ミカエル晴雨堂の晴耕雨読な映画処方箋

晴雨堂ミカエルの飄々とした晴耕雨読な映画処方箋。 体調に見合った薬膳料理があるように、 料理に合う葡萄酒があるように、日常の節目に合った映画があります。映画の話題をきっかけに多彩な生活になれば幸いです。詳しいレビューは「続きを読む」をクリックしてください。

大阪の中学校校長が女子生徒に向かって「子供を2人以上産むこと」とスピーチか・・。この校長は下流社会を解っていない。近頃の現象[一二四三] 

<大阪市立中校長> 
「女性に大切…2人以上産むこと」発言


 大阪市立中の男性校長(61)が2月29日、全校集会で「女性にとって最も大切なことは子供を2人以上産むこと。仕事でキャリアを積む以上に価値がある。子育てをした後に大学で学べばよい」と発言していたことが、市教委関係者への取材で分かった。市教委は「不適切な発言」として処分を検討している。(毎日新聞)

【雑感】確かに少子化解決策の手っ取り早い方法は子供を産むことだが、ただ女性に向かって「産め」というだけでは能が無い。フォローもなく徒に「やれ」と言われる身にもなってみろ。

 女性差別がどうのジェンダーがどうの言っても始まらんから、物理的問題のみに絞って述べよう。

 日本経済が潤沢で、亭主の稼ぎだけでドイツの中流家庭のように健康で文化的な生活が享受できるのであれば、それもありかもしれないが、終身雇用制が崩壊して夫婦共稼ぎでないと家計は成り立たないし、その状態で子育てとなると設備が整った公立保育所などの支援がどうしても必要なのだが、残念な事に国や自治体は財政難から統廃合(数減らし)なんて挙に出ている。

 公立学校の教員は激務が日常化しているがそれでも公務員だ。私のような低所得労働者から見れば分厚い手当てがある。公務員の友人宅でホームパーティした時、連れ合いは生活水準の差に愕然とした。
 仮に同じくらいの銭を稼ごうと思ったら、私は残業や休日出勤などをやるのに対して、その家庭は定時ですむ。子供が生まれた場合でも我々の場合は収入激減は避けられなかったが、その家庭は産休や育児休暇などの諸手当がある。

 つまりだ、公立中学の校長を務めている程の人間に、果たして我々のような人間の境遇は感覚として理解できるのか? 私はできていないと思う。たぶん想像する事も無理だと思う。
 さしあたって急務なのはキャリアウーマンをどうにかしようではなく、我々のような低所得家庭で育児を行う者や、低所得世帯で子供がほしい者に手厚い支援をまず行う事である。
 保育士を育成し、一定規模以上の事業所には補助金を出して事業所内に保育所設置を奨励するなど、やる事はたくさんある。

 「子育てをした後に大学で学べばよい」なんて言ってもね。本気で言ってるのかね? 
 頭の柔らかい子供のうちに勉強しろとか、社会に出たら勉強したくても時間が無いとか、歳をとったら頭が固くなってしまうとか。私は中高生の頃に校長から担任まで先生たちからさんざん言われてきた。恩師たちの言う通りだった。いま私は非常に後悔をしている。
 問題の校長先生は女性たちに効率が悪くて不利な方法を何故わざわざ勧めるのか? 教育者のくせに。


 校長の言い分も解らなくはない。女性の出産適齢期間は思ったほど短い。人間も所詮は動物、一介の哺乳類だ。医学が発達しても動物としての生理は変わらない。やはり生殖年齢に達する10代半ばから安定期の20代が良好で、30代半ばを過ぎると徐々に卵子の劣化が始まり受精しても子宮に着床しにくくなる。妊娠できてもダウン症などの障害児になる確率が齢を重ねるごとに激増していく。
 ここでよく見落とされるが、精子の劣化も進んでいるのだ。不妊治療で精子の検査をしてもらった時、私は愕然とした。おそらく加齢と夜勤労働など不健康因子が絡んでいるのだろう。

 だからである。女性単独で細胞分裂して子供ができる訳ではないのだ。そんな事が実現してしまったらフェミニストの中の過激派が喜ぶ。
 女子生徒だけを対象にスピーチしたのが拙かった。男子と女子に向かって命の大切さや育児の崇高さを説くのならセーフだった。


