ミカエル晴雨堂の晴耕雨読な映画処方箋

晴雨堂ミカエルの飄々とした晴耕雨読な映画処方箋。 体調に見合った薬膳料理があるように、 料理に合う葡萄酒があるように、日常の節目に合った映画があります。映画の話題をきっかけに多彩な生活になれば幸いです。詳しいレビューは「続きを読む」をクリックしてください。

中小企業で広がる「子連れ出勤」 アグネス・チャンの提唱が四半世紀を経てやっと理解されたか。 近頃の現象[一二二一] 

中小企業で広がる「子連れ出勤」 
人手不足解消、新ビジネスも登場


 中小企業の間で「子連れ出勤」を認める機運が高まりつつある。人手不足の中で労働力を確保したい企業が、働き手の要請を満たす解決策として導入するケースが出てきた。子連れOKのオフィスを用意して企業から業務を受託し「子連れ出勤」をサポートする新たなビジネスモデルも登場。子供の面倒をみながら働くことの難しさもある一方、少子高齢化や待機児童問題がさらに深刻化する中、勤務スタイルの新たな選択肢となり、普及していくだろうか。(SankeiBiz)

【雑感】子連れで働くこと自体は、決して未来的でもなければ現代的でもない。
 昭和初期まで日本人の大半は農民だった。農業はある種の自営業、大雑把な仕事のリズムは有るが現代のサラリーマンの如く長時間拘束はされない。休憩時間や帰宅時間などは基本的に各々の裁量に任されていた。農作業の経験がある人なら解るだろうが、昼ご飯を食べに一旦帰宅することもあるし、夏の炎天下では仕事にならないどころか命の危険もあるので陽射しが弱まるまで昼寝もした。時間の都合をつけやすいから子連れ労働ができたのだ。
 父や母がせっせと田植え仕事をやっている間、小さな子供は祖父母や年長の長子が面倒を見る。小学校中学年頃からは野良仕事の戦力になる。だから子連れで仕事場へ行く行為は決して珍しくないどころか、子供を家に置いて自分たちだけが働く方が特殊だった。(余談1)

 そんな日本人の生活スタイルや家族スタイルが激変したのが高度経済成長期である。昭和30年代から40年代にかけて多くの人は故郷を離れて都市に集まり、農業などの第一次産業から製造業などの第二次産業やサービス業などの第三次産業へシフトし、企業側も地方から集まってくる労働力を使って経済発展した。
 そんな時、労働力に目一杯働いてもらうため(左翼的に言えば、労働者から労働力を根こそぎ搾取するべく)、労働者の生活を補助したり育児の役割を引き受ける「専業主婦」が奨励された。かくして、シングルマザーやシングルファーザーや共稼ぎ夫婦が育児に時間を割くことが誠に困難な社会環境にされてしまった。
 勘違いされている者が多いが、専業主婦なる職種は長い日本の歴史の中でほんの最近になって登場した高度経済成長のアダ花である。農村から見れば、専業主婦なんて職業は富裕層の奥様しかいなかったのだ。高度経済成長によって、これまで家庭の日常に職場があった環境から家庭と職場が切り離され、辛うじて賃金という名の利害関係でつながっているサラリーマン家庭に変貌した。
 だからシングルマザーやシングルファーザーや共稼ぎ夫婦が育児に四苦八苦するのは当然なのである。OLたちが仕事のために出産を先送りせざるを得ないのは当然の事なのである。資本家たちが太平洋戦争後に専業主婦がいないと家庭が成り立たないような悪しき社会をつくりあげてしまったからだ。こんなの日本の伝統でも何でもない事が理解できよう。(余談2)

 アグネス・チャン氏が80年代末に提唱した企業内託児室がどういう意図によるものかは様々評価はあるだろうが、少なくとも子連れで仕事場に行く行為自体は別段非常識では無く、ある種の原点回帰的な形であり、専業主婦を日本の伝統と勘違いする似非保守・偽保守が発する雑音によって潰された。
 いま少子化が深刻な社会問題となっているこの期においても、報道やブログやTwitter上でアグネス・チャン氏の企業内託児室を見直す声、批判してしまった不明を恥じいる声は全く聞かない。

(余談1)明治維新後、富国強兵を急ぐ政府は近代化に対応できるよう国民の識字率向上を目指し全国に尋常小学校を設置していった。ところが農村部にとって小学生くらいの児童から重要な働き手になるため学校に対して反発は根強かった。
 明治期の義務教育がわずか4年間で、現代でいう小5や小6は義務教育外の高等小学校にしたのは、農業の担い手であるという事情もあった。
 だが政府も義務教育4年間で万事解決とは思っておらず、義務教育6年間を目指し段階的に高等小学校を増やした。

(余談2)フェミニストの一部勢力が、出産しない権利を主張し男性と「同等」の労働を喜々として担い「キャリアウーマン」と世間から呼ばれる様は、資本家が作り出した悪癖に毒され洗脳されていると言える。
 真のフェミニストであれば、男性であれ女性であれ育児にも時間が割ける労働環境構築を戦闘的に目指すべきではないのか?


 
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[ 2015/12/21 12:00 ] 日誌・・近頃の現象 | TB(0) | CM(0)
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