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ミカエル晴雨堂の晴耕雨読な映画処方箋

晴雨堂ミカエルの飄々とした晴耕雨読な映画処方箋。 体調に見合った薬膳料理があるように、 料理に合う葡萄酒があるように、日常の節目に合った映画があります。映画の話題をきっかけに多彩な生活になれば幸いです。詳しいレビューは「続きを読む」をクリックしてください。

「スターシップ・トゥルーパーズ2」 不安と恐怖を楽しむ時に 7 

スターシップ・トゥルーパーズ2」 
少ない予算で作り上げた「続編」。

 

 
【原題】STARSHIP TROOPERS 2: HERO OF THE FEDERATION
【公開年】2003年  【制作国】米  【時間】92分  【監督】フィル・ティペット
【原作】ロバート・A・ハインライン
【音楽】ジョン・モーガン ウィリアム・T・ストロンバーグ
【脚本】エド・ニューマイヤー
【出演】リチャード・バージ(ダックス 大尉)  コリーン・ポーチ(レイ・サハラ 二等兵)  エド・クイン(ジョー・グリフ 伍長)  エド・ローター(ジェン・J・G・シェパード 将軍)  ケリー・カールソン(チャーリー・ソーダ 二等兵)  ブレンダ・ストロング(ディード・レイク 軍曹)  サンドリーヌ・ホルト(ジル・サンディー 二等兵)  J・P・マヌー(アリ・ペック 技術軍曹)  ビル・ブラウン(-)  ブライアン・ティー(-)  ボビー・C・キング(-)  デヴィッド・ウェルズ(-)  ティム・コンリン(-)  ドリュー・パウエル(-)  サイ・カーター(-)  ローレンス・モノソン(-)  ジェイソン=シェーン・スコット(-)      
    
【成分】泣ける ファンタジー スペクタクル 知的 かっこいい ロマンチック 切ない ベネチア ペルシア チベット 中国 13世紀後半~14世紀初頭 
         
【特徴】入れ物は同じだが、内容は前作と別物である。壮大なハインライン世界を描写した前作と違って、物理的制約からなのかパラサイト物のB級映画になっている。登場するキャラは概ねステレオタイプ。オチも捻りは無く平凡でありふれ過ぎている。監督のセンスなのか、前作のようなオチャラケた明るさは一掃されている。
 が、予算の割には面白いB級映画になっている。前作の十分の一の予算で可能な限り映像を創ろうとした努力の跡が見える。
  
【効能】気晴らしに観るホラー映画。眠れない夜に観るといいだろう。
 
【副作用】原作や前作ファンにとっては無惨な内容なので、担当監督に対し激しい怒りを感じて寝つけないかも知れない。
 
下の【続きを読む】をクリックするとネタバレありの詳しいレビューが現れます。  
前作の続編ではないので注意。
 
 前作から引き続き「2」を担当しているスタッフもいるが、全くの別作品であることは間違いない。聞くところによると、前作では潤沢にあった予算が今回はTV映画用なのかB級映画なのか十分の一程度の規模になり、必然的に作品のスケールも縮小される。

 制作者の身になって考えて見ると、前作の壮大な戦争映画は断念せざるを得ないので、今回は「前哨基地」の内部での闘いという閉鎖された狭い空間を舞台にしてエキストラは最小限、時間枠も2時間強から1時間半程度に縮小されているので脚本や設定も大幅に変えざるを得ない。前作の壮大なSF戦争映画から「エイリアン」や「スクリーマーズ」を彷彿させるホラー映画にするのは、方法論としては妥当だ。

 あるいは穿った見方をすれば、もともと前作とは関係ないSFホラー企画として存在し、前作の特撮を担当したことで映画人の評価が上がったフィル・ティペット氏に監督として白羽の矢が当たり制作に臨んだものの、今一つインパクトを強められなかったので「スターシップ・トゥルーパーズ」の世界と名前を借用して強引に「続編」の体をとった、という解釈も成り立つ。

 原作者ロバート・A・ハインライン氏(余談1)は「右翼」「軍国主義」でも有名なSF小説家で、前作はその世界観に忠実な内容だったが、今回はサイドストーリーである上に制作者が「民主主義者」の価値観にまかせて描いているため、軍国主義や軍隊への不信感をベースにしている。つまりその内容は原作者の意向に反逆しているのだ。
 したがって、前作と「2」は全く別作品として楽しむべきだろう。

 さて、作品内容としてはB級のSFホラーであり、それ以上でもそれ以下でもない。半世紀前ならそれなりに話題にもなったかもしれないが、寄生ネタはよく使われているし、実践向きでない上官と叩き上げ部下の対立もありふれている。印象に残るB級映画は他にも沢山あるので、前作のタイトルを冠した事は観客の注意をひきつけた反面、失望感も与える。また、「原作 ロバート・A・ハインライン」というクレジットはハインラインを冒涜するように見えて激怒するファンもいることだろう。

(余談1)ハインライン氏の「宇宙の戦士」は日本の特撮・アニメ・ホビー関係にも強い影響を与えている。歩兵が装備するパワードスーツの概念はロボットアニメに活かされ、モビルスーツの「ガンダム」へ発展したのが代表例だ。ジオン軍やニュータイプなどもハインライン氏の影を感じる。
 原作の「宇宙の戦士」はヒューゴ賞を獲得した小説である。高校時代に読んだが、軍隊の描写が極めてリアルだ。原作者本人も若い頃は海軍士官だったので軍隊というものをよく知っていた。
 「2001年宇宙の旅」のアーサー・C・クラーク氏、「アイ・ロボット」のアイザック・アシモフ氏、「ブレードランナー」のフィリップ・K・ディック氏、そしてハインライン氏は日本のSF・特撮・アニメ・漫画制作者やファンに大きな影響を与え、一種のバイブルのような存在である。

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