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ミカエル晴雨堂の晴耕雨読な映画処方箋

晴雨堂ミカエルの飄々とした晴耕雨読な映画処方箋。 体調に見合った薬膳料理があるように、 料理に合う葡萄酒があるように、日常の節目に合った映画があります。映画の話題をきっかけに多彩な生活になれば幸いです。詳しいレビューは「続きを読む」をクリックしてください。

「ホテル・ルワンダ」 絶望から脱出しよう〔4〕

ホテル・ルワンダ」 
絶望から活路を開くには・・。

 

 
【原題】Hotel Rwanda
【公開年】2004年  【制作国】英吉利 伊太利 南阿弗利加  【時間】122分  
【監督】テリー・ジョージ
【音楽】ルパート・グレグソン・ウィリアムズ アンドレア・グエラ
【脚本】テリー・ジョージ ケア・ピアソン
【言語】イングランド語
【出演】ドン・チードル(ポール・ルセサバギナ)  ソフィー・オコネドー(タチアナ・ルセサバギナ)   ニック・ノルティ(オリバー大佐)   ホアキン・フェニックス(ジャック・ダグリッシュ)  ジャン・レノ(テレンス社長)  ファナ・モコエナ(ビジムング将軍)  
 
【成分】悲しい 重たい 切ない 知的 パニック 恐怖 勇敢 アフリカ 1994年

【特徴】1994年に発生したルワンダでの大虐殺事件が舞台。ルワンダ国内のフツ族過激派に同族穏健派やツチ族を百万人単位で虐殺される中、当時ホテルの責任者だったポール・ルセサバギナ氏が千人以上の難民を匿った実話の映画化。

 概ね実話に沿った内容で物語が展開する。現地で非政府支援活動をしている人たちの中には必ずしも評判が良いとは言えないが、実話の映画化で生じる副作用として看過できる範囲だと晴雨堂は思う。
 何より、映画化最大の目的は経済力と発言力を持つ欧米諸国の世論を動かし荒廃した国への支援を獲得する事なので、成功作だといえる。
 
【効能】アフリカの一面を描いた名作。絶望に陥った時、誰にも頼れないとき、この映画には再浮上のヒントがある。
 
【副作用】現地を知っている人には演出臭が不愉快になる。あるいは市民運動などをウザイと思っている人は生理的に敬遠する恐れがある。

下の【続きを読む】をクリックするとネタバレありの詳しいレビューが現れます。記事に直接アクセスした場合は、この行より下がネタばれになりますので注意してください。  
アフリカを知らない人は是非どうぞ
 
 よくアフリカ版「シンドラーのリスト」と形容されるし、知らない人に口コミで伝えるには、それが最も誤解が少なく解りやすい適切な例えだ。
 私は「シンドラー・・・」より価値ある映画だと思っている。何故なら、「ホテル・ルワンダ」は現在進行形だからである。また、主人公の支配人はあくまで普通の人間として描かれているのに対して、シンドラーは格好よすぎて雄弁家で政治家臭い。ハリウッドの主人公は平凡なキャラという設定でも格好よくて強くて頼りがいのある雄弁なヒーローになってしまうから、逆に胡散臭く感じてしまう。
 
 アフリカの現状をよく伝えている。大袈裟なデフォルメも無く、適切な構成と演出だ。だが、実際に現地で行動しているNGOのスタッフからは必ずしも好意的に見られていないことを聞いた。
 「デフォルメし過ぎている」「実際はこんな綺麗なものではない」「なぜアフリカ人俳優を使わないのだ。欧米の黒人俳優を使うのが気に入らない」「しょせん、この作品もプロバカンタ臭い」などなど。
 
 しかしながら、大勢の人達に観ていただく作品としては、これはギリギリの線ではないのかと私は思う。有名俳優を起用すればスポンサーもつくし配給もしやすくなる。物語も実話を損なわない範囲の脚色だ。制約の多い制作現場で最大限の秀作であると思う。特に銭を持っている先進国市民から関心と募金を引き出させる事も問題解決のための極めて重要な要素なのだから。
 
晴雨堂スタンダード評価
☆☆☆☆ 優
 
晴雨堂マニアック評価
☆☆☆☆ 名作

 
晴雨堂関連作品案内
ホテル・ルワンダ オリジナル・サウンドトラック
 
晴雨堂の関連書籍案内
ホテル・ルワンダの男 ポール・ルセサバギナ
生かされて。 イマキュレー・イリバギザ
ルワンダ大虐殺 〜世界で一番悲しい光景を見た青年の手記〜 レヴェリアン・ルラングァ
山刀で切り裂かれて ルワンダ大虐殺で地獄を見た少女の告白 アニック カイテジ
現代アフリカの紛争と国家―ポストコロニアル家産制国家とルワンダ・ジェノサイド 武内進一
 

 
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コメント

こんにちは。
>主人公の支配人はあくまで普通の人間として描かれている>
まさに!です。かっこいいヒーロー像になっていないところがいいと思いました。多くの人にジェノサイドを伝えつつも、映画としても、超一流の出来だと思います。
胸をつかまれる思いがしました。

IHURU氏へ

 コメントありがとうございます。

 映画というのは、映像で魅せる作品ですのでリアリティーがなければなりませんし、同時にエンターテイメント性も要求されます。私は、制作者と出演者がアフリカの現在を勘案して最も良いバランスの線で制作した作品だと考えています。
 「シンドラーのリスト」よりも遥かに意義のある良質の作品です。

TBありがとうございます

TBありがとうございます。
観た時は衝撃を受けました。良い作品ですよね。
同じルワンダをテーマにしたルワンダの涙も、良かったです。まだでしたらぜひ観てみてください。

こちらこそ。

こちらこそ、わざわざご丁寧に。

 「ルワンダの涙」も存じています。辛いですね。日本も微妙なバランスで、明日はわが身かもしれません。

 「明日はわが身」、この精神は実用的と思います。日本人にとっては、下手なヒューマニズムよりも原動力になる善行の動機付けです。

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