FC2ブログ

ミカエル晴雨堂の晴耕雨読な映画処方箋

晴雨堂ミカエルの飄々とした晴耕雨読な映画処方箋。 体調に見合った薬膳料理があるように、 料理に合う葡萄酒があるように、日常の節目に合った映画があります。映画の話題をきっかけに多彩な生活になれば幸いです。詳しいレビューは「続きを読む」をクリックしてください。

「バルトの楽園」 家族と一緒に癒されよう〔1〕  

バルトの楽園」 家族と一緒に観よう
  
 
 
【独題】Ode an die Freude
【公開年】2006年  【制作国】日本国  【時間】134分  【監督】出目昌伸
【原作】
【音楽】池辺晋一郎
【脚本】古田求
【言語】日本語 ドイツ語  
【出演】松平健松江豊寿中佐)  ブルーノ・ガンツ(クルト・ハインリッヒ少将)  國村隼(高木繁大尉)  高島礼子(松江歌子)  大後寿々花(志を)  阿部寛(伊東光康少尉)  中山忍(マツ)  中島ひろ子(たみ)  タモト清嵐(林豊少年)  佐藤勇輝(幼い頃の松江)  三船史郎(松江の父)  オリヴァー・ブーツ(カルル・バウム)  コスティア・ウルマン(ヘルマン・ラーケ)  イゾルデ・バルト(マレーネ・ラーケ)  徳井優(広瀬町長)  板東英二(南郷巌中佐)  大杉漣(黒田校長)  泉谷しげる(多田少将)  勝野洋(島田中佐)  平田満(馬丁宇松)  市原悦子(すゑ)  
 
【成分】楽しい 第九 オーケストラ 第一次大戦 1918年 徳島 
 
【効能】ドイツ兵と徳島市民との友情、第九合唱の大団円に心が癒され、明日への希望に満ち溢れるだろう。
 
【副作用】小中学生向け文科省推薦の教育映画に見えて面白くない人もいるかもしれない。
 
下の【続きを読む】をクリックするとネタバレありの詳しいレビューが現れます。記事に直接アクセスした場合は、この行より下がネタばれになりますので注意してください。  
家族と一緒に見るべき映画だ。
 
 「ヒトラー最期の12日間~」でヒトラー役を好演したブルーノ・ガンツ氏と徳川吉宗役でスターになった松平健氏が共演。細部まで再現された収容所オープンセットが評判。大後寿々花氏が可愛い。
 
 史実は以前から知っているので、どんなまとめかたをするのか興味があった。不自然なく丁寧に撮っているという印象を持った。
 当時の収容所を細部まで再現したオープンセットが話題になったが、それ以外にも20世紀初頭の日本の田園風景を再現するのに随分と苦労の跡が感じられる。
 
 俳優一人一人の演技も光っていた。特に収容所副官高木大尉役の國村隼氏は猛特訓の末に流暢なドイツ語台詞を披露している。撮影時、監督が「カット!」と場面終了を合図すると、ドイツ人エキストラから拍手が起こったそうだ。彼が扮する実在の高木繁大尉もドイツ語が堪能だったそうだから、嬉しい感がする。
 
 一方、ドイツ兵捕虜に扮したオリヴァー・ブーツ氏も、亡くなった戦友が日本に残してきた愛娘(大後寿々花氏)を保護している松江所長に向かって日本語で引き取りたいと訴える場面も好感が持てる。
 また、良き映画の条件の一つとして優秀な子役があげられるが、この作品に出演した大後寿々花氏ら子役陣の演技もまずまずだ。
 
 物語全般としては、坂東俘虜収容所を舞台に登場人物各々が様々な葛藤を乗り越えて「成長」してドイツと徳島の友好とその象徴の交響曲第九演奏会という大団円へ流れていくので、ぜひ家族で鑑賞してほしい佳作である。
 
 難点をいえば、台詞の半分くらいがドイツ語なので字幕の読めない小学校低学年以下の子供は退屈するかもしれない。しかし、せっかくドイツ人俳優を大勢使い、たどたどしい日本語で地元民と触れあう場面もあるので吹き替えは絶対にしてほしくない。
 
 ドイツでも上映されたようだが、主人公松江中佐の過酷な過去や陸軍上層部と対立する場面をもう少し解りやすく挿入すべきかもしれない。日本人の私から見ればドイツと日本はイーブンで描いている様に見えるが、ドイツ本国の見方はやはり違うようにとるのは間違いないだろうから。
 
 冒頭の戦闘シーンはTVドラマのようでスケールと迫力が不足していた。塹壕で応戦する泥まみれのドイツ兵はよく撮れていたが、日本軍の軍服が綺麗すぎていた。いくら勝ち戦でも新品の晴着で戦っているようでリアリティーがない。
 
 BGMもTV時代劇のようで少し作品のイメージに合わない曲があったように感じたが、ドイツ人から観ればまた違った好印象を与えるかもしれない。
 陸軍少尉役の阿部寛氏がドイツ兵よりも背が高くて体格が良すぎた。安部氏が俳優デビューして間もない頃だったか、「はいからさんが通る」の伊集院少尉役のときも思ったが、日本軍将校というよりもヨーロッパの軍人の様に見える。
 
晴雨堂スタンダード評価 
☆☆☆ 「良」
 
晴雨堂マニアック評価 
☆☆☆☆ 「名作」

 
晴雨堂の関連作品推薦
メイキング・オブ バルトの楽園 [DVD]
東映映画「バルトの楽園」オリジナル・サウンドトラック
 
晴雨堂の関連書籍推薦
バルトの楽園古田 求
松江豊寿と会津武士道―板東俘虜収容所物語 (ベスト新書)星 亮一
 
徳島観光関連サイト
 



 
 blogram投票ボタン にほんブログ村 映画ブログへ
ブログランキングに参加しています。
関連記事
スポンサーサイト



TB&コメントありがとうございました!

