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ミカエル晴雨堂の晴耕雨読な映画処方箋

晴雨堂ミカエルの飄々とした晴耕雨読な映画処方箋。 体調に見合った薬膳料理があるように、 料理に合う葡萄酒があるように、日常の節目に合った映画があります。映画の話題をきっかけに多彩な生活になれば幸いです。詳しいレビューは「続きを読む」をクリックしてください。

「ALWAYS 続・三丁目の夕日」 

ALWAYS 続・三丁目の夕日
 
 
 
【公開年】2007年  【制作国】日本  【時間】146分  【監督】山崎貴   
【原作】西岸良平   
【出演】吉岡秀隆(茶川竜之介)  小雪(石崎ヒロミ)  須賀健太(古行淳之介)  堤真一(鈴木則文)  薬師丸ひろ子(鈴木トモエ)  堀北真希(星野六子)  小清水一揮(鈴木一平)  小池彩夢   
 
【成分】笑える 楽しい コミカル ファンタジー 感涙 50年代
 
【特徴】
 
【効能】
 
【副作用】
 
下の【続きを読む】をクリックするとネタバレありの詳しいレビューが現れます。


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傑作ではないが努力賞だ。
 
 結論からいうと、駄作ではなかったものの及第作であり、前作ほどのインパクトも衝撃も感じられなかった。私にとっては傑作とは言いがたい。但し、努力賞ものである。制作者や俳優たちの努力だけを取り上げれば5星つけたい気分である。作品の完成度としては3星だ。

 私も前作に感動したクチである。だから続編には警戒心を持ってしまう。人気があがるとスポンサーサイドはもう一儲けと思って続編やシリーズ化を要求する。人気の小説や漫画やドラマでも発生する現象だが、シリーズ化されたために初期の頃と現在とでは物語の雰囲気や主人公の設定が変わってくる事が多い。
 例えば、「007」のジェームズ・ボンドの初期は冷酷な血の臭いのするエージェントだった。「男はつらいよ」の寅さんはネクタイを締めていた。「刑事コロンボ」のコロンボ警部(余談1)は身なり正しく髪も綺麗に刈上げ七三頭だった。「北斗の拳」に至っては一子相伝の最強暗殺拳だったはずが幾つも最強の流派が登場して初期の設定は完全に崩壊している。

 「三丁目の夕日」の場合は前作で完結完成されたものだ。弄りようによっては物語世界のバランスをたちまち壊しかねない。物語構成や演出が良かったとしても、主要キャスティングに交代があっただけでも不快感が生じる恐れがある。何しろ須賀健太君ら子役と堀北真希氏ら人気女優の健闘を抜きに成功はあり得なかった。伸び盛りの子役や若手人気俳優を降って湧いた続編企画に引き続き起用するのは苦労があったと思う。(余談2)前作で登場した三丁目の住人たちがそのまま登場しただけでも敢闘賞だ。
 加えて、前作の三丁目セットは撤去していたそうだから、寸分違わず同じモノを再び作り直すのは大変だったろう。穿った見方かもしれないが、ハウス食品のカレーCMで鈴木オートの自宅兼社屋が流用されているので、セット再建費用とスタッフの人件費はハウスから出ているのでは、と思ってしまう。

 前回は建設途中の東京タワーが目玉映像だったが、今回の目玉は東京駅と超特急こだま、羽田空港とDC-6B旅客機だ。前作の世界観を矮小化させないために敢えて三丁目界隈から外に飛び出した感がある。建設途中の東京タワーをCGで再現するよりも難しい映像であるのは間違いないが、造りかけの東京タワーのほうがやはりインパクトがある。
 また、前回は三丁目の通りを挟んで茶川の雑貨屋と鈴木オートの2つの家庭を軸に三丁目世界の生活感ある群集劇をパッチワークした感じが魅力だったが、続編では当然のことながら観客の視線が擬似家族の茶川たちの行く末に集中することが目に見えているので、全く同じストーリーという訳には行かなかったのだろう。茶川を明確な主人公に据え、そのぶん影が薄くなる三丁目の住人のためにサイドストーリーとして鈴木オートの親父やトモエの過去や、ロクちゃんの青森時代の男の幼友達、一平と親戚の女の子とのやり取りを設けるのは妥当な線だ。(余談3)
 無茶な続編企画をよくぞこれだけ魅せる作品に仕上げたものである。

