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ミカエル晴雨堂の晴耕雨読な映画処方箋

晴雨堂ミカエルの飄々とした晴耕雨読な映画処方箋。 体調に見合った薬膳料理があるように、 料理に合う葡萄酒があるように、日常の節目に合った映画があります。映画の話題をきっかけに多彩な生活になれば幸いです。詳しいレビューは「続きを読む」をクリックしてください。

「ブロセリアンドの魔物」 不安と恐怖を楽しむ時に〔4〕

ブロセリアンドの魔物」 
オカルトとカンフー・アクション盛り沢山。

 

 
【原題】BROCELIANDE
【公開年】2002年  【制作国】仏蘭西  【時間】91分  【監督】ダグ・エドリーヌ
【原作】
【音楽】サリー・ロング
【脚本】ダグ・エドリーヌ ベノワ・レスタン
【言語】フランス語
【出演】エルザ・キコイン(-)  シリア・マルキ(-)  アリス・タグリオーニ(-)  マチュー・シモネ(-)  セドリック・シェヴァルメ(-)  アレクシ・ロレ(-)  エリック・ネーヴェ(-)  アンドレ・ウィルム(-)  ヴァーノン・ドブチェフ(-)      
    
【成分】パニック 勇敢 オカルト カンフー アーサー王伝説 フランス ノルマンディ 
         
【特徴】前半はミステリー調のホラー、後半はカンフーアクション。ノルマンディーのアーサー王伝説を扱った作品、伝奇物マニアにとっては面白そうな題材。
  
【効能】前半は深夜の静けさを楽しむのにちょうど良い雰囲気、後半は可愛らしいフランスギャルがカンフーアクションを披露して萌え。
 
【副作用】ハズレを掴まされたようで損をした気分になるかもしれない。
 
下の【続きを読む】をクリックするとネタバレありの詳しいレビューが現れます。  
前半は良質のオカルトだったが・・
 
 公開は2002年、あの伝奇映画「ジェボーダンの森」がフランスでヒットしたのがその前年だから、二番煎じを狙った作品かもしれない。「ジェボーダン・・」は同じくフランスの伝説を扱い、物語構成も類似点が多い。オカルト的な雰囲気の中でサスペンス調に話が展開し、その中で宗教問題や民族問題を背景に据え、カンフーアクションありと盛り沢山の映画だった。
 本作は二番煎じらしく、「ジェボーダン・・」に比べると低予算かつシンプルにまとめている感じがした。現代劇なので衣装代は安く上がるし、エキストラも少ない。監督はダグ・エドリーヌ氏、日本ではあまり聞かない。出演者もエルザ・キコイン氏ら新人や若手俳優でキャスティングされているように思える。少なくとも、日本ではあまり知られていない20歳代の俳優たちだ。

 舞台となっているのはブルターニュ地方の遺跡発掘現場である。なんでもアーサー王の遺跡らしい。おそらく日本人の大半はフランスにイギリスの王様というのは怪訝に思うだろう。
 ブルターニュ地方は実はケルト人の国であり、他のフランスの地方と異なる。完全にフランスに併合されたのは数百年ほど前であり、それ以降のフランスの王太子は「ブルターニュ大公」と称したそうだから、イギリスのチャールズ皇太子が「ウェールズ大公」と称するのに似ている。
 フランスといえばワインやブランデーが有名だが、ノルマンディー地方はケルト人の文化を受け継いでおり、スコットランドやアイルランドと同じくビールやウヰスキーを生産している。アーサー王伝説に出ている魔法使いや精霊はノルマンディーにいたそうだし、キーナ・ナイトレイ氏出演「キング・アーサー」ではケルト人との絡みを丁寧に描いていた。だから所縁のある場所なのである。

 さて、このように歴史好き・伝説好きの人間にとっては興味深い素材ではあるが、低予算の現代劇なので「ジョボーダン」のように18世紀の衣装や貴族たちの生活などの様式美を楽しむことはできない。構成に慣れた人が観たら、誰が悪役でどういう末路を辿るのかは予測できる。前半のオカルト風味は好感持てるが、土曜ワイド劇場などの2時間サスペンスに慣れた方にとっては、奇怪な殺人事件などには驚かない。(余談1)
 そして折角のオカルト風味が後半からカンフーアクションもどき一色になる。悪役のオカルト趣味の青年(余談3)がアーサー王遺跡を拠点に、ドルイド儀式(余談2)を行って超人になるつもりが知性の無い化物になってしまい、それを華奢なヒロインたちが拳法で応戦する。史学の女学生だったはずなのに唐突に強いので、やはり冒頭で空手着姿で授業を受ける(ワザとらしいかな?)とかの説明描写が必要かもしれない。

 雰囲気はまずまずだったのだが、殺陣がイマイチのヒロインを無理に格闘術の達人にしなくても、非力で逃げ惑いながらトラップを仕掛け怪物とは頭脳で闘う絵のほうがホラーぽくなって良いと思うのだが、安直な終わり方だった。
 私が監督なら、ヒロイン自身が覚悟を決めて化物に対抗しオカルト青年と同じように裸になり薬液槽につかって魔物に変化(へんげ)させる。もともと青年は戦いの神モリガンの封印を解いて魔物になったわけだが、そのモリガンはケルト神話では女王・女神のはずだ。オカルト青年は男だったから出来損ないの魔物になったが、ヒロインなら・・。私はそんな期待を胸に抱きながら観ていたのに、本作は裏切ってくれた。
 
 ブロセリアンドの魔物はパッケージにもあるように、半生ミイラのような風貌である。そんな化物に退路を絶たれたヒロインが、モリガンに祈り「私の全てを捧げます」といって服を脱ぎ、まるで生贄になるかのように美しい身体を薬液槽に沈める。そして半生ミイラのような醜い姿になると思いきや、多少はグロッぽいがデビルマンに登場しそうな女悪魔のような姿になり、正真正銘の女王モリガンとして魔物を圧倒的な力で叩き潰す。戦いが終わると自らを封印するため、超能力で地盤陥没をおこさせ遺跡全体を埋没させる。
 私が考えたラストのほうがお色気とヒロイズムがあって面白いと思うのだがどうだろうか?(余談4)

(余談1)まだ、岡田真澄氏が吸血鬼の役をやった2時間ドラマのほうが面白い。日本のドラマは水準高いかもしれない。
 
(余談2)サム・ライミ監督「死霊のはらわた」で一躍有名になってしまったケルト人の魔術?

(余談3)青年は全身に不気味な図柄の刺青?を施していた。ケルト文化を意識しているようだが、どう見ても黒い刺青にしか見えない。青い刺青にするべきだった。

(余談4)イタリアのダマト監督なら、女子大生が魔物にレイプされる場面を撮ってしまうだろう。
 ホラー映画でヒロイン以外に女性が登場したら、殺され役とお色気担当を兼ねることが多い。


ドイツ語バージョンのTrailer
 
晴雨堂スタンダード評価
☆☆ 可
 
晴雨堂マニアック評価
☆☆ 凡作


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