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ミカエル晴雨堂の晴耕雨読な映画処方箋

晴雨堂ミカエルの飄々とした晴耕雨読な映画処方箋。 体調に見合った薬膳料理があるように、 料理に合う葡萄酒があるように、日常の節目に合った映画があります。映画の話題をきっかけに多彩な生活になれば幸いです。詳しいレビューは「続きを読む」をクリックしてください。

「ゴダールのマリア」 自分に喝を入れたい時に〔19〕

ゴダールのマリア」 
アンヌとジャンの作品

  

 
【原題】Le livre de Marie/Je vous salue, Marie
【公開年】1984年  
【制作国】仏蘭西 瑞西(マリアの本) 仏蘭西 英吉利 瑞西(こんにちは、マリア)  
【時間】28+80分  
【監督】アンヌ=マリー・ミエビル(マリアの本) 
ジャン・リュック・ゴダール(こんにちは、マリア)
【原作】
【音楽】フレデリック・ショパン グスタフ・マーラー(マリアの本)
ヨハン・セバスチャン・バッハ アントニン・ドヴォルザーク(こんにちは、マリア)
【脚本】アンヌ=マリー・ミエビル(マリアの本)
ジャン=リュック・ゴダール(こんにちは、マリア)
【言語】フランス語 イングランド語       
【出演】ブルーノ・クレメル (父親) オーロール・クレマン (母親) レベッカ・ハンプトン (マリー) コピ (旅人)「マリアの本」
 
ミリアム・ルーセル (マリー) ティエリ・ロード (ジョゼフ) フィリップ・ラスコット (大天使ガブリエル) マノン・アンデルサン (幼い女の子) ジュリエット・ビノシュ (ジュリエット)「こんにちは、マリア」
    
【成分】笑える 楽しい 不思議 知的 セクシー かわいい コミカル キリスト教

【特徴】ゴダール監督の代表作。正確にはゴダール監督の盟友アンヌ=マリー・ミエビル監督の短篇「マリアの本」とゴダール監督の長篇「こんにちは、マリア」合版二部構成した作品を邦題で「ゴダールのマリア」に括った。

 少なくともゴールデンタイムの「洋画劇場」向き映画ではない。イエスキリストのパロディ。 
    
【効能】男女の色恋沙汰に悩んでいる人にとって、けっこうタイムリーネタかもしれない。主人公に共感して少しは心の荷が軽くなるかも。
 
【副作用】多くの人々は意味がわからず眠くなる。
 
下の【続きを読む】をクリックするとネタバレありの詳しいレビューが現れます。記事に直接アクセスした場合は、この行より下がネタばれになりますので注意してください。  
結局のところ、
イエス・キリストのパロディだろ?

  
 フランス映画界を代表する監督ジャン・リュック・ゴダール氏、ヤフー映画サイトでもファンは少なくない。(2007年10月18日現在106人)そしてこの「マリア」はゴダール監督の代表作でもある。にも関わらず、誰もレビューを書いていない。
 理由としては、やはり解り辛い映画だからレビューが書きにくいのだろう。そもそもゴダール監督の映画はゴールデンタイムの「洋画劇場」番組では放送しない。大きな映画館でもあまり上映しない。映画マニアの視聴者を対象にした深夜の映画番組や大都市圏の小さな映画館で上映される事が多い。

 構成は面白いと思う。2部構成に分かれていて、第1部は30分足らずの短編映画、監督はゴダール氏ではなくアンヌ・マリー・ミエビル氏(余談1)が担当。内容は不仲の両親の間でマイペースに生きる少女マリアの物語のように思えた。ついに両親は別居、父親のほうから家を出て行く。父親から解放された母親は再び青春が戻ってきたのか派手になり、新しい彼氏と遊びに行く。1人残された少女マリアは家のベランダで踊りだす。

 少女マリアが踊っているその頃、別の所でもう1つの物語があるとの紹介があり第2部が始まる。これはゴダール監督の手による物語だ。一口で説明してしまうと、イエスキリスト誕生を現代社会に置き換えたパロディだ。イエスの法律上の父である大工のヨゼフがこの作品ではタクシーの運転手。マリアは高校生。高校では人類の起源が地球外生命である一説を教師が説いている。その教師をイブという女生徒が恋している。
 ガブリエルと名乗る謎の人物(天使か?)の言うとおり、マリアは聖書の通り男と関係をもたずに妊娠し、ヨゼフと所帯を持つ。やがて生まれた男の子は元気に育ち森へと遊びに行く。心配するヨゼフにマリアは「復活祭には戻ってくる」と言う。

 それぞれマリアという名の少女を主人公にした短編映画と長編映画をセットにして一つの作品にし、それを公私ともに親密な2人の映画人がそれぞれ監督を担当する。ゴダール氏とミエビル氏の間によほど信頼関係がないとできない作業だ。
 内容は、深く考えずにパロディとしては興味深いと思っている。演じている俳優たちは美男美女揃いだし、ヨゼフ役の俳優は痛々しく葛藤する若い男性を好演していた。

 しかしながら、ファンには申し訳ないが「だから何なんだ?」という印象しか抱けない。私には万人に通じる普遍的なテーマがある映画とは思えなかった。キリスト教徒にとっては挑発的な意味合いがあるかもしれないが、私には通じない。フランス人にとっては台詞一つ一つに様々な風刺や関連性を見出せるかもしれないが、私はフランス語が解らない。字幕で理解できるのは粗筋だけだ。
 物語のテンポもいま一つついてゆく事ができない。まるで構造や構成の組み合わせにこだわる前衛絵画か前衛音楽を前にしているのと同じ感覚に襲われる。
 
(余談1)スイス出身の映画監督。脚本・女優もこなす。ゴダール氏の「同志」。
 
晴雨堂スタンダード評価
☆☆☆☆ 優
 
晴雨堂マニアック評価
☆☆☆ 佳作

 

 
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