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ミカエル晴雨堂の晴耕雨読な映画処方箋

晴雨堂ミカエルの飄々とした晴耕雨読な映画処方箋。 体調に見合った薬膳料理があるように、 料理に合う葡萄酒があるように、日常の節目に合った映画があります。映画の話題をきっかけに多彩な生活になれば幸いです。詳しいレビューは「続きを読む」をクリックしてください。

「グリース」 青春回帰〔22〕 

グリース」 毎日が学園祭の物語。
 

 
【原題】GREASE
【公開年】1978年  【制作国】亜米利加  【時間】110分  
【監督】ランダル・クレイザー
【原作】
【音楽】バリー・ギブ ジム・ジェイコブス
【脚本】ブロント・ウッダード アラン・カー
【言語】イングランド語
【出演】ジョン・トラヴォルタ(ダニー)  オリヴィア・ニュートン=ジョン(サンディ)  ジェフ・コナウェイ(ケニッキー)  ストッカード・チャニング(リッゾ)  バリー・パール(ドゥーディ)  イヴ・アーデン(マックギー)  ジョーン・ブロンデル(ヴィ)  ディディ・コーン(フレンチー)  ダイナ・マノフ(マーティ)  フランキー・アヴァロン(-)  アリス・ゴーストリー(-)    
    
【成分】笑える 楽しい ロマンチック かわいい かっこいい コミカル 学園モノ ラブコメ 高校 ミュージカル 1950年代 アメリカ 
         
【特徴】毎日が学園祭のような楽しい青春物語。ただ、高校生を演じている俳優たちが20歳代半ばから30代歳代前半の俳優ばかりなので、どうみてもオジサン・オバサンがバカ騒ぎしているように見えてしまう。
 オリビア・ニュートン・ジョン氏は可愛らしい童顔なので遠目には高校生に見えなくもない。しかしラストで厚化粧・パーマ・黒のレザースーツのいわゆるヤンキー姐ちゃん姿になると実年齢が滲み出てしまう。
  
【効能】楽しい気分になる。
 
【副作用】妙に現実離れしたハイテンションなので、鬱陶しくなるかもしれない。
 
下の【続きを読む】をクリックするとネタバレありの詳しいレビューが現れます。  
三十路のオリビアが高校生役に!
が評判になった。

 
 公開当時、私は中学生だった。ミュージカルといえば「ウエストサイド物語」を観ていたが、シリアスな物語が進行しているときに歌と踊りが唐突に入る演出が不自然に感じられて馴染めず、アンハッピーなラストも気に入らなかった。なのにミュージカル「グリース」を観たのは、「サタデー・ナイト・フィーバー」のジョン・トラボルタ氏が主演していたからだ。

 「サタデー・ナイト・フィーバー」では、イタリア系低所得労働者の若者がダンスと恋愛と将来に悩むシリアスな青春ドラマでもあったが、この「グリース」は全編に渡って明るい歌と踊りと笑いに満ちていて、高校が舞台となっているはずなのに、授業風景は殆ど無くお祭り騒ぎの連続だ。「サタデー・ナイト・・」に比べ確たるドラマ性の無い軽佻な作品だと突っ込みたくても、ここまで楽しい物語に徹せられると傑作と認めざるを得ないラブコメである。もっとも愉快な物語に徹したことが災いしたのか、今では「サタデー・ナイト・・」の陰に隠れているようだ。

 面白いことに、時代設定は「ウエストサイド物語」と同じなのに、50年代のコスプレを楽しむ学園コメディーといった感じだ。「ウエストサイド物語」の基底にはリアルなアメリカの貧困層と貧しい若者の反抗が描写されているが、「グリース」は良い意味で生活臭さが無く、登場する人物の殆どがドロドロした実社会を反映していないので安心して青春のおとぎ話を楽しめる。
 また、ミュージカルが苦手な私にとって、「グリース」はミュージカル臭くなく、むしろジョン・トラボルタ氏とオリビア・ニュートン・ジョン氏のポップミュージック・プロモーションビデオとして楽しめた。70年代後半とは、ポップミュージシャンがコンサート映像ではなく演出されたイメージビデオで楽曲を発表するスタイルが主流となった時期(余談1)でもあり、英米のポップスをよく聞いていたので抵抗無く入り込めたのだ。

 スタッフや俳優たちも観客と同じように作品を楽しんだ事だろう。20代30代のオッサン・オバサンたちが高校生に扮しているので、舞台劇ならともかく映画では些か苦しいが、それでも所作やのりは高校生のガキ(余談2)そのもので、俳優たちは学校のお祭り行事の気分に戻って演技抜きで作品の世界に浸っていたのではないだろうか。撮影は笑いが絶えなかったに違いない。ラストの大団円は名残惜しかった。 

 さて、当時中学生だった私は、やはり高校生にしては老けすぎている俳優たちが、どうしても気になっていた。ジョンは髭が濃くて少年らしからぬ太いモミアゲ、オリビアは童顔で華奢な身体つきだが高校生ではなく若奥さんにしか見えない。ラストでツッパリ姐さんスタイルになるが、少女が背伸びした格好というよりオバサンが無理してという感じだった。
 あれから20年以上が経ってから、中年の域に入った目で観れば印象が違うだろうと実験的にDVDを観たことがあるが、やっぱりオッサン・オバサンにしか見えない。この物語は映画より舞台のほうが映えるかな。劇団四季あたりが上演して暗い世相を吹き飛ばしてほしいものだ。

(余談1)積極的に映像媒体を使うようになったのはビートルズからだと思う。それ以前は映画の1シーンに使うことが多かったが、最初から楽曲をビデオで発表するスタイルはビートルズか有名だ。
 65年以降、急速にビートルズはコンサートツアーを減らしていき、野外の生演奏ではなくスタジオにこもって作品を発表するようになった。コンサートを望むファンのために「ペーパーバックライター」をビデオ発表したのは有名。

(余談2)物語佳境でシリアスにジョンとジェフ(だったかな?)が男同士の話をして友情を確かめ合う場面がある。2人は笑顔で肩などをどつき合いながらハグするのだが、人の視線に気付き慌てて離れて場を取繕うため櫛で前髪を梳かすシーンがある。
 欧米人はハグするの当たり前と思っていたが、どこか日本の少年ぽくて面白かった。よく似た場面がNHK大河ドラマ「新選組!」でもある。近藤勇(香取慎吾氏)と土方歳三(山本耕史氏)が晴れて旗本に出世し、廊下で思わず「カッちゃん」「トシ」と抱き合い、人がやってくると慌てて離れ髷を直す。脚本の三谷幸喜氏は「グリース」を意識していたのだろうか? 年齢的には「グリース」世代だ。

 名曲「グリースド・ライトニング」の場面は、マネをする級友が多かった。汚い整備工場でポンコツ車を修理するときにジョンが車の上に立って歌いだす。ジョンが車底をくぐるとポンコツ車がピカピカの新車になり周囲は白いスタジオに、しかし歌を歌い終わると元の汚い修理工場のポンコツ車に戻りジョンたちがキメのポーズのまま立ち尽くす。映画館内は爆笑だった。
 

 
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[ 2009/04/12 12:40 ] 映画・・青春回帰 | TB(1) | CM(0)
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