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ミカエル晴雨堂の晴耕雨読な映画処方箋

晴雨堂ミカエルの飄々とした晴耕雨読な映画処方箋。 体調に見合った薬膳料理があるように、 料理に合う葡萄酒があるように、日常の節目に合った映画があります。映画の話題をきっかけに多彩な生活になれば幸いです。詳しいレビューは「続きを読む」をクリックしてください。

「若草物語」 家族と一緒に癒されよう〔12〕 

若草物語」 幸せな家庭
 
 
 
【原題】LITTLE WOMEN
【公開年】1994年  【制作国】亜米利加  【時間】118分  【監督】ジリアン・アームストロング
【原作】ルイザ・メイ・オルコット
【音楽】トーマス・ニューマン
【脚本】ロビン・スウィコード
【出演】ウィノナ・ライダー(次女ジョー)  ガブリエル・バーン(フレデリック・ベア)  トリニ・アルヴァラード(長女メグ)  サマンサ・マシス(成長した四女エミー)  キルステン・ダンスト(四女エミー)  クレア・デインズ(三女ベス)  クリスチャン・ベイル(ローリー)  エリック・ストルツ(ジョン・ブルック)  ジョン・ネヴィル(ローレンス氏)  メアリー・ウィックス(-)  スーザン・サランドン(母マーチ夫人)    
    
【成分】泣ける 楽しい 悲しい ロマンチック 切ない かわいい ホームドラマ 南北戦争 1860年代 アメリカ 
       
【特徴】幸せな家庭の物語。不幸を最小限にとどめ、様々な人々が幸せを求めて主人公家族に集まるのが特徴。家族団欒に最適な映画である。南北戦争当時の中流家庭水準が表れている。
  
【効能】家族団欒向き。少女漫画家・小説家を目指す多感な少女はこれで心を癒そう。
 
【副作用】主人公の家庭を中心に大団円となるのが不自然に思えるかもしれない。
 
下の【続きを読む】をクリックするとネタバレありの詳しいレビューが現れます。  
4度目の映画化
 
 原作はアメリカ文学を代表する小説で刊行から百数十年の間に何度も演劇・映画・漫画・アニメにされている。中でも有名なのは、キャサリン・ヘプバーン氏が次女に扮した1933年作とエリザベス・テイラー氏が四女に扮した1949年作があまりにも有名である。
 日本では日曜日19時半の時間帯で放送されたアニメ世界名作劇場(余談1)で取り上げられたので、20代・30代の方には馴染みがあるだろう。小中学校の図書室には必ず置いてある児童書でもあり、少女漫画には「若草物語」に登場する次女と類似するキャラが描かれる事が多いことから、日本の漫画にも少なかず影響を与えているかもしれない。(余談2)原作者の家庭がモデルであり、小説家志望で勝ち気な次女が作者本人と言われている。このキャラは多くの少女漫画家がかつて感情移入していたのではないだろうか。
 33年版ではキャサリン・ヘプバーン氏は自立した女性像を強調しているような感じであり、49年版ではエリザベス・テイラー氏の可愛らしさが、今回の映画化ではウィノナ・ライダー氏の突っ張りながらもはにかんだ表情が光る。

 原作を読んでいる方ならお判りのように、各々性格が異なる四姉妹が様々な試練を経て成長し、病弱な三女以外は結婚して幸せになる物語だ。実際の原作者家庭は現代から見ても「革新的」な家庭であり、作者本人はフェミニストで自分の分身である次女とは異なり結婚はしなかった。「若草物語」は古き良き時代の幸せな家庭で、万人が納得し安心できる大団円の方向で描かれている。これは現代人から見ても安心できる内容だろう、というより、そんな家庭を夢見る現代人が多いかもしれない。
 ただ、作者の「意志」が「古き良き時代の幸せな家庭」に織り込まれているような気がする。というのも、長女や四女の夫がいかに近所の男性たちとはいえ、みんな主人公たちの家に集まる。そして主人公次女の恋人も西部に旅立つのをやめ主人公のもとに留まる。古い日本人の感覚では一種の「婿入り」「婿養子」的スタイルだ。
 レディーファーストの国と思われがちだが、アメリカの保守家庭は日本以上に家父長制が強い一面がある。それを考えると、このラストは当時としては女性中心の大団円かもしれない。

 子供の頃なら三女の病に悲しみ、ラストの大団円に感動したはずなのだが、大人になってから観るとあれこれ背景をつい考えてしまう。この映画で感動した連れ合いからは、「冷たい人」「捻くれた人」「戦争映画好き」と皮肉られる。

(余談1)「ムーミン」「アルプスの少女ハイジ」「ロッキーチャック」「フランダースの犬」「あらいぐまラスカル」「母を訪ねて三千里」「赤毛のアン」「小公女」などの名作をアニメ化。30年程前に始まり一作品を一年間50数話の割合で放送。視聴率低迷で10年程前に終了。

(余談2)邦題は美しい余韻がある。近ごろ、せっかくの美しい邦題を原題のカタカナ語にしただけのタイトルに改悪する傾向がある。「ああ無情」を「レ・ミゼラブル」とか。
 「若草物語」はそんな無粋はしないでほしいものだ。「リトル・ウイメン」なんて情緒も余韻も無いそのままのタイトルで好かん。直訳の「小さな女性たち」とか意訳の「可愛い四姉妹」でもストレートすぎる。やはり「若草物語」だ。若草は、日本の古典や百人一首などをご存知なら、若い女性をイメージする単語だ。逆に若草を英語に直訳したらアメリカ人には単に雑草のイメージしかわかず、英題はやはり「LITTLE WOMEN」が一番だ。
 
晴雨堂スタンダート評価
☆☆☆☆ 優
 
晴雨堂マニアック評価
☆☆☆ 佳作

 
 
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