 最後に、校長の「勇気ある発言」を讃えて私も偏見を増長させる危険のある語弊を恐れず敢えていう。
 不妊治療の講習会に夫婦そろって参加した時、参加者の顔触れを見て「低所得労働者」ぽいのは私たちだけだった。大半の参加者はセンスの良い身なりと所作から前述した公務員の友人家庭のような生活水準と教養水準が窺われる。年齢も30代後半くらいだった。
 私は低所得労働者向けの府営団地に住む人間である。近所の子は若くして子供をもうける者はけっこういた。まだ20歳になるかならないかの若さだ。
 中学時代の同級生でツッパリ姉ちゃんだった子は10代半ばで子供をもうけた。若いうちに生き物としての生理現象に従って子づくりすれば、子供はすぐにできるだろう。

 解決のキーワードは社会的制約だ。
 本来は生き物として生殖年齢に達しているのに現代社会は「未成年」「児童」などのカテゴリーに入れて生殖活動を厳しく抑制する。私の中学時代の同級生や近所の女の子はそんな制約に突っ張って子供をもうけた。(たぶん子供をつくるつもりは無かったのだろうが)
 私のように社会的制約に遵守してきた者は時間的余裕や経済的余裕が無くてなかなか子供に恵まれなかった。

 問題の校長が理想とする世界を達成させるためには、生徒たちに妊活期間を設けて子づくりさせ、一通りの育児期間が終わったら復学させて子供は生徒たちの親が面倒を見る、というシステムでいけば少子化解決の糸口になるかもしれない。10代の青少年の親なら大概はまだ働き盛りで孫の面倒を見る体力がある。
 問題発言をするのなら、このくらいのビジョンは述べてもらいたかった。どうせ処分されるのだから。


 
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[ 2016/03/12 08:29 ] 日誌・・近頃の現象 | TB(0) | CM(2)
ヒトラー総統は女性の社会進出や高等教育には消極的でした。

女性が高学歴化し就業すれば出生率が下がる事を理解していたからです。
ナチスを肯定するつもりは毛頭ありませんが少子化対策の見地から考えればヒトラー総統の見解は完全に正論です。今の日本で政治家がそんな事を言えば女性の反発を買い選挙で落選するので誰も言いません。

ここままだと50年後には日本の人口は8000万を下回り労働力人口は4割以上減少すると言われています。

私は女性の高学歴化・社会進出を否定するつもりはありませんが、日本国民の選択の問題だと思います。
[ 2016/03/13 18:10 ] [ 編集 ]
うろぱす氏へ

 それはどうでしょうかね。

 たしかに、少なくとも人口増にブレーキをかける効果は若干あるとは思いますが、現在のような極端な少子化の原因に女性の社会進出と高等教育をもとめるのは短兵急です。あくまで考えられる要素の一つに過ぎないので「正論」と評価はできません。

 例えば、滋賀県も女性の進学率は隣の京都ほどではないにしても比較的高い方ですが、同時に出生率も沖縄ほどではありませんが高い方です。

 また就業を原因とするよりも、何度か私はブログで言及してきましたが、「専業主婦」とは高度経済成長の一過性アダ花であって、第一次産業が主たる産業だった近現代以前は女性も労働をしていました。私の祖母も母も農業をやっていたし、地域自治会にも参画していた。
 少子化の原因を女性の高学歴と就業に求めるてしまうのは固定観念と錯覚によるものです。

 むしろ大きな原因は核家族化と産業構造の変化に求めるべきでしょう。

 何度か論述しましたが、アグネス・チャン氏が80年代後半に提唱した企業内託児所に着手していれば、少子化の傷口はこれほど深くはなりませんでした。
 大きな事業所であれば工場内に保健室や診療所を置いている。そこへもう一踏ん張りして託児所や保育所を設置する努力が必要ですし、実行している会社も出始めています。

 もはや江戸時代には戻れませんので、現代に合わせたフォローが必要なのに、そのフォローを保守は怠り、左翼はジェンダーやフェミニズムなどに絡めて政争の具にしたので話を解りづらくしてしまった。



> ヒトラー総統は女性の社会進出や高等教育には消極的でした。
>
> 女性が高学歴化し就業すれば出生率が下がる事を理解していたからです。
> ナチスを肯定するつもりは毛頭ありませんが少子化対策の見地から考えればヒトラー総統の見解は完全に正論です。今の日本で政治家がそんな事を言えば女性の反発を買い選挙で落選するので誰も言いません。
>
> ここままだと50年後には日本の人口は8000万を下回り労働力人口は4割以上減少すると言われています。
>
> 私は女性の高学歴化・社会進出を否定するつもりはありませんが、日本国民の選択の問題だと思います。
[ 2016/03/13 20:41 ] [ 編集 ]
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