私はこの史実をあまり知らなかったので、とっても楽しめました。
音楽は言葉を超えて人を結びつけるものですね~。
第九という曲目がまた否応無しに盛り上がりますしね。
[ 2009/10/11 19:24 ] [ 編集 ]
実話系だけにロケ地が観光名所になるのはいいけど、
時代の流れで消えていくのは寂しいものですね。
[ 2009/10/12 01:45 ] [ 編集 ]
 徳島の友人の話では、「バルトの楽園」は熱心なファンが多いけど、世間の人気は「眉山」のほうらしいです。
 私はドイツビールの愛好者なので、ドイツ由来の名所が多いロケ地を支持していましたが。残念です。

> 実話系だけにロケ地が観光名所になるのはいいけど、
> 時代の流れで消えていくのは寂しいものですね。
[ 2009/10/12 11:24 ] [ 編集 ]
コメントの投稿













管理者にだけ表示を許可する
この記事のトラックバックURL
http://seiudomichael.blog103.fc2.com/tb.php/31-47e730d1

2006年 日本 監督: 出目昌伸 出演: 松平健/ブルーノ・ガンツ/阿部寛/國村隼/高島礼子 **************************************************************************************** 1914年、第1次世界大戦が勃発し、日本軍はドイツ軍の極東拠点地である中国・青島..
[2009/05/11 22:41] マイシネマ日記
 『第九の扉が開くとき 軍人は「人間」に帰る。』  6/17公開の「バルトの楽園」の試写会に行って来ましたぁ~♪試写会場では、「マツケンのAWA踊り」が延々とかかっているし、やっぱりちょっといつもよりおば様たちが多めの試写会でした。  今年はドイツでW杯も開催...
[2009/10/10 23:41] ☆彡映画鑑賞日記☆彡
劇場公開されたときは暇だったら観ようかなくらいに思っていて、結局、ネットの評判もイマイチな印象だったのでそのままスルーしちゃったんですよね。これって実話をモチーフにしていたんですね、全然知りませんでした。第一次世界大戦下のお話というのもあまり触れたこと...
[2009/10/11 08:47] カノンな日々
  (試写会にて) 監督は出目昌伸。  出演は 松平健 、ブルーノ・ガンツ 、  高島礼子 、阿部寛 、國村隼。 時は第一次世界大戦下。 徳島県鳴門市の板東俘虜収容所の中の奇跡。 板東の人とドイツ兵との暖かい交流。  所長の松江豊寿を松平健が演じている。  真?...
[2009/10/11 10:18] 花ごよみ
映画館にて「バルトの楽園」 1914年、第一次世界大戦で日本軍はドイツ軍の極東根拠地・中国の青島を攻略。4,700名のドイツ人を捕虜を日本各地の収容所に収める事になる。その収容所のひとつ鳴門市板東俘虜収容所で起きた実話を基に描いた作品。 敵国の捕虜を人道的に扱?...
[2009/10/11 19:22] ミチの雑記帳
なぜ今この作品を見ようかと思ったか??? 主演の松平健の元妻・大地真央の再婚記念・・・という事でっ。(超こじつけだけど)
映画処方箋一覧
晴雨堂が独断と偏見で処方した映画作品。
下段「日誌」項目は晴雨堂の日常雑感です。
メールフォーム
晴雨堂ミカエルに直接ご意見を仰せになりたい方は、このメールフォームを利用してください。晴雨堂のメールアドレスに送信されます。

名前:
メール:
件名:
本文:

プロフィール
↓私の愛車と野営道具を入れたリュックです。

晴雨堂ミカエル

Author:晴雨堂ミカエル
 執筆者兼管理人の詳しいプロフィールは下記の「晴雨堂ミカエルのプロフ」をクリックしてください。

晴雨堂ミカエルのプロフ

FC2カウンター
2007年10月29日設置
当ブログ注目記事ランキング
当ブログで閲覧数の多い順ランキングです。
設置2013年6月13日
ブログランキング
下記のランキングにも参加しております。ご声援ありがとうございます。
  にほんブログ村 映画ブログへblogram投票ボタン
アクセスランキング
[ジャンルランキング]
映画
95位
アクセスランキングを見る>>

[サブジャンルランキング]
レビュー
50位
アクセスランキングを見る>>
タグランキング
晴雨堂の関心度が反映されています。当ブログ開設当初は「黒澤明」が一位だったのに、今は・・。
訪問者閲覧記事
最近のアクセス者が閲覧した記事を表示しています。
月別アーカイブ
ブロとも申請フォーム
リンク