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ミカエル晴雨堂の晴耕雨読な映画処方箋

晴雨堂ミカエルの飄々とした晴耕雨読な映画処方箋。 体調に見合った薬膳料理があるように、 料理に合う葡萄酒があるように、日常の節目に合った映画があります。映画の話題をきっかけに多彩な生活になれば幸いです。詳しいレビューは「続きを読む」をクリックしてください。

体制権力が深刻な問題点から国民の目を逸らしたいとき敢えてセクハラ発言をするというビジネスモデルが確立したと思う。 近頃の現象[一二九八] 

「サンモニ」関口宏にネット苦言 
「森さんと同じ」 大宅映子氏発言さえぎり…


 俳優の関口宏が21日、司会を務めるTBS系「サンデーモーニング」に出演し、評論家・大宅映子氏の発言後に「男性にもしゃべらせてあげてください」とコメントした。

 東京五輪・パラリンピック組織委員会の新会長に橋本聖子氏が選出されたという話題。大宅氏は「男と女は地位として平等なんです」と断言。「入口(機会)の平等が確保されていて、競争が認められていたら、結果に差が出るのは当たり前。男が女のようなものになったり、女が男のようなものになったりするのが理想とは思えない」と持論を展開した。
 ここで関口が「分かりました」と言葉をはさんだ。大宅氏はさらに続けようとしたが、関口が「もうだいぶ力が入っておりましたんで、男性にもしゃべらせてあげてください。時間がだいぶなくなりましたんで」とさえぎるように番組をすすめた。
 この関口の言葉にネット上では「森(喜朗)さんが言ってたことと同じじゃないの」「『女は話が長い』ってこと」と突っ込みが入った。森氏は「女性は話が長い」と蔑視した発言で組織委の会長を辞任していた。(デイリースポーツ)


【雑感】クイズ番組やバラエティ番組、さらに報道番組の司会をするようになって四半世紀以上、だけどまだ俳優が本職なのか‥。

関口宏

 私は関口宏氏や大宅映子氏に文句を言うつもりもないし、関口宏氏が森喜朗氏と同様の立場とも思わない。

 それよりも一連の騒動で私は危惧する事がある。
 もう20年以上前の話だが、西村眞悟氏が防衛政務次官時代に放った問題発言があった。以下の発言である。

集団的自衛権は強姦される女を守るようなもん
反対派の女性議員(記事では実名)にお前が強姦されても助けてやらんぞと言った

 当時、西村氏の発言を大手マスコミは「セクハラ発言」だと蜂の巣をつついたような騒ぎになり、西村氏の批判の対象となっていた当時社民党の有力議員だった辻元清美氏はかなり深刻かつ怒りの面持ちで西村氏に詰め寄り、西村氏は顔を向けることなく無表情の無言で立ち去るという一幕もあった。
 結局、西村氏は防衛政務次官辞任に追い込まれたが頑なに議員辞職には応じなかった。辻元氏の支持者勢力は執拗に議員辞職を求めていたと記憶している。

 私はセクハラ発言よりも深刻かつ追求しなければならない問題があったと思う。ところが当時はセクハラの大合唱で掻き消された感があった。それは何か?

反対派の女性議員(記事では実名)にお前が強姦されても助けてやらんぞと言った
即ち、国民を守る役所の要職に就いている者が堂々と公の場で「国民でも反対派なら助けたらん」と国家公務員服務義務違反すると宣言したも同然なのである。
 セクハラ問題が軽いというつもりはないが、セクハラ問題に勝るとも劣らない服務義務違反宣言をなぜ問題にしなかった! 当時の西村氏は居酒屋で愚痴を並べるオッサンではない、国会議員にして防衛政務次官という国防を預かる役所の№2である。次官を辞任する程度ではすまん。

 国家公務員には就任する際に次の事を宣誓させられているはず。
「私は、国⺠全体の奉仕者として公共の利益のために勤務すべき責務を深く⾃覚し、⽇本国憲法を遵守し、並びに法令及び上司の職務上の命令に従い、不偏不党かつ公正に職務の遂⾏に当たることをかたく誓います

 西村氏の発言は単に辻元氏へのセクハラ暴言では済まないことが判ろう。公僕の拠り所、民主制の拠り所を揺るがしかねない発言であり、それを悪びれもせず偉そうに述べる輩が国会議員を務めていることが問題なのである。
 ところが、セクハラの大合唱を浴びて次官を辞任した、で終わりになった。

 さて、ここからが本題である。
 権力者の身になって考えた場合、セクハラ発言はけっこう便利で美味しいのではないか。深刻な問題があった場合、敢えてセクハラ的発言、あるいはフェミニストが癇に障るような発言をすれば「セクハラ」ばかりが大音量になって国民の目を逸らす事ができる、そんなビジネスモデルが確立できるのではないか?
 語弊を恐れずに言えば、前述の西村発言の問題点は公僕たる責務を蔑ろにした事が深刻であって、辻元氏への個人的セクハラは二の次だった。

 あれから20年以上が過ぎた。ポリコレの表現規制などが次第に問題となり、表現規制をするのは体制権力よりもフェミニストではないかとさえ思えるような事態となりつつある。
 以前に会田誠講座「セクハラ」訴訟に潜む問題点でも言及したことがあるが、セクハラは問題点を逸らしたり批判勢力の口を封じるのに便利なのである。フェミニストの批判を見ていると「批判するのその部分だけなん? 他にも看過できない問題あるやろ」と思う事は毎度多々ある。
 考えすぎかもしれないが、森喜朗氏はワザとセクハラ発言をやってしまったのではないかと勘繰ってしまう。

 フェミニストは体制権力に駒として早晩取り込まれてしまうのではないかと危惧する。いや、もう踊らされていると見るべきだろう。

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[ 2021/02/28 04:54 ] 日誌・・近頃の現象 | TB(0) | CM(0)
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