれないし極右の台頭を許す事になる。

 これを東アジア情勢に視点をうつそう。右派市民は安易に中国との国交断絶や金正恩政権と朝鮮総聯の打倒を口にするが、私には「お花畑の論理」に聞こえる。今や中国は日本にとってアメリカよりも御得意様だ。昨年は僅差でアメリカが第一位の上得意になったが、いずれにせよ輸出総額の5分の1弱を中国が担っている。これに韓国や台湾を入れたらどうなる? 有事の際は日本経済に亡国的ダメージを与えるのは目に見えている。
 さらに北が転ぶと難民が大挙して周辺諸国にやってくる。当然、日本にも大勢くる。そうなった場合、現状の日本の体制で受け入れる事はかなり困難。日本は受入数を「賢明」にも低く抑えてきたが、抑え過ぎたために政府側にノウハウがあるのかどうか怪しい。そのような事態に仮になった場合、朝鮮総聯の力を頼らざるを得ないし、取り分け難民児童の教育については朝鮮学校以外に担える機関が見当たらない。

 そうなっては困るから、現状維持が大事なのだ。北が転んだり過度に朝鮮総聯や朝鮮学校に圧力を加えたら、最終的に困るのは日本だ。

 私に言わせれば、ドイツを賞賛する左派世論も、ドイツを皮肉る右派世論も、立場は違えどお花畑だ。夢を見るのは結構だが、幻想と現実の区別はつける習慣を持たなければとんでもない不幸を呼び込む。


 
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[ 2015/11/09 21:40 ] 日誌・・近頃の現象 | TB(0) | CM(2)
ドイツ国内が右往左往しているうちにヒトラー総統が現代に蘇りそうです・・・・
[ 2015/11/10 18:56 ] [ 編集 ]
うろぱす氏へ

 ヨーロッパ全体が排外的になる。そしてヨーロッパを「前例」として利用してきた旧革新系にとっても向かい風になります。

> ドイツ国内が右往左往しているうちにヒトラー総統が現代に蘇りそうです・・・・
[ 2015/11/10 23:20 ] [ 編集 ]
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