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ミカエル晴雨堂の晴耕雨読な映画処方箋

晴雨堂ミカエルの飄々とした晴耕雨読な映画処方箋。 体調に見合った薬膳料理があるように、 料理に合う葡萄酒があるように、日常の節目に合った映画があります。映画の話題をきっかけに多彩な生活になれば幸いです。詳しいレビューは「続きを読む」をクリックしてください。

ドイツに行ってきた!(9) ドイツの年末年始はひたすら食べて飲んでだ・後編。 晴雨堂の晴耕雨読な食生活[二〇三]

正月料理は兎の丸焼きだった。

兎の丸焼き。
H氏の家庭では正月に兎の丸焼きを食べる事が多いそうだ。 
上記写真ではバラバラにしているので兎らしくないが。

【雑感】カウントダウン15分前にH氏に起こされリビングに降りた。みんなシャンパングラスをもってカウントダウンを待っていた。H夫人は私にグラスを持たせスパークリングワインを注いでくれた後、普段は消したままのテレビの電源を入れた。

 画面にはベルリンのブランデンブルグ門でのコンサート風景を映していた。これは日本の番組でジャニーズやJpopのライブをやりながら新年を待つのとよく似ている。
 いや、日本が欧米に倣って今の形式にしたのだ。幼い頃はNHKの「ゆく年くる年」をしんみり見ながら初詣に行く準備をし、新年が明けると「あけましておめでとうございます」と挨拶して初詣に出かける。家の照明は点けたままにし、懐中電灯で行く手を照らしながら神社へ向かったものだ。

 ここでは各地で一斉に花火が打ち上げられる。テレビ画面の金髪熟女の司会者がコンサート会場でカウントダウンを始めた。我々はソファーから立ち上がり乾杯の姿勢をとる。
 2016年の幕開け!「Frohes Neues Jahr !」みんな乾杯をして一気にスパークリングワインを飲み干し、かたい握手をしてまわる。
 さっきまでは散発的に花火が上がっていたが、隣近所で打ち上げ花火の斉射が始まり、近くの教会からけたたましく鐘の音が鳴り響き続ける。
 我々も外套を着て外に出る。辺りは花火の硝煙が立ち込め、思わず咳き込んだ。教会の鐘はなおも鳴り響き続け、空には絶えず打ち上げ花火が花開いている。H氏たちも用意した打ち上げ花火に次々と点火、近所の人たちが満面に笑顔で挨拶してくる。典型的な東アジア風貌の私には気を遣ってドイツ語ではなく「Happy New Year!」と握手を求めてきた。私も嬉しくなって強く握り返す。

 こういう喧騒は2時間くらい続くそうだ。私は良い風習と思う。家族で新年を楽しく祝い、さらに隣近所で喜び合う。日本人が忘れかけている人間関係ではないか。(余談1)
 ただ、私は正月の暴飲暴食に備え花火に付き合うのは小一時間に留めてベットに戻った。本当は2時間ほど騒いだ後は燃えカスなどの後片付けをしなければならなかったらしい。


 朝、起きてリビングに降りると、冒頭写真で紹介したようにH夫人は既にオーブンで焼いた兎を食べやすいようバラバラにして皿に盛りつけていた。

正月用料理兎の丸焼き。

 好きなピースを自分の皿にとり、付け合わせの豆とジャガイモを添えてソースをかける。一応ナイフとフォークがあるが、皆は手掴みで食べる。これは日本人が茹でた蟹を箸ではなく手掴みで貪るのに似ている。食卓には汚れた手を拭くための紙ナプキンをロールごと置いていた。
 兎の肉は初めて食べる。食感と味は鶏に似ているが、やや淡白な感じがするのと、やはり兎なので骨格は大柄だ。H氏一家には御馳走なのだが、ドイツ人の中には丸焼きを嫌っている人も少なくないそうだ。理由は手が汚れるから。私も蟹は好きなのだが食べるのが面倒で鬱陶しく思う、それと同じかもしれない。
 個人的な好みをいうと、丸焼きよりも胡椒と生姜と醤油を塗して唐揚げにした方がもっと美味くなるのでは、と思ったのだが、それはそれで兎本来の肉の旨みが薄められる恐れがある。やはり丸焼きが正月に相応しいか。
 美味しい部位はやはり骨の多い肋骨の部分だろう。食べにくいが骨が多いので旨みがある。食べやすいのは腿の部分だ。これは鶏と同じだ。

 姪っ子はもりもり兎の丸焼きを食べながら「ドイツの正月はひたすら飲んで食べての繰り返し」と言う。姪っ子の容姿は線の細い美少女系なのだが、ドイツでは伸び伸びしているように見える。


 ドイツの正月で忘れてはならない料理がもう一つある。特大プレッツェルだ。

正月用プリュッツェル。

 プレッツェルというと、日本ではポッキーに代表される棒状のスナック菓子やブッシュ大統領が喉を詰まらせて有名になったスナック菓子しか連想しない人が圧倒的多数だろう。若干ドイツ文化に触れた事がある人は、食感がベーグルに似たドイツのパンを思い浮かべるかもしれない。私も近年の日本各地で催されるビールの祭りオクトパーフェストの屋台で売られるビールの肴のベーグル系プレッツェルが大好きだ。
 ところがこの正月用特大プレッツェルには驚いた。正月の何日か前に馴染みのパン屋に予約を入れて焼いてもらうそうだ。縁起物の正月ケーキとしていただくので、通常のプレッツェルは塩の塊をまぶすのだが、これは砂糖を散らす。
 H氏は「これを皆さんに見て食べてほしい」とオーバーアクションの手ぶりをしながら語気強く勧めてくれた。各々、適当な大きさに切り取って食べる。プレッツェルはベーグルよりも硬くてモチモチしているのだが、これは柔らかくて日本でいうロシアパンに近い味だ。珈琲によく合う。
 7人で食べたのであっという間に無くなってしまった。れいによって私が一番多く食べてしまったかもしれない。

ノンアルコール・エルディンガー。
ノンアルコールのバイツェンビール。H氏が薬を飲むときにこれで飲む。
日本でノンアルコールというとピルスナーばかりだが、ドイツではバイツェンがある。
ノンアルとは思えない美味さ。

 昼下がり、近くの森林公園の散歩に付き合った後、夕方から少し仮眠をする。そこへH氏が起こしに来た。「地下で飲み明かそう」と。義従兄と3人、地下室に籠り真夜中まで飲んだ。姪っ子とF氏とH夫人はリビングでワインを片手にカードゲームに興ずる。
 ドイツでは家族でカードゲームやボードゲームをやるのが盛んだ。そういえば、子供のころは一家団欒の場にトランプ遊びや双六などのボードゲームをよくやったものだ。懐かしい気持ちになる。

ドイツ独特のカードゲーム。
「6 Nimmt!(ゼクスニムト)」というカードゲーム。7ならべとページワンを合わせたようなルール。

 ドイツの正月はひたすら飲んで食べてゲームして時間が過ぎていく。どこか他所の風習のようには思えない、かつての我が家も同じように正月を過ごしていた。だから懐かしい。
 いったい、いつから寂しい正月になってしまったのか? 


 
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