ミカエル晴雨堂の晴耕雨読な映画処方箋

晴雨堂ミカエルの飄々とした晴耕雨読な映画処方箋。 体調に見合った薬膳料理があるように、 料理に合う葡萄酒があるように、日常の節目に合った映画があります。映画の話題をきっかけに多彩な生活になれば幸いです。詳しいレビューは「続きを読む」をクリックしてください。

「土佐の一本釣り」リメイク作が金銭トラブルで上映できず塩漬けに。  近頃の現象[一二二九]  

土佐の一本釣り> 
映画完成も「塩漬け」 製作費未払いで


 カツオの一本釣り漁で有名な漁師町、高知県中土佐町久礼(くれ)に生きる人々を描いた映画「土佐の一本釣り」が、同町も協力して34年ぶりにリメークされ、昨春全国公開されるはずだったのに、いまだに配給先すら決まらず塩漬け状態になっていることが分かった。映画の企画会社が複数の製作会社に製作費の未払いを繰り返しているためで、行政が対応策を検討する事態に陥っている。(毎日新聞)

【雑感】今後、こういう事もチョクチョクあるかもしれない。
 町興し村興しを目論む過疎自治体と自治体の支援を背景に映画を撮りたい制作者、だが不景気と過疎化の弊害は大きい。極論すると、儲かる自治体は東京ばかりだし儲かる制作者も東京を根拠地に置く大手のプロダクションやテレビ局関係ばかり。
 本来ならマニアックではないのに、少しでも主流から外れると資金繰りは厳しくなる。邦画が見直されるようになって久しいが、再びハリウッド映画が巻き返している。


 何度か当ブログで言及した事があるが、映画は有力な町興し村興しのアイテムになってきている。関係自治体にとって新たな産業を興すことを思えば場提供をするだけなので安上がりだし、もしヒットでもすれば「二十四の瞳」が小豆島観光を半世紀以上にわたって支えている例があるように、長く観光宣伝に役立ってくれる。

 映画ではないが、大河ドラマ「龍馬伝」ではお陰さまで我が郷里高知県の経済に潤いを持たせてくれた。同郷人である広末涼子氏も積極的に観光工作に協力してくれる。
 錦戸亮氏主演の「県庁おもてなし課」は作品としてのインパクトや評価はイマイチだったようだが、高知県内では連日映画館は満席状態で、舞台となった高知県庁は他県からの観光客が押し寄せ、ゴールデンウィークから夏休みまでの観光客誘致に貢献したので、映画制作の戦術目的は達成されている。
 だから映画撮影誘致はけっして小さくは無いのだ。原作者の青柳裕介氏は中土佐町の名誉町民であり石像も建てられている。今でも一本釣りファンは中土佐町を訪れる。

 今回の映画企画も大掛かりだったようだ。出演俳優は阿藤快氏・山田邦子氏・古村比呂氏・中越典子氏・渡辺大氏・河合龍之介氏・森田成一氏・六平直政氏と、人件費はけっして安くない。主役は注目を集めている新人俳優の中島広稀氏と森永沙良氏の2人、私は好感を持っている。
 中島広稀氏は大河ドラマ「八重の桜」で綾瀬はるか氏が扮する主人公八重の信奉者で悲劇の白虎隊隊士伊東悌次郎を好演したのが印象に残っていた。森永沙良氏の方はモデルの仕事ばかりなのか俳優としての実績はこれからのようだ。前作では田中好子氏が務めていたので全くイメージが異なる吉村八千代が登場する。(余談1)
 出身地は中島氏は群馬県、森永氏は長野県と、高知とは隔たった地方出身なのだが、どんな土佐弁を操ってくれるか、腕の見せ所だ。

 監督は蔵方政俊氏で、「世界の中心で、愛をさけぶ」や「舞妓Haaaan!!!」などのヒット作で助監督を務めていた人で、監督デビューは最近のようだ。監督としての手腕はまだよく判らない。
 最初は井坂聡氏が担当していて、私は彼の「ミスター・ルーキー」が好きだったから、本作はけっこう期待していた。ところが、監督は交代する、重要俳優も入れ替わる、制作会社も変わる。協力した中土佐町や高知県は、監督や起用された俳優の面々から喜んで参加したものの、雲行きの怪しさで困惑と不安でいっぱいだろう。

 21世紀に入って邦画が盛り返したといっても、景気は相変わらず低空である上に、邦画で儲かっているのはジャニーズやオスカーなどの大手芸能プロやフジサンケイグループなどのテレビ局関係、超メジャーから外れた会社はけっして潤沢ではない。ましてや映画一筋の制作会社となると資金繰りで苦慮する事業者は少なくないと思う。
 森永沙良氏にとってはせっかくのヒロイン大抜擢なのに不景気な話に巻き込まれたものだ。

 阿藤快氏の遺作のようなものでもあるし、これには大勢の高知県人が関わっている。塩漬けのままにはしておけない。町と県と制作者の三者はよく協議して上映を動かしてはならぬ絶対前提として落としどころを見つけてほしいものだ。

(余談1)八重の信奉者には玉山鉄二氏演じる山川浩がいる。おそらく、大河での共演が縁で中島氏は軽自動車「WAKE」のCMで玉山氏の弟を演じている。

【追記】(2016.04.27)やたら本記事へのアクセスが多いので、なんでかなと思って2014年版「土佐の一本釣り」のホームページを覗いてみると、どうやら2016年の秋冬に劇場公開予定との告知があった。しかし詳細は不明のようなので、まだ先行きは判らない。


 
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[ 2016/01/31 11:27 ] 日誌・・近頃の現象 | TB(0) | CM(0)
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