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ミカエル晴雨堂の晴耕雨読な映画処方箋

晴雨堂ミカエルの飄々とした晴耕雨読な映画処方箋。 体調に見合った薬膳料理があるように、 料理に合う葡萄酒があるように、日常の節目に合った映画があります。映画の話題をきっかけに多彩な生活になれば幸いです。詳しいレビューは「続きを読む」をクリックしてください。

気晴らしに観る戦争活劇 16 「機動戦士ガンダム」 

機動戦士ガンダム」 
ロボットアニメと第二次大戦パロディー。

 

 
晴雨堂スタンダード評価
☆☆☆ 良
 
晴雨堂マニアック評価
☆☆☆☆☆ 金字塔

  
【寸評】富野喜幸氏(富野由悠季)が放つロボットアニメの金字塔である。「宇宙戦艦ヤマト」が日本のアニメ業界を躍進させ、このガンダムは躍進を定着させてオタク層という市場を確立した。少年少女から青年まで見応えのある作風、主役をはれる魅力的キャラの多さが特徴だ。
 

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   言うまでもないと思うが、ガンダム時代の幕開けの映画である。79年のTV放送時では視聴率が10%以下と低迷したが、放送終了前後から再放送にかけて爆発的な人気が沸騰し、ついに81年に映画化となった。この展開は「宇宙戦艦ヤマト」と同じである。
 
 物語設定においても類似点がある。主人公たちの敵は第二次大戦時のナチスドイツをイメージしている点、宇宙を舞台にした戦争アニメなのに第二次大戦のパロディ、そして多様な登場人物とリアルな人物相関設定、人間臭く主人公としても使える魅力的な敵キャラが特徴である。
 異なる点は、スポンサーの関係なのか「ガンダム」は登場メカが玩具メーカーの商品になりやすいようロボットアニメにした事や、「ヤマト」映画や続編TVアニメの「失敗例」を戦訓に、無理なダイジェスト版映画にせずに3部構成にしたり、ガンダムというキャラロボットはそのままに時代や舞台や趣向を変えることで続編を創り続け「ガンダム」という名跡は四半世紀以上も生き長らえてきた。(余談1)また別作品に姿を変えたとはいえ「ガンダム」が今もなお放送され続けているために、物語として完成度の高い「初代ガンダム」は再評価され続け、今でも専門雑誌や漫画によって人気は醗酵されている。

 着想の一部はロバート・A・ハインライン氏がヒューゴ賞(余談2)をとったSF小説「宇宙の戦士(スターシップ・トルーパーズ)」で登場するパワードスーツを日本アニメの伝統キャラであるロボットと絡めて、歩兵が操縦する強化スーツが進化して下士官以上が操縦する戦闘ロボット「モビルスーツ」という設定に応用されている点は高く評価されている。ガンダムは善玉キャラのモビルスーツなので子供向けに格好良いデザインにし、敵のジオン軍メカは兵器マニアやホビー関係者が喜びそうな実用性のある兵器らしいデザインになっている点も憎らしい心配りだ。

 この「初代ガンダム」ブームのとき、ハードSFファンはデタラメなSF設定に眉をひそめた。(余談3)古くからの映画ファンの友人知人は、昔みたエンタメ戦争モノやスパイ物の名作・名場面・名台詞を散りばめているように観えたらしく一蹴するだけだった。
 しかし、これはたぶんに蔑視の意味での「アニメ=子供が観るもの」の先入観によって実像より過小に評価されているだろう。「大人」がみる映画にも名作のパロディーやリメイクやパクリが無数にある。あきれかえる駄作も多い。それら映画に「初代ガンダム」が劣るとはあまりに無理がある。そんな人たちは、マカロニウエスタンは観てはいけないし、シリーズ物やリメイク作もご法度である。そもそも文化というものに対して全く無知である。
 今や四半世紀以上の歴史をつくってしまった「ガンダム」は親子で楽しむ作品となり、かつてのような蔑視は著しく弱まりつつある。何しろ自民党の大物政治家が「ローゼン閣下」とオタクたちから敬われている時代なのだ。「ガンダム」はアニメというジャンルを超えて独立した一つの文化であり日本経済の一翼を担う産業となってしまった。

 この「機動戦士ガンダム」の1部から始まり3部に終わる物語は、物語として一応は完成・完結したものだったが、できればその後の「Zガンダム」はもう少し慎重に設定を練ってほしかった。それだけが残念である。なぜ残念なのかは「逆襲のシャア」レビューで「続編の弊害」と題して述べた。

(余談1)しかし、そのために「バイファム」「エルガイム」「ダンバイン」などの佳作を制作しながら、「ガンダム」から卒業できない制作者の苦しさがある。

(余談2)世界中のSF作家にとってはノーベル文学賞みたいに権威がある賞である。

(余談3)無数にあるらしいが、中でもミノフスキー粒子は馬鹿げているそうである。エネルギーを吸収したり攪拌してレーダーや無線を無力化する粒子なら発光するはずらしい。
 あと、これは私も反論できないがTVシリーズのオープニングテーマ曲はズッコケる。若年層に対し過度に意識している。これは無用だ。
 
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