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ミカエル晴雨堂の晴耕雨読な映画処方箋

晴雨堂ミカエルの飄々とした晴耕雨読な映画処方箋。 体調に見合った薬膳料理があるように、 料理に合う葡萄酒があるように、日常の節目に合った映画があります。映画の話題をきっかけに多彩な生活になれば幸いです。詳しいレビューは「続きを読む」をクリックしてください。

「ハート・オブ・ウーマン」 カップルで愉快になろう〔3〕 

ハート・オブ・ウーマン」 
メルの男臭さが光るラブコメ

 

 
【原題】WHAT WOMEN WANT
【公開年】2000年  【制作国】亜米利加  【時間】127分  
【監督】ナンシー・マイヤーズ
【原作】
【音楽】アラン・シルヴェストリ
【脚本】ジョシュ・ゴールドスミス キャシー・ユスパ
【言語】イングランド語
【出演】メル・ギブソン(ニック・マーシャル)  ヘレン・ハント(ダーシー)  マリサ・トメイ(ローラ)  ローレン・ホリー(-)  ベット・ミドラー(-)  マーク・フォイアスタイン(-)  ヴァレリー・ペリン(-)  アラン・アルダ(-)  ローガン・ラーマン(-)  エリック・バルフォー(-)  アシュレイ・ジョンソン(-)    
    
【成分】笑える 楽しい ファンタジー ゴージャス ロマンチック 不思議 知的 セクシー かわいい かっこいい コミカル
       
【特徴】男臭いメル・ギブソン自身のキャラを活かした純情ラブコメディ。いかにもレディーススーツが似合いそうなキャリアウーマンタイプのヘレン・ハントが魅せるうぶな所作が盛り上げる。物語のネタ自体は藤子F不二雄のSF短編漫画にありそうなアイディアだが、二人のキャラが印象深い作品に押し上げた。
 因みに、メル・ギブソンは保守的なキリスト教徒としても知られているから、一見するとフェミニズム風映画でパニックになる様は笑える。
  
【効能】カップルと一緒に鑑賞するのにピッタリの映画。思春期カップルよりも30代のカップルの方がより楽しめるかも。
 
【副作用】展開がマンガチックでバカバカしく思えるかもしれない。日本の青少年向きSF短編によくある展開なので、最初からオチが判ってしまう。
 
下の【続きを読む】をクリックするとネタバレありの詳しいレビューが現れます。  
藤子F不二雄のSF短編漫画のようだ。
 
 漫画でいえば藤子F不二雄氏のSF漫画や、吉田秋生氏の短編に出てきそうな着想で、ストーリー展開はダスティン・ホフマン氏の女装が大評判になったラブコメディ「トッツィー」とよく似ている。
 「トッツィー」では実力があるのに芝居に全く妥協しない性分があだとなって大成しない中堅男優が、たまたま「女優」として本格デビューしてしまい、そのまま正体を隠したままトッツィーという人気女優になっていく過程で、片思いのヒロインとは「女同士の親友」になって人生相談にのったり、「男」だった頃は女性に身勝手なことを言っていたくせに、「トッツィー」になっているときは完全に女性側の立場でヒロインを苦しめる男性に抗議や説教をする、そんなシチュエーションが映画館内で笑いを起こした。

 「ハート・オブ・ウーマン」では、広告会社のやり手クリエイターにして男の中の男のイメージで成功してきた主人公ニックが、女性向け市場優位の時勢と女性上司の登場で壁にぶち当たる。ところがある事故がきっかけで女性の心の声が聞こえるようになり戸惑う。自分が思い描いた自分像と自分に対する女性たちの評価の落差に愕然としパニックになるが、カウンセラーの勧めでそれをプラスに利用、もともと話術は達者なので次々と女性の気持ちを掴み女性からの人望を得ていき、ライバルだった女上司の心の襞に触れて恋愛感情を抱き、疎遠だった愛娘との関係も修復される。物語は主人公と女上司と愛娘との関係を軸に展開していく。

 主人公ニックをメル・ギブソン氏が扮する。製作には彼の会社イコン(余談1)が加わっているので、企画段階からキャラ設定がなされていたのだろうか、ギブソン氏によくはまっていた。男臭い濃い風貌がまさに主人公にうってつけで、ごつくて格好いいオッサンが調子狂わされて「女性の声」でうろたえ右往左往する様が滑稽で微笑ましい。ギブソン氏は根が純情な男性役がよく映える。
 ニックの前に立ち塞がる敏腕上司には解説にもあるように「恋愛小説家」のヘレン・ハント氏が扮している。鼻筋の通った端正で知的な風貌と余裕のある物腰が実力者のイメージをよく出している。彼女の素晴らしいアイディアは次々とニックの特殊能力で横取りされていくため自信を失いスランプに陥るが、同時に自分を「理解する」ニックへの警戒心が解かれ惹かれるようになる。特にあれほど隙の無いキャリアウーマンが、ニックの股間に目をやって赤面しパニックを起こす様は、男臭いニックが「女性の声」で慌てふためくのと同じく滑稽で可愛らしい。

 愛娘役は子役のアシュレイ・ジョンソン氏。可愛いが多少ぽっちゃりしたところが、普通のアメリカ人家庭の思春期の女の子らしくて説得力がある。後半のボーイフレンドに騙されて泣く場面は、いかにも取って付けたような月並みな父娘の完全和解光景だが、アシュレイ・ジョンソン氏の普通の子ぽさで陳腐さが目立たない。もし、パリス・ヒルトン氏ばりの垢抜けしたナイスボディーの女優がやっていたら完全に不自然な場面になっただろう。(余談2)

 ストーリーは特に新機軸というわけでなく、少女漫画によくあるありふれたラブコメだが、3人の俳優の掛け合い演技で楽しく鑑賞できる佳作となっている。
 最後に、邦題は何とかならないのか? 原題は「WHAT WOMEN WANT」、意訳すれば「女が望むものって?」か。それをわざわざ邦題で英語カタカタ語「ハート・オブ・ウーマン」にしている。どうして日本語のタイトルにしないのだ? 「女心は恐ろしい」あたりでも良いのではないか。

(余談1)ギブソン氏の会社イコンは、熱心なカトリックらしいトレードマークになっている。イコンとは中世ヨーロッパで盛んに描かれた神や聖人の絵画で、キリストやマリアの絵が多い。このイコンのタイトルバックの画像は、マリアの目の部分か? 
 「ブレイブハート」や「パッション」はマッチしていたが、「ハート・オブ・ウーマン」では場違いに見える。

(余談2)なぜか「ハート・オブ・・」のヤフー映画データにアシュレイ・ジョンソン氏の名が無い。ヒロインに次ぐ重要な役なのに。
 
晴雨堂スタンダード評価
☆☆☆ 良
 
晴雨堂マニアック評価
☆☆☆☆ 名作

 

 
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 制作年:2000年  制作国:アメリカ  上映メディア:劇場公開  上映時間:127分  配給:ハピネット・ピクチャーズ  監督:ナンシー・メイヤーズ  主演:メル・ギブソン      ヘレン・ハント      マリサ・トメイ      ローレン・ホリー ?...
[2009/11/28 10:17] La.La.La
ハート・オブ・ウーマン [DVD](2003/11/19)メル・ギブソン、ヘレン・ハント 他商品詳細を見る 予告編 http://www.youtube.com/watch?v=iUTtO1KNdAY IMDb http://www.imdb.com/title/tt0207201/ ...
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