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ミカエル晴雨堂の晴耕雨読な映画処方箋

晴雨堂ミカエルの飄々とした晴耕雨読な映画処方箋。 体調に見合った薬膳料理があるように、 料理に合う葡萄酒があるように、日常の節目に合った映画があります。映画の話題をきっかけに多彩な生活になれば幸いです。詳しいレビューは「続きを読む」をクリックしてください。

「キャッチ・ミー・イフ・ユー・キャン」 家族と一緒に癒されよう〔14〕 

キャッチ・ミー・イフ・ユー・キャン
 

 
【原題】CATCH ME IF YOU CAN
【公開年】2002年  【制作国】亜米利加  【時間】141分  
【監督】スティーヴン・スピルバーグ  
【原作】フランク・W・アバグネイル
【音楽】ジョン・ウィリアムズ
【脚本】ジェフ・ナサンソン
【言語】イングランド語 一部フランス語   
【出演】レオナルド・ディカプリオフランク・W・アバグネイル)  トム・ハンクス(カール・ハンラティ)  クリストファー・ウォーケン(フランク・アバグネイルの父親)  エイミー・アダムス(ブレンダ・ストロン)  ジェニファー・ガーナー(シェリル・アン)

【成分】笑える 楽しい ゴージャス シリアス 知的 コミカル 
 
【特徴】古き良き60年代前半のアメリカに実在した少年詐欺師のエピソードを映画化。
 30歳を目前にしたディカプリオ氏が高校生詐欺師を好演。少年が背伸びをして大人の振りをする演技はさすがだ。

【効能】ベテランのFBI捜査官相手に堂々とハッタリをかまして逃げきる様は爽快かつ痛快。アメリカにありがちな銃撃も血飛沫もなく健康的。家族団欒鑑賞可。
 
【副作用】爽やかな映画だが余韻も強くないので、人によっては印象に残らない。
 
下の【続きを読む】をクリックするとネタバレありの詳しいレビューが現れます。記事に直接アクセスした場合は、この行より下がネタばれになりますので注意してください。  
全米を股にかけた鬼ごっこ。

 まず驚いたのは、主演ディカプリオ氏の高校生ぶりである。映画を観る前にディカプリオ氏のインタビュー記事を読んだのだが、写真の彼は目尻や額に小ジワが多く無精髭を生やしていて少し二重顎になりかけの中年男性的顔付きなのに、映画を観ると見事にスッキリ・ツルツル顔の高校生になっているのだ。以前「グリース」で登場したジョン・トラボルタ氏ら「高校生たち」はどう贔屓目で観ても子供2・3人は居そうなオッサン・オバサンたちなのだが、それとは全くの大違いだ。
 ディカプリオ氏が良いトコの高校のブレザー型制服が良く似合っているのもささやかな感動だが、さらに脅威なのは彼が作中で年齢を10歳ほどサバを読んで旅客機のパイロットに化けたりジェームズ・ボンドを気取って高級スーツに身を包む場面は、まさに少年が少し背伸びしているような感じが出ている事だ。出演時のディカプリオ氏の年齢は30前ぐらいなので歳相応の格好なのだが、彼の童顔からなのか、それとも表情や所作の演技で魅せているのか、二十歳前後の少年もどき大人もどきの歳頃そのものだ。

 さて、実際の詐欺事件を扱った作品なのだが、アメリカにもほのぼのとした時代があったのかと微笑ましく思える。銃撃・流血の場面はいっさい無い。服装や所作で人は簡単に騙されてくれる。(余談1)ベテランの捜査官でさえも主人公のハッタリを信じてしまったり、裏をかかれたりする。犯人が漫画を読んでいるらしい事だけで主人公を子供と断定できるほど単純な社会だった。(私は40をとうに過ぎているが漫画を読んでいる)
 様々な窮地で主人公がどんな手段で逃走するかが面白かった。特に護送の飛行機の中でトイレの便器から外へ脱走する場面は「まだ、そんな手があったのか」とワクワクした。まさに最後の最後まで全米とヨーロッパを股にかけた「キャッチ・ミー・イフ・ユー・キャン(鬼さんこちら)」の鬼ごっこだ。

 父親の破産と家庭の崩壊、詐欺で得た大金で女友達らとの派手な豪遊の裏に忍び寄る孤独感、自分を追うFBI捜査官への奇妙な親近感。逃走に疲れ身分を偽ったまま一所に根付こうとすると捜査の包囲網がしかれる。佳境では逃げ込もうとした自分の実家に母親の新しい夫との間にできたらしい幼い義理の妹の存在、物語全体はコミカルで明るいが同時に主人公のシリアスな孤独感が充満している。
 ラストのオチが、自分を正当に評価してくれているのが捜査官であり、落ち着き先が自分の経験を活かした詐欺事件捜査のスペシャリストだったのが小気味良いハッピーエンドだった。

(余談1)私も詐欺とまではいかないが、ハッタリや方便を駆使したことがある。チャリンコ旅行中、旅先の人情にあやかりやすくするため、極力不潔なイメージを与えないよう髪は坊主頭にし、姿勢を正しくし言葉づかいを穏やかに丁寧にするよう努めた。その結果、あるところでは修行僧と間違われて食べ物を恵んでくれたり、当時は中国の人民帽を好んで被っていたことから中国からの留学生(90年代初頭までの日本では、中国人のイメージは好印象だった)と間違われ路銀をカンパしてくれた。
 
 私も調子に乗って周囲の「誤解」を敢えて解かず、(しかし、自分から仏教僧だの中国人だのとは言わないのがミソ)仏教僧に間違われたら日常会話にさり気なく仏教の知識や講釈をたれて誤解を確固たるものにしたり、中国人留学生と間違われたらワザとメモ用紙に簡体字混じりの日本語(実際、中国語を習っていたので、今でもメモ書きするときは簡体字を使う)で書いたり、流暢な日本語の中で若干イントネーションを違ったものにした。出会った人は全員信じ込んだ。

 一時は詐欺師の才能があるのでは、とも思ったが、就職の際にささやかなハッタリをかまして入社したら程なく馬脚を現してしまい追い詰められた。だからこそ思うのだが、作中の主人公は嘘やハッタリだけでなく逃走中に弁護士の資格を実際に得ているほどの頭の良さだ。メッキが剥がれないだけの知能と知識と勤勉さをもっている。主人公は元々どんな仕事でも務まる人間なのだ。


 
晴雨堂スタンダード評価
☆☆☆ 良
 
晴雨堂マニアック評価
☆☆☆ 佳作


晴雨堂関連作品案内
「キャッチ・ミー・イフ・ユー・キャン」オリジナル・サウンドトラック
 

 
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トラバありがとうございました。
頭脳プレイと大胆さがいい感じで好きな作品です^^
[ 2009/05/19 23:32 ] [ 編集 ]
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[2009/05/19 11:30] のほほん映画鑑賞
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