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ミカエル晴雨堂の晴耕雨読な映画処方箋

晴雨堂ミカエルの飄々とした晴耕雨読な映画処方箋。 体調に見合った薬膳料理があるように、 料理に合う葡萄酒があるように、日常の節目に合った映画があります。映画の話題をきっかけに多彩な生活になれば幸いです。詳しいレビューは「続きを読む」をクリックしてください。

「サンシャイン2057」 

サンシャイン2057」 真田広之の英語が綺麗。
 
 
 
【公開年】2007年  【制作国】英  【時間】108分  【監督】ダニー・ボイル     
【出演】キリアン・マーフィ(キャパ)  真田広之(カネダ船長)  楊紫瓊(コラゾン)  クリス・エヴァンス(メイス)  ローズ・バーン(キャシー)  トロイ・ギャリティ(ハーヴィー副船長)  ベネディクト・ウォン(トレイ)  クリフ・カーティス(サール)  
 
【成分】
 
【特徴】
 
【効能】
 
【副作用】
 
下の【続きを読む】をクリックするとネタバレありの詳しいレビューが現れます。


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本格ハードSFを期待したが・・。 

 たぶん、本格的なハードSF(余談1)を期待した方は後半でがっかりし、SFスリラーを期待した方は前半の展開にまどろっこしさを感じたのではないか。

 私はというと、懐かしさを感じる内容だった。中高生時代によく読んだ星野之宣氏(余談2)の漫画に似ているからだ。彼の作品が実写映画化されたら、まさに本作のようになるだろう。ただ、彼のセンスならゾンビ風化物は登場させず、一部クルーの反乱にするだろう。
 ハードSFを期待していたが、やはりハードSFではなかなかエンタメ映画にするのは難しいのかな。

 私が最も好感を持ったのは、作中で描写されるクルーの所作と倫理観が如何にもプロの宇宙飛行士らしいところである。閉鎖された空閑、長期間の宇宙旅行、そこで繰り広げられる小さな諍い。険悪な関係になる事も多々あるが、人類を救うためのミッションを優先して行動する。
 予定に無い針路変更を行うか否かの重大な判断、真田広之氏扮する船長は最終的にミッションを実行する主人公(キリアン・マーフィー氏)に決定権を委ね、主人公は明快な論理に基づいて決定する。
 船に事故が発生、ここは即座に船長が判断する。船のメカニックを最も熟知し経験のある船長自身が危険な船外での修理活動を行うことを決めた。同じく運航責任者が助手を志願するが副船長であることを理由に却下。ミッションの技師である主人公を助手に指名する。
 修理中にアクシデント、船を元の軌道に戻さねばならないが、そうすると船外の船長が太陽風の餌食になる。船長の命をめぐってコクピットでは議論になりかけるが、船長は迷わずミッション優先を指示、殉職する。
 イカロス二号が太陽の周回軌道にある一号とドッキング、ところが何者かによる破壊工作。本船に戻るには30メートルほどの宇宙空間を飛び越えなければならない。宇宙服は一着だけ。日ごろ主人公と仲の悪いクルーはすすんで主人公に宇宙服を着せる。主人公がミッションの実行者だからだ。これに副船長が指揮権を楯に宇宙服を奪おうとするが、別のクルーが有効な方法を提案するとそれに従う。(余談3)

 以上のようなシチュエーションでは、人間の醜いエゴを表したほうが絵になるので愚かに描きがちだが、アポロ13や南極点到達のスコット隊の例もあるように、強靭な自制力を発揮する事も少なくない。特にプロは。(余談4)

(余談1)SFというと日本ではまだまだ子供が観るモノとの偏見が根強い。また「スター・ウォーズ」に象徴されるように冒険活劇のイメージで捉えられる。
 「ハードSF」とは、厳格な科学考証に基づいた物語であり極めてハードルの高い。作中に科学的誤りが確認されたら、もはやハードSFとはいえないのである。作家自身が科学者でないと務まらないほどの豊富かつ正確な科学知識を要する。
 ハードSF作家で著名なのは、「2001年宇宙の旅」のアーサー・C・クラーク氏があげられる。
 いささか難解になるきらいがあるので、映画化されるハードSFはあまりない。

(余談2)欧米風のSFタッチの作風で知られる漫画家。緻密なデッサン力で定評がある。手塚賞・星雲賞を受賞。
 実際、彼の作品には寒冷化が進む地球を救うため、強力な太陽電池を搭載した宇宙船に乗って太陽近くへ飛ぶ話がある。この作品では太陽エネルギー独占を狙うテロリストと戦う。
 因みに「さよならジュピター」や「2010」は木星を太陽化するネタで有名だが、彼も1977年頃に「巨人たちの伝説」で木星太陽化ネタを披露している。

 彼の作品には笑える特徴がある。計画の本番実施段階にはいってから博士が部下に長い講釈たれたり(そんな事、事前ミーティングで説明せなあかんやろ。今ごろ説明してアホか)、目の前の家屋に火災が発生し中に人が取り残されているのに発火原因を長々と説明する(はよ、今なら間に合う。助けに行かんかい! あぁ、講釈たれてる間に火がまわってしもうた。この教授は馬鹿か)
 とにかく間抜けな講釈が長い。

(余談3)「2001年宇宙の旅」で宇宙船を締め出されたボーマン船長が丸腰のまま宇宙空間に飛び出し強行進入する場面と同じ方法。主人公を含め3人が飛び出すが1人は失敗、死亡する。死に方が科学考証的に正確。

(余談4)映画ではアポロ13のフレッドとジャックが激しい罵り合いをするが、実際は粛々と生還のため作業をしていた。喧嘩をする余裕はない。
 アムンゼン隊に敗れたスコット隊は帰路で全滅するが、強靭なチームワークで生還しようとしていた。韓国映画「南極日誌」のような内輪争いで自滅したりはしない。


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