 ところで、その親戚の女の子なのだが、単に我がまま育ちのお嬢ちゃんなのだろうか? 何だか、現代の女の子が幻想の昭和三十年代の三丁目にタイムスリップしてホームステイしているように感じてしまうのは私だけだろうか? 

(余談1)原版は「ルタナン・コロンボ」だからコロンボ警部補が正しい。因みに警部は「キャプテン」。

(余談2)最近では「NANA」の続編で宮崎あおい氏が出演せず市川由衣氏が代わった事があげられる。若手人気俳優を取り巻く環境は短期間で激変する。
 因みに、作中に登場する石原裕次郎氏の映画、画像が出てなかったように思うが見落としたのかな? それとも権利絡みで使用が実現しなかったのかな?

(余談3)前作では初老の宅間医師が自宅に帰ると幼い娘と若い女房が出迎える場面があった。そのとき「あれ?」と思ったが、宅間医師が狸にばかされて見た幻影で実は女房・子供は戦争で亡くしていた。家族3人で写った写真の宅間医師は髪の毛が黒く髭も生やしていない。
 それに似た手法が今回も使われている。鈴木オートの親父と戦友が語り合う場面がある。戦友は福士誠治氏、NHK「純情キラリ」でヒロインの相手役で味噌屋の若旦那を好演して評判が良い俳優だ。奇しくも作中でも徴兵され「三丁目」と同じ軍服姿が出てくる。

 福士氏はまだ20歳代前半、堤氏は40代で役柄の鈴木オートも30代後半から40くらいだから明らかに歳が違いすぎる。2人で並んだ記念写真はさほど歳は違わない先輩後輩のようだ。福士氏が着ている服も軍服の下に着る立襟の「襦袢」風で相変わらずの坊主頭、背広ネクタイに七三頭の堤氏とは明らかに異なる。もしや、と思ったらやはりそうだった。
 鈴木オートは上等兵の階級章をつけているところが鈴木オートらしい。軍隊も学歴がモノをいう。帝大出はほどなく将校に、旧制高校は下士官になる。
 
晴雨堂スタンダード評価
☆☆☆ 良
 
晴雨堂マニアック評価
☆☆☆☆ 名作
 
 

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鈴木オート社長の戦友牛島の場面が一番泣かせました。
久しぶりに会えたと思ったら、それは幽霊。
それがわかった瞬間の社長の表情がお見事です。
僕も幽霊でもいいから会いたい相手がいますよ。
今は亡き父。
名古屋の演劇で有名だった女優Yさん。
僕を可愛がってくれた祖母(母方)。
[ 2010/09/21 20:40 ] [ 編集 ]
蟷螂の斧氏へ
 
 あの顔は良かったですね。
 
 そういえば「探偵ナイトスクープ」で元阪神のラインバック選手の消息を依頼したファンも同じ表情をしていました。探偵とともに渡米しラインバック選手のその後を辿って行くと、関係者をつきとめ電話で居場所を尋ねると既に故人、その時の依頼者の顔も同じでした。悲しみとも笑顔ともつかない表情で「ああっ・・」といった感じか。
 
 未亡人の元を訪問し、阪神で活躍していたころのビデオを一緒に鑑賞し、墓参りのときに感情が高ぶって涙が出る。泣けるエピソードでした。

> 僕も幽霊でもいいから会いたい相手がいますよ。
> 今は亡き父。
> 名古屋の演劇で有名だった女優Yさん。
> 僕を可愛がってくれた祖母(母方)。

 幽霊が存在すれば良いですね。幽霊が存在すれば、我々も最期のあと意識は残るわけですから。
[ 2010/09/22 23:36 ] [ 編集 ]
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