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ミカエル晴雨堂の晴耕雨読な映画処方箋

晴雨堂ミカエルの飄々とした晴耕雨読な映画処方箋。 体調に見合った薬膳料理があるように、 料理に合う葡萄酒があるように、日常の節目に合った映画があります。映画の話題をきっかけに多彩な生活になれば幸いです。詳しいレビューは「続きを読む」をクリックしてください。

「2001年宇宙の旅」Ⅱ 孤独を楽しむ時に〔28〕 

2001年宇宙の旅」 
色褪せないSF映画の金字塔。

 

 
【原題】 2001: A SPACE ODYSSEY
【公開年】1968年  【制作国】亜米利加  【時間】139分  
【監督】スタンリー・キューブリック
【原作】アーサー・C・クラーク
【音楽】
【脚本】 スタンリー・キューブリック 、アーサー・C・クラーク
【言語】イングランド語       
【出演】ケア・デュリア(デヴィッド・ボウマン)  ゲイリー・ロックウッド(フランク・プール)  ウィリアム・シルヴェスター(ヘイウッド・R・フロイド)  ダニエル・リクター(月を見るもの)  レナード・ロシター(アンドレイ・スミスロフ)  マーガレット・タイザック(エレーナ)  ダグラス・レイン(HAL9000の声)  ロバート・ビーティ(ラルフ・ハルヴォーセン)  ショーン・サリヴァン(ビル・マイケルズ)  アラン・ギフォード(プールの父)  アン・ギリス(プールの母)  エド・ビショップ(-)  ケヴィン・スコット[役者](ミラー)
      
【成分】楽しい ファンタジー ゴージャス 不思議 パニック 不気味 恐怖 知的 SF
 
【特徴】アーサー・C・クラーク氏とスタンリー・キューブリック監督の2人が放つSF映画の金字塔。 
    
【効能】特撮に魅了。「未来」の宇宙旅行を疑似体験。
 
【副作用】特撮には激しい光線を使う場面があり、気分が悪くなることもあるかもしれない。
 
下の【続きを読む】をクリックするとネタバレありの詳しいレビューが現れます。  
リアルな宇宙人
 
 多くの観客が抱いた率直な感想は、「特撮が素晴らしい。何年経っても色褪せないセンス」と「訳が解らない、結局、黒い石板(モノリス)は何やねん?」の2つに集約されるだろう。
 
 実際、観て見ると特撮は脅威の職人技である。CGのある現在では、もはや描けない画像は無いと言ってもよく、これが逆に新鮮味や迫力を失わせている。ところが当時の映画は、例えば大群衆シーンであれば実際に大人数のエキストラを雇っているし、城塞を攻撃する場面であれば映画のためにホンモノの城塞を作っているのである。(余談1)

 「2001年・・」の場合、宇宙空間を航行する宇宙船をリアルに映し出すため、細部までこだわった大きな模型を作り、強烈な光と長時間露光によって画面全体が真空の宇宙に見えるようシャープなパンフォーカス(余談2)映像をつくりだした。現場の映画人たちの創意工夫による映像なので、より感慨深い。1920年代の「メトロポリス」ではさすがにファッシンョやデザインに古さが目立ってしまうが、「2001年・・」は未だに現在の目から観ても近未来的だ。

 いろいろ、突っ込みどころもあるが、それらは演出上(余談3)やむを得ない描写であったり、アポロ11以前の映画なので月面の状況がまだ十分わかっていなかったりなどの納得できる事情によるものだ。実話に忠実な映画「アポロ13」では美しいCG映像・リアルな船内セット・無重力訓練用飛行機での撮影などが大評判だったが、無音のはずの宇宙空間でロケット噴出の効果音が出ているのを思えば、はるかにマシである。

 このように、殆どの観客は21世紀の宇宙旅行を映像化した美しい特撮技術に魅了されたが、では肝心の物語の内容となるとサッパリ解らなかったのではないか。話はチンプンカンプンだが、映像は綺麗で面白くて退屈しなかった、と思うファンが大半だと思う。いわば観客を惹きつけるために特撮があるようなものだ。
 サッパリ解らなかった私でも、観る前に原作は読んでいたので概略は理解できていた。むしろ映画よりも原作のほうがストーリーは判りやすい。

 シンプルな黒い石板モノリスをつくった宇宙人は姿を現さない。どうやら目的は見込みのある生物を進化させて何かをやらせようとしているのだが、それは不明のままだ。
 宇宙を旅するほどの文明を持つ生物をさらに高次元の生物へと進化させるため、宇宙人は壮大な仕込をする。猿の群れに石板を設置し長い時間をかけて人類へと進化させ、宇宙に出るようになったら発見されるようにと予め月に石板を埋めておき、その石板から発する電磁波によって優秀な人間を木星付近にまで誘き出す。この程度の段取りは誰でも読み取れるだろう。
 ボーマン船長が人間である最期のときを過ごしたシックで豪華な調度品に囲まれているのに殺風景な部屋は、ちょうど人間に捕獲された金魚や熱帯魚が湖や海の環境に似せたチャチな水槽の中で暮らすのと類似しているかもしれない。

 宇宙人は人間とは異なるスパンと空間で生きているようなので、論理構造も感情も別の次元だろう。SF映画に出てくる多くの宇宙人はアメリカ人とアジア人の文化的差異程度でしかない。だから、もし人間よりもはるかに高度な知性を持った宇宙人であれば、人間に宇宙人の意図は意味不明でなければならないのだ。そういう意味ではリアルな宇宙人の描写である。

 原作はその後2010年を舞台にした続編、26世紀編、31世紀編と展開する。31世紀では、死んだはずのプール副船長が仮死状態で生きていて千年振りに蘇生する。
 
(余談1)黒澤監督の「乱」で映画のために城をわざわざ造ったとの噂がある。本当かな?

(余談2)簡単にいうと、遠くの物も近くの物も同時にピントが合っている画像。パンフォーカスにするためには最大限に絞りを絞り込まなければならない。

(余談3)宇宙船の描写で、星が動いているのはありえないが、動かさないと動いているように見えない。
 あまりにも巨大な月面基地や都市があり、コスト面で考えて無茶な設定。
 月に険しい山が沢山ある。
 地球からのニュース映像でBGMがダサい。ファッションがあまりに劇的に変わりすぎ。

晴雨堂スタンダード評価
☆☆☆☆ 優
 
晴雨堂マニアック評価
☆☆☆☆☆ 金字塔

 
【受賞】アカデミー賞(特殊視覚効果賞)(1969年)
 

 
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