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ミカエル晴雨堂の晴耕雨読な映画処方箋

晴雨堂ミカエルの飄々とした晴耕雨読な映画処方箋。 体調に見合った薬膳料理があるように、 料理に合う葡萄酒があるように、日常の節目に合った映画があります。映画の話題をきっかけに多彩な生活になれば幸いです。詳しいレビューは「続きを読む」をクリックしてください。

「シベリア超特急3」 カップルで泣きたい時に〔15〕 

シベリア超特急3」 
フランスでコニャック賞特別賞を獲得した力作。


 

【英題】SIBERIAN EXPRESS 3
【公開年】2002年  【制作国】日本国  【時間】114分  
【監督】MIKE MIZNO
【原作】水野晴郎
【音楽】
【脚本】上代務、北里宇一郎、水野晴郎
【言語】日本語 イングランド語
【出演】三田佳子(森裕美)  宇津井健(現在の宮城伝蔵)  内藤武敏(現代の沢島軍平)  真柄佳奈子(宮城和世)  江成大輝(城之内正人)  久永さとみ(香)  田中丈資(1940年の宮城伝蔵)  安藤一平(1940年の沢島軍平)  大浦みずき(金芳蘭)  大塚ちひろ(オリビア)  アガタ・モレシャン(ヴィヴィカ・リンデンバウム)  グレゴリー・ペッカー(ダニエル)  リチャード・グロス(ヤーニス)  マシュー・カールセン(マヌーク)  サム・アルノード(車掌)  インゲ・ムラタ(ウクライナ線の老婦人)  サリー・越中(謎のルームキーパーの女)  安藤鳩子(志津)  山口雪太郎(1930年の伝蔵)  西田和昭(佐伯大尉)  水野晴郎(山下奉文陸軍大将)           
【成分】笑える 楽しい ファンタジー ゴージャス パニック 勇敢 切ない セクシー かわいい かっこいい コミカル 特撮

【特徴】前作、前々作とはうって変わって、玄人肌の作品に仕上がっている。壮大な物語とのふれこみだったので構成が巧くいっているのかどうか他人事ながら心配だったが、綺麗にまとまっていてオチも好感がもてる。完成度の高いミステリーになっていて驚いた。

【効能】家族団欒で観られる。カップルで観に行ったほうがより良い。

【副作用】お約束場面がウザイかも。相変わらず水野晴郎氏の発声はぎこちないので耳障りが良くない。

下の【続きを読む】をクリックするとネタバレありの詳しいレビューが現れます。記事に直接アクセスした場合は、この行より下がネタばれになりますので注意してください。
「傑作」になって少し寂しい。

 1作目・2作目とは変わって急に「玄人肌」の作品になっているのに驚く。基本構成は1作目と変わらないが、予算と技量の制約でやりたくてもできなかった事を3作目で実現させたような感じだ。フランスの映画祭で評判が良かったらしいが、少なくとも「土曜ワイド劇場」のような2時間サスペンスドラマの域には十分達している。(余談1)
 まず、驚いたのは構成だ。戦前の事件と21世紀の現代に起こった事件、シベリア・瀬戸内・アメリカをマタにかけた壮大な時間と空間のサスペンスとあったので、果たして巧くまとまっているのか失礼ながら心配になったが、予想を裏切って不自然なく劇的な形に完成されていた。また評判となった長回しも、マイク・ミズノ監督(水野晴郎)が自画自賛するだけのデキにはなっている。なんだか急にプロの監督になってしまったようで寂しい気がした。

 1作目には無かったCGを取り入れたり空撮映像を挿入したり、客船(余談2)を貸し切っての豪華なロケーション、シベリア鉄道での場面では列車セットに豪華な食堂車が追加され平行して走る別車両まで登場する。もちろん、列車内でのアクションではカメラが揺れて臨場感を出している。
 出演者も豪華名優に加えて有望な新人俳優や外国人俳優を大勢起用、当時は家庭内スキャンダルで干されていた大女優三田佳子氏を起用するなど、かつてレッドパージのあおりを受けて困っていたヴァンパイラ氏をエド・ウッド氏が映画にスカウトしたエピソードとだぶってしまう。
 ラトビア人役のリチャード・グロス氏は「スパイ・ゾルゲ」のイアン・グレン氏よりもさまになっていたし、真柄佳奈子氏は現代の育ちの良いお嬢さんらしくて良く、大塚ちひろ氏は古き良き時代のヒロインぶりで素敵な演技をしていた。

 そして何より、相変わらず棒読み台詞の山下将軍、さらに貫禄がついて首が苦しそうな佐伯大尉、客室ドアを蹴破れば済む事なのにワザワザ車外にロープを張って危険な綱渡りで車窓から侵入する不自然なお約束場面、撮影が楽なのか車窓が黒で済むよう相変わらずの夜汽車。これら「初心」を忘れない姿勢は好感が持てる。
 大物俳優三田佳子氏と宇津井健氏に気兼ねして山下大将が脇役になったとの声があるようだが、私はむしろ「シベ超」がシリーズとして定着した結果だと思う。これはポアロでもホームズでもそうだし、最近のゴルゴ13などは完全に脇役だ。シリーズとなれば、全体の主役は高見の貴賓席に移って、1エピソード毎の「主役」が物語を盛り上げるのは当然だろう。

 「シベ超」のネタになりそうな素材はまだまだ沢山ある。ベルリンやモスクワを舞台にした冒険活劇も面白そうだし、列車内の事件を連作しまくって「北斗の拳」のように時系列が無茶苦茶になっても面白い。
 シリーズをもっと沢山みたかった。

(余談1)たしかに、この内容はアガサ・クリスティを彷彿させる(褒めすぎか?)雰囲気なので、ヨーロッパにはウケるだろう。

(余談2)水野氏談によるとヒトラー所有の船だったらしい?

晴雨堂スタンダード評価
☆☆ 可

晴雨堂マニアック評価
☆☆☆☆ 名作


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