ミカエル晴雨堂の晴耕雨読な映画処方箋

晴雨堂ミカエルの飄々とした晴耕雨読な映画処方箋。 体調に見合った薬膳料理があるように、 料理に合う葡萄酒があるように、日常の節目に合った映画があります。映画の話題をきっかけに多彩な生活になれば幸いです。詳しいレビューは「続きを読む」をクリックしてください。

昭和の天然記念物「サザエさん」を観ていると、ときどき切なく羨ましく思う時がある。 晴雨堂の晴耕雨読な日常[二六〇] 

番組改編で「サザエさん」生き残り、
昭和アニメに生き残る道はあるか


 フジテレビが6日、都内ホテルで4月改編発表会を開いた。メインスポンサーである東芝の経営危機などにより一部で打ち切り報道まで出ていた長寿アニメ「サザエさん」は、継続することがわかった。しかし最近ネット上では「つまらない」「打ち切りでいい」という声が出ているのも事実で、今後必ずしも安泰とはいえない。日本人なら知らない者はいないとまでいわれる、昭和が生んだ国民的人気アニメに生き残る道はあるか。(THE PAGE)

【雑感】サザエさん」は今や昭和の文化遺産である。戦後間もない昭和二十年代の大家族の雰囲気を今に伝える貴重な「時代劇」でもある。
 ネットで「つまらない」とか「打ち切りでいい」という声がある一方で存続してほしいと願う声も少なくないはずだ。そもそも100%支持される作品も100%反対される作品もこの世には存在しない。

 「サザエさん」は小学生時代よく観ていた。日曜夕方の時間帯は子供時代の私にとってはアニメの時間だった。小学一年生時代を例にとれば、風呂からあがって夕飯を食べながら「科学忍者隊ガッチャマン」を観、続けて「サザエさん」を観るのが習慣になっていた。
 ところが中学生になってから「サザエさん」を観なくなっていく。学校の水泳部に入り放課後や休日の練習に加えて友人たちとの付き合いもあって「サザエさん」放映時間は出先の事が多くなった。
 加えて「宇宙戦艦ヤマト」ブレイクによる本格アニメ文化の興隆と「アニメージュ」創刊で、それまでアニメであれば何でも分け隔てなく面白く観ていたものが趣向に激変が生じた。
 大人志向の「ルパン三世」も幼児向けの「ハイジ」や「キャンディ・キャンディ」も同じように面白く感じることができたのが、ヤマトやガンダムといったリアル志向の戦争アニメへとマニアックに特化してしまい、それが「サザエさん」から遠ざかる原因の第一になった。万人ウケのアニメに物足らなさを感じるようになっていく。

 高校生になると「超時空家族サザエさん」などと呼んで茶化したり突っ込みを入れたりもした。同じように超時空状態の家族に「ドラえもん」があるが、あれは登場人物こそ歳はとらないし人物相関も殆ど変化はないがドラえもんの関係者全員がまるごと時空を移動している。私が小学生だった頃はのび太の父母は戦中に子供時代を過ごしていたが、いつの間にか戦後生まれになり、今は私よりも歳下の設定になっている。
 しかし「サザエさん」はずっと1970年代で停滞し続ける。テレビが薄型液晶に変わる事はないし、波平がPCを操る事も無いしカツオが中島君とラインをやる事も無い。今や時代とのズレが家電などの小道具で顕著になってきたが、そのズレは私が高校生の頃から徐々に表れ始めていた。それが悪い意味で滑稽だった。
 サザエのトレードマークとなったあの髪型とて、本来は独特のファッションではなく戦後間もない頃の流行ファッション、私が高校一年生の頃に流行った聖子ちゃんカットと変わらない。波平やマスオさんの丸眼鏡も御洒落でかけているのではなく、戦後間もない頃のありふれた形だった。
 一時は昭和にこだわる「サザエさん」を過去の遺物と否定的にみなしていた。

 今は逆に「サザエさん」に対して強い憧れと切なさを感じる。まず、「サザエさん」を観ていたのは小学生時代の家族団欒の時間帯、そしていまタラちゃんくらいの歳頃の息子を持つ身となってしまうと、「サザエさん」のような「超時空」状態が羨ましく思う時が頻繁にある。
 息子の成長を願うと同時に、「サザエさん一家」のようにいつまでも歳をとらず人物相関も変わらず、停滞した幸せな時間の中で生きたい願望を抱くときがある。新しい出会いが無い代わりに別れも無い。

 俺も歳をとったのかな?

 連載や放送が延長になった結果、超時空状態になってしまっている作品は「サザエさん」だけではない。前述の「ドラえもん」もそうだし「名探偵コナン」も現役だ。しかしこれらは時代に寄り添い変化していく。「サザエさん」だけが私が子供だった頃の1970年代の世界のまま続いている。
 ここまできたら文化を扱うメディアの責務として昭和の平凡な家族風景を残す時代劇アニメを維持するのは意義ある事だと思う。平安時代を残す雅楽や室町時代を残す能や狂言、江戸時代を残す歌舞伎や古典落語と同じ域に来ているのではないか。冗談ではなく真面目な話で。




 
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