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ミカエル晴雨堂の晴耕雨読な映画処方箋

晴雨堂ミカエルの飄々とした晴耕雨読な映画処方箋。 体調に見合った薬膳料理があるように、 料理に合う葡萄酒があるように、日常の節目に合った映画があります。映画の話題をきっかけに多彩な生活になれば幸いです。詳しいレビューは「続きを読む」をクリックしてください。

「グラディエーター」 ストレス解消活劇 1  

グラディエーター」 久しぶりのスペクタクル
 

 
【公開年】2000年  【制作国】亜米利加  【時間】155分  【監督】リドリー・スコット     
【出演】ラッセル・クロウ(マキシマス)  ホアキン・フェニックス(コモデゥス)  コニー・ニールセン(ルッシラ)  リチャード・ハリス(マルクス・アウレリウス)  
 
【成分】・スペクタクル ロマンチック 勇敢 絶望的 かっこいい ローマ史劇
 
【特徴】久しぶりの大型ローマ史劇。スティーブン・ボイド氏主演の「ローマ帝国の滅亡」のリメイクと見ていいだろう。概ね、時代考証(あくまで風俗やローマ軍の装備に関してだけ)も正確、ローマ時代ファンにとっては嬉しい大作である。
 
【効能】チャンバラ劇・格闘劇でストレスが発散できる。特に男臭さに萌える体質にはピッタリ。
 
【副作用】血と汗を嫌う人には向かない。時代考証にこだわる人には不快感。
 
下の【続きを読む】をクリックするとネタバレありの詳しいレビューが現れます。  
久し振りの本格古代ローマ史劇
 
 似たような作品には「ローマ帝国の滅亡」がある。舞台も時代背景もストーリー展開も良く似ている。仰々しいタイトルだが、正確には繁栄を誇っていたローマの身代が傾きはじめた一つの時代を切り取ったもので、ローマ帝国が滅亡するところを描いた訳ではない。そういう意味では今作品のほうがタイトルと内容が釣り合っていると言える。
 
 それにしても、久しぶりに観た本格ローマ史劇だ。ハリウッドは数十年前まではたくさん古代ローマ時代劇を制作していて、その中には名作も少なくない。チャルトン・ヘストン氏やポール・ニューマン氏やスティーブン・ボイド氏ら時代劇大作が似合う名優も大勢輩出した。前述の「ローマ帝国の滅亡」は些か大味だが、「ベン・ハー」や「スパルタカス」など映画史上に輝く大作は今でもしばしば各地の映画館で上映される。ところが、エリザベス・テーラー主演の「クレオパトラ」が転けた辺りから次第にローマ劇が敬遠されていくような印象を私は持っている。
 
 一番の理由はやはり人件費の高騰によってセットとエキストラに銭がかかるという事かもしれない。私が知らないだけかもしれないが、70年代・80年代のローマ時代劇は「カリギュラ」「サテリコン」といったポルノ的なものが目立っていたように思う。そんなとき、久々に本格的なスペクタクル古代ローマ時代劇が制作されたのは嬉しい。CGの進歩で大作がつくりやすくなった事が要因だろう。見事に2世紀末のローマや森で覆われたボヘミア地方を再現している。
 
 時代考証はそれほど誤りはないと思う。皇帝マルクス・アウレリウスは哲人皇帝といわれているほどで軍人ではなく文民政治家だった。しかも皇帝になるまでは軍の指揮をした事がない素人だったため、ゲルマニア戦では大した戦果をあげることはできなかったといわれている。それを再現しているかのように、ローマ軍が闘い難い山林でゲルマン族に苦戦している様がよく描けている。
 
 ただ、共和制の伝統がまだ根強いこの時代のローマ皇帝は、中国などの皇帝と違って現代のアメリカ大統領に近い存在である。皇帝の鶴の一声で勅令を発せられた事はなく、必ず議会の承認をもらわなければならなかった。ましてや息子コンモドスは既に議会とローマ市民に承認された後継者であるし、マルクスは歴代の皇帝のなかでも特に民主的な皇帝として知られている。だから、息子が少々馬鹿だからといって市民や議会を無視して勝手に自分の子飼の将軍を後継者に据えようとするだろうか? 
 奇しくも、「ローマ人の物語」の塩野七生氏もほぼ同じ見解だった。専門家と同じような見解というのは嬉しい。
 
 ともあれ、歴史に興味のない人間でも楽しめる久々のスケールの大きいローマ時代劇である。観て損はない。
  
晴雨堂スタンダード評価
☆☆☆☆ 優
 
晴雨堂マニアック評価
☆☆☆☆ 名作

 
晴雨堂の関連作品案内
グラディエーター オリジナル・サウンドトラック
ローマ帝国の滅亡 デジタルニューマスター版 [DVD] アンソニー・マン
 
晴雨堂の関連書籍案内
グラディエーター―リドリー・スコットの世界 亀山太一
ローマ帝国衰亡史〈1〉五賢帝時代とローマ帝国衰亡の兆し (ちくま学芸文庫) エドワード ギボン
図説 ローマ帝国衰亡史 エドワード ギボン
ローマ人の物語〈11〉―終わりの始まり 塩野七生


 
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[2007/12/08 13:56] 仁左衛門日記
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