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ミカエル晴雨堂の晴耕雨読な映画処方箋

晴雨堂ミカエルの飄々とした晴耕雨読な映画処方箋。 体調に見合った薬膳料理があるように、 料理に合う葡萄酒があるように、日常の節目に合った映画があります。映画の話題をきっかけに多彩な生活になれば幸いです。詳しいレビューは「続きを読む」をクリックしてください。

「吸血の群れ」 おバカになって愉快になろう〔15〕 

吸血の群れ」 
蛙に逆襲されるレイ・ミランド氏。

 

 
【原題】FROGS
【公開年】1972年  【制作国】亜米利加  【時間】91分  
【監督】ジョージ・マッコーワン
【原作】
【音楽】レス・バクスター
【脚本】ロバート・ハッチソン ロバート・ブリーズ
【言語】イングランド語
【出演】レイ・ミランド(ジェイソン・クロケット)  サム・エリオット(ピケット・スミス)  アダム・ロアーク(クリント・クリケット)  ジョーン・ヴァン・アーク(カレン)  ジュディ・ペイス(ベラ)  リン・ボーデン(-)
      
【成分】不思議 パニック 不気味 恐怖 絶望的 ホラー 蛙 湿地帯 フロリダ 
  
【特徴】名優レイ・ミランド氏がおバカキャラで出演している貴重なB級ホラーパニック映画。当時流行った小動物逆襲モノである。
  
【効能】純粋でウブな方にはちょっと恐いホラーである。血飛沫はあまり無いので子供の頃の私にとっては程よい恐さだった。慣れた人には人間たちのおバカぶりが滑稽で笑える。
 
【副作用】この作品がトラウマとなって湿地帯が怖くなるかも。

下の【続きを読む】をクリックするとネタバレありの詳しいレビューが現れます。記事に直接アクセスした場合は、この行より下がネタばれになりますので注意してください。  
こんなBC級にレイ・ミランド氏が!

 レイ・ミランド氏、古き良き時代のアカデミー賞俳優である。30年代後半から40年代に二枚目俳優で活躍していたイメージがあり、私はゲイリー・クーパー氏と共演した「ボー・ジェスト」が印象に残っている。晩年はB級映画やTVドラマ出演が続いた。「刑事コロンボ」シリーズにも存在感ある犯人役で出演している。(余談1)
 この作品は明らかにB級パニック映画だ。70年代は鼠やゴキブリやミミズの大群が人間を襲う映画が大流行で、ここでは蛙の大群が人間を襲う。邦題は「吸血の群れ」となっているが、吸血動物はあまり登場しない。とにかく大量の蛙が登場する。原題も内容どおり「FROGS」だ。

 舞台はアメリカのフロリダのようだ。熱帯のジャングルと湿地帯に囲まれた土地に邸宅を構える金持ち一族がパーティーを催しているところへ旅行者の主人公がたまたまゲストに招かれるところから災難が展開する。
 なんと、蛙の大群が蜥蜴や毒蛇や鰐や亀などの爬虫類や蟲などを「指揮」して、まるで必殺仕置き人のような頭脳連携プレイで人間を1人ずつ殺していくのだ。登場人物が1人になったところを狙って、蛙が目で合図をして爬虫類たちが襲い掛かり、抜群のチームワークでぬかるみに追い込んだり、劇薬(余談2)を落として中毒死させるなど、とにかく頭が良い。対して人間たちの間抜けなこと。

 70年代後半から盛んに制作された血飛沫全開スプラッタ・粘液べとべとクリーチャー・お色気残酷描写のエログロに慣れているホラー映画ファンには、赤い血があまり出ないので物足りない描写が延々続く。それでも、良家の中年夫人が爬虫類たちに襲われ、熱帯の森を逃げ惑い、上品なブラウスやスカートが泥と汗で汚れ、沼地では大きめの蛭に襲われて恐怖とおぞましさに顔を引きつらせ、とどめは蛇の毒牙で昇天するシーンは迫力があった。

 このように登場人物たちは蛙や爬虫類に襲われるのだが、物語や人物構成にも不自然で強引な場面があまりに多く、脚本はC級以下のデキだ。そんな映画で名優レイ・ミランド氏は生真面目に仕事をこなす。作中では亭主関白型の一族の家長に扮しているのだが、身内や使用人が次々と殺されていく異常事態なのに「パーティーは続ける。それが我家の伝統だ」と言い放つ。
 主人公はレイ・ミランド氏を見限って生存者を率いて脱出する。日が暮れて屋敷の周囲は漆黒の闇になり、レイ・ミランド氏は広い屋敷に1人残ってレコードを聞きながら愛犬と一緒にパーティーを続ける。屋敷は蛙の大群に包囲され突入を開始した。愛犬はただならぬ気配を感じ怯えるがミランド氏は一喝する。ついに蛙たちは部屋に侵入、蛙たちによってレコードプレイヤーが壊れ、辺りは静寂になり無数の蛙がミランド氏にたかる。ミランド氏は急に怯え錯乱、辺りをグルグル回って前後不覚になって倒れ、その上に蛙たちが圧し掛かる。
 ラストは屋敷の全室の窓の灯りが一斉に消え、エンディングへと流れる。(余談3)

 主人公はエコロジストでカメラマンの設定だから、自然破壊をする人間に対し蛙たちが反撃するという重たいテーマが一応あるみたいだ。
 レイ・ミランド氏のファンなら必見の映画かもしれない。馬鹿馬鹿しいB級映画に真面目な演技をしているところが哀愁があり魅力的だ。

(余談1)「悪の温室」だったかな?

(余談2)ラベルには薬品名は書かれておらず、素直に「POISN」と書かれていた。なんと視聴者に親切な小道具。

(余談3)ライフラインを破壊したか、なんて頭の良い蛙たちだ。
 屋敷の窓全てに電灯が灯っていたということは、ミランド氏扮する家長は意地になっていても、内心はとても恐かったのか。
 愛犬は無事に逃げられたのだろうか? 犬が可哀想だった。蛙たちの狙いが人間だけなら助かっているかもしれないが。


 
晴雨堂スタンダード評価
☆☆ 可
 
晴雨堂マニアック評価
☆☆ 凡作



 
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[ 2009/04/24 20:44 ] [ 編集 ]
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