ミカエル晴雨堂の晴耕雨読な映画処方箋

晴雨堂ミカエルの飄々とした晴耕雨読な映画処方箋。 体調に見合った薬膳料理があるように、 料理に合う葡萄酒があるように、日常の節目に合った映画があります。映画の話題をきっかけに多彩な生活になれば幸いです。詳しいレビューは「続きを読む」をクリックしてください。

「ラストマン・スタンディング」 ストレス解消活劇〔26〕 

ラストマン・スタンディング」 
意外に似合うブルース・ウィルス

 

 
【原題】LAST MAN STANDING 
【公開年】1996年  【制作国】亜米利加  【時間】101分  
【監督】ウォルター・ヒル
【原案】黒澤明 菊島隆三
【音楽】ライ・クーダー
【脚本】ウォルター・ヒル
【出演】ブルース・ウィリス(ジョン・スミス)  クリストファー・ウォーケン(ヒッキー)  ブルース・ダーン(エド)  ウィリアム・サンダーソン(-)  カリーナ・ロンバード(フェリーナ)  デヴィッド・パトリック・ケリー(ドイル)  アレクサンドラ・パワーズ(ルーシー)  ネッド・アイゼンバーグ(ストロッジ)
    
【成分】笑える 勇敢 知的 かっこいい ギャング 1920年代 アメリカ
       
【特徴】黒澤監督の名作時代劇「用心棒」をハリウッドがリメイク。幕末日本から禁酒法時代の1920年代アメリカへ舞台設定を変える。もともと「用心棒」は戦前のハードボイルド作家ダシール・ハメットの小説が原作だから、ハリウッド版リメイクの方が原作のイメージに近いかもしれない。
 意外にブルース・ウィルスが好演。そこそこ面白い。
  
【効能】渋いハードボイルド的雰囲気に浸れる。
 
【副作用】用心棒」ファンの中には、黒沢監督作への冒涜に見えて不快感。ブルース・ウィルスのアクション目当ての人は地味に見えてがっかり。
 
下の【続きを読む】をクリックするとネタバレありの詳しいレビューが現れます。記事に直接アクセスした場合は、この行より下がネタばれになりますので注意してください。  

むしろ原作の雰囲気に近い映画。
 
 言うまでもなく、黒澤明監督の傑作娯楽時代劇「用心棒」のリメイクで、監督は男臭い映画で定評のあるウォルター・ヒル氏。剣客桑畑三十郎にあたる一匹狼ジョン・スミスは銃の使い手(余談1)、ブルース・ウィルス氏が結構好演していた。短筒の使い手新田の卯之助に該当する役はクリストファー・ウォーケン氏扮するヒッキー。
 舞台は江戸時代の日本から1920年代の禁酒法下のアメリカへと移し、刀を拳銃に、着物をスリーピースの背広に衣替えした。ストーリー展開は殆ど同じというより、全く同じといって良いほどである。強いて違うと感じたのは、桑畑三十郎はラストで脇差を失ったまま刀一本を腰にさしたまま旅を続ける(余談2)が、ジョン・スミスは背広のベストとネクタイを失ったまま旅を続ける事くらいか。要するにそれくらい内容が同じなので、同じ物語をアメリカがコスプレを楽しむために撮り直して遊んでいる感じがする。

 「用心棒」のファンにとっても、ブルース・ウィルス氏のファンにとっても、あまり好意的に評価できる映画ではないかもしれないが、私はそこそこサマになっていたと感じ楽しめた。「用心棒」当時の三船敏郎氏とこの作品でのブルース・ウィルス氏の歳頃は同じくらいで、野性的な風貌や下顎の張りのある肉の付き具合も比較的似ていた。桑畑は飄々とした素浪人で、ジョン・スミスはクールなのだが飄々とした雰囲気の残る風貌にどこか共通点がある。かなり制作者は「用心棒」を意識して楽しんでキャスティングしたのではないか。

 あまりにも「用心棒」が有名でありすぎたために、後発のこの作品が低く評価されてしまうのはやむを得ないが、内容としては楽しめるものになっているし、違和感はない。もともと原作はアメリカのハードボイルド作家のダシール・ハメットが書いた探偵小説だ。原作の時代設定は禁酒法時代だから、違和感が無くて当たり前である。
 もしかしたら、黒澤監督が最初に思い描いたイメージはこの「ラストマン・スタンディング」のような光景かもしれない。何故なら、仲代達矢氏扮する新田の卯之助の垢抜けした20世紀的風貌、マフラーに拳銃というのはあの時代のヤクザらしくない。どういう経緯で素浪人侍の物語なったのかは知らないが。

(余談1)非常にありふれた名前。山田太郎とか鈴木一郎のようなポピュラーな名前である。名無しの根無し草を表しているのか?

(余談2)「用心棒」の後で制作された「椿三十郎」も、同じキャラで刀一本しか差していない。続編なのか?



晴雨堂スタンダード評価
☆☆☆ 良

晴雨堂マニアック評価
☆☆☆ 佳作


晴雨堂関連作品案内
用心棒<普及版> [DVD] 黒澤明<普及版> [DVD]
荒野の用心棒 完全版 スペシャル・エディション [DVD] セルジオ・レオーネ
 
晴雨堂関連書籍案内
血の収穫 (創元推理文庫 130-1) ダシール・ハメット

晴雨堂関連処方箋案内
「用心棒」 ストレス解消活劇 24


 

 
 blogram投票ボタン にほんブログ村 映画ブログへ
ブログランキングに参加しています。
関連記事
スポンサーサイト
コメントの投稿













管理者にだけ表示を許可する
映画処方箋一覧
晴雨堂が独断と偏見で処方した映画作品。
下段「日誌」項目は晴雨堂の日常雑感です。
メールフォーム
晴雨堂ミカエルに直接ご意見を仰せになりたい方は、このメールフォームを利用してください。晴雨堂のメールアドレスに送信されます。

名前:
メール:
件名:
本文:

プロフィール
↓私の愛車と野営道具を入れたリュックです。

晴雨堂ミカエル

Author:晴雨堂ミカエル
 執筆者兼管理人の詳しいプロフィールは下記の「晴雨堂ミカエルのプロフ」をクリックしてください。

晴雨堂ミカエルのプロフ

FC2カウンター
2007年10月29日設置
当ブログ注目記事ランキング
当ブログで閲覧数の多い順ランキングです。
設置2013年6月13日
ブログランキング
下記のランキングにも参加しております。ご声援ありがとうございます。
  にほんブログ村 映画ブログへblogram投票ボタン
アクセスランキング
[ジャンルランキング]
映画
191位
アクセスランキングを見る>>

[サブジャンルランキング]
レビュー
86位
アクセスランキングを見る>>
タグランキング
晴雨堂の関心度が反映されています。当ブログ開設当初は「黒澤明」が一位だったのに、今は・・。
訪問者閲覧記事
最近のアクセス者が閲覧した記事を表示しています。
月別アーカイブ
ブロとも申請フォーム
リンク