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ミカエル晴雨堂の晴耕雨読な映画処方箋

晴雨堂ミカエルの飄々とした晴耕雨読な映画処方箋。 体調に見合った薬膳料理があるように、 料理に合う葡萄酒があるように、日常の節目に合った映画があります。映画の話題をきっかけに多彩な生活になれば幸いです。詳しいレビューは「続きを読む」をクリックしてください。

微妙な時期に古舘氏は降板か。しかし私が古舘なら辞めたい気持ちは解るような気がする。 近頃の現象[一二二三]

<古舘さん降板>「なぜ」広がる驚き 
局の姿勢に疑問も


 名キャスターとされた久米宏さんの後を受けて11年8カ月余り。テレビ朝日の夜の看板報道番組「報道ステーション」の古舘伊知郎キャスターの来年春での退任が24日、明らかになった。放送に詳しい人たちは、年内最後の放送翌日に飛び込んだ突然の降板話に首をひねった。(毎日新聞)

【雑感】産経新聞には古舘伊知郎氏が会見で語った理由を詳細に淡々と報道している。毎日新聞は権力の圧力を疑うなど多少穿った分析で報道か。
 古舘氏の会見内容は、朝日や毎日にとっては決して愉快ではないだろうし、産経から見れば「まあ、そうだろうな」と得心いくものだ。特に「不自由な12年間だった」は一番強調したい台詞だろう。

 久米宏氏が「ニュースステーション」を辞め、「報道ステーション」にリニューアルして古舘氏がキャスターに就任した時、多くの視聴者は懐疑的に眺めていたと思う。古舘氏は娯楽畑の人間なので、果たして報道番組に合うのだろうかという疑問符だ。久米氏の後任は若干容姿が似ている渡辺宜嗣アナが座るのではないかと思っていた人が私の周辺には多かった。

 もっとも久米宏氏にしても娯楽畑出身だった。伝説の歌番組「ザ・ベストテン」やクイズ番組「ぴったし カン・カン」の陽気な司会ぶりが好評だった。それが硬派の報道番組をやるという事で「大丈夫か?」と思った人間はこれまた私の周辺で多かった。
 結局、2人とも見事に左翼系にシンパシーを感じる層の視聴者を納得させ、右翼系の視聴者の神経を逆撫でする司会ぶりを発揮した。見事に化けたなというのが私の印象だった。
 もともと久米氏や古舘氏の政治的ポジションや主義主張が反映したものなのか、あるいは局や番組編成の意向に従っての色付けなのかは判らない。

 古舘氏の言葉には嘘は無いと思う。12年間は不自由だったことは本音だろう。月曜から金曜まで毎日番組があるので拘束される。古舘氏が言うように報道用の禁止コードとバラエティ用の禁止コードは違う。当然、報道用のコードの方が制約が厳しい。しかも視聴者からのクレームがあれば禁止コードはさらに増えていく。報道番組は「公平」で行儀の良いものであるべきという考えが世間では支配的だからだ。

 左派と右派とでも禁止用語は異なる。右にとっての大きなタブーは天皇制批判(余談1)だが、左にとっての大きなタブーは社会的少数者批判だ。視点を逆にすれば、右は不自由なりにも地雷原が天皇制と現政権の政策に関わる事なので判りやすいのに対し、左の場合は社会的少数者や弱者などの心を傷つけると思われる言動が地雷原なのであまりにも広範囲で判りづらい。
 だから政権批判や体制批判について不自由というのはジャーナリズムにとって最も深刻なのだが、結果的に判りやすい地雷原と判りにくい地雷原を並べてしまうと気分的に左の地雷原のほうが不自由に感じてしまう。
(余談2)
 これは古舘氏が会見で語った一例

それから、バラエティーやスポーツ実況の放送コードと報道の放送コードって違いますから。バラエティーなら、『ラーメン屋』と何の悪気もなく言えますが、報道は『ラーメン店』と、(『屋』ではなく『店』と)言わなければならないんですね。『おかしいでしょう』と、いつもスタッフとせめぎ合うんですけど

で現れている。

 だから、権力と対峙する前に後ろから飛んでくる石で体力が削がれていく面はあるとのではないかと思う。同じ報道番組でも、右側の番組を受け持ち安倍政権を支持し、左的禁止コードに鬱積を募らす者の気持ちを代弁する辛坊治郎氏や宮根誠司氏の方が気分的にまだ楽だ。

(余談1)これまで共産党は今上陛下御臨席の国会の年始には登院しない習慣があった事からも判るように、本来の左翼は王侯貴族などの特権階級廃止がテーマでもあるので天皇の存在は認められない。だから左翼はたとえ今上陛下が護憲派であろうとも天皇制の存在そのものを「最大の差別システムの加害者にして貴種に持ち上げられることで基本的人権を否定された被害者」と断じ批難する。
 ところが皇族批判となると一部の右派もやる。今や最強の護憲派でもある今上陛下への批判はさすがに無いが、右派が考える「伝統」に逆らう皇族にはバッシングを行う。雅子皇太子妃殿下がしばしば保守系メディアの標的にされている。
 
(余談2)そんな事を言うと、社会的少数者から「お前の無知を棚に上げるな」との批判が聞こえてきそうだ。実際に市民運動に参加していた時代によく言われた。
 だが、そんな社会的少数者たちも別分野の社会的少数者の事を理解しているかといえば、むしろ保守市民以上に無知である光景を私は見てしまった。極端な実例をあげれば、喘息もちである事をことわっている私の目の前で堂々とアメリカ産の煙草をプカプカする若いフェミニストがいた。
 自分たちが抱える問題とは直接関係の無い分野には無知である活動家に数多く出会ってしまったので、もはや眉に唾つけ話半分にしか彼ら彼女らの主張は聞けない。


 
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