ミカエル晴雨堂の晴耕雨読な映画処方箋

晴雨堂ミカエルの飄々とした晴耕雨読な映画処方箋。 体調に見合った薬膳料理があるように、 料理に合う葡萄酒があるように、日常の節目に合った映画があります。映画の話題をきっかけに多彩な生活になれば幸いです。詳しいレビューは「続きを読む」をクリックしてください。

副作用の提示は必要だ。それにしてもノンポリ司会者と思っていた古舘伊知郎氏がここまで化けるとは。 

「誤爆犠牲者から見れば、
有志連合空爆もテロだ」 
報ステ・古舘氏の問題提起に異論も噴出


 「誤爆の犠牲になった人たちから見れば、有志連合による空爆もテロに当たる」。テレ朝系「報道ステーション」の古舘伊知郎キャスター(60)がこう問題提起したことが、ネット上で議論を呼んでいる。
 2015年11月16日夜の番組では、パリ同時多発テロの関連映像が紹介され、その後、スタジオに切り替わると、古舘氏がこう口を開いた。(J-CASTニュース)


【雑感】古舘伊知郎氏の発言に否定も異論もしない。世間の大勢が良かれと思う政策でも必ず副作用というモノがあり、それを指摘する嫌われ者は社会には絶対に必要だからだ。

 IS関係の一連の事件報道を見ていると、語弊を恐れずに言えば戦国時代の本願寺に似ている。少なくとも天下取りをすべく五畿内を制圧した織田信長から眺めれば石山本願寺はISに多少は似ているのかもしれない。
 政府から独立したような治外法権地域を拡大し、気に入らぬ領主がいると地元の一向宗門徒に檄を飛ばして一揆を起こさせる。しかもその一揆衆は平和的なデモ行進ではなく太刀や鉄砲で武装している。しかも殉教すれば極楽浄土へ行けるから、死ぬことへの恐怖が紛れている。
 この一揆衆に当時の領主たちは頭を抱えていた。信長に対抗した越前の朝倉氏が近江の浅井氏を支援しようと大軍を派遣するも領国を気にして冬が来る前に撤収したのは一揆衆の存在があった。今川家から独立して間もない徳川氏に至っては、主だった家臣も一揆衆側についてしまったため、頭を抱えるどころか身の危険を感じていたはずだ。
 そして上洛して巨大な権力を手中にしたはずの信長でさえも、杉谷善住坊に鉄砲で狙撃されている。(一向宗と関わり合いがあったかどうかは諸説ある)

 現代日本の宗教界がおおむね穏健平和的で戦争やテロとは無縁の存在となったのは、実は信長・秀吉・家康による徹底した「刀狩」という武装解除と勢力の分散と分断、政界からの排除、鞭と飴の巧みな宣撫工作の末である。
 だから、日本の宗教界が牙を抜かれてから数世紀、日本人は幸か不幸か宗教の怖さを知らずに過ごせた。
 
 ではそういった宗教勢力が糧にしているのは何かといえば、実は皮肉にも圧政や弾圧なのである。語弊を恐れずに言えば、世間が不幸になればなるほど商売繁盛なのだ。
 イスラムのライバル宗教であるキリスト教にしても、ローマ帝国の弱体化があった。五賢帝の全盛期の頃までは数多くある宗教の中の一つのカルトに過ぎなかったキリスト教が急成長したのは、度重なる北方のゲルマン民族の侵入と略奪で経済が破綻して人心が委縮し、首都ローマでさえも新たな城壁で囲わなければならなくなった時期だ。(余談1)
 聖書ではローマ帝国を悪徳と頽廃の社会に位置づけ、ローマが悪であることを論拠に勢力拡大を展開してきた。この戦略はキリストに限った事ではなく、後の社会主義も基本は同じである。

 今回のISの問題も、戦乱(そもそも長い歴史で見ると欧米が仕掛けたのだが)によって政治経済が破綻したイラクで生まれた。欧米列強が実力で潰しにかかればかかるほど、「聖戦」の根拠を与えてしまう。
 では一部の平和主義者のように武力に頼らない方法は有効か、といえばそうではなく、「聖戦」の根拠が無ければ今回のテロのように作りに行く。

 だから厄介なのだ。
 ISにとって脅威なのはドイツのメルケル政権がとっている寛容な太陽政策だ。異教徒の欧米列強が悪であるという前提が崩れてしまって「聖戦」の説得力が薄められ具合が悪い。だが、この太陽政策には重大な欠点があって、IS側にとっては戦闘員や工作員を紛れ込ませやすい。「聖戦」を起こすために事件を起こしやすくできる。殉教戦術をとるから作戦終了後の逃走経路を確保する手間もいらない。事件を起こせば現在のフランスやアメリカのように疑心暗鬼と対立を煽れて効果的に世論を有利に演出できる。非常に安上がりだ。

(余談1)EUも加盟国諸国はEU内国境を事実上撤廃の状態だったが、今回の事件で再び国境が復活し始めた。


 
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[ 2015/11/19 11:33 ] 日誌・・近頃の現象 | TB(0) | CM(0)
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