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ミカエル晴雨堂の晴耕雨読な映画処方箋

晴雨堂ミカエルの飄々とした晴耕雨読な映画処方箋。 体調に見合った薬膳料理があるように、 料理に合う葡萄酒があるように、日常の節目に合った映画があります。映画の話題をきっかけに多彩な生活になれば幸いです。詳しいレビューは「続きを読む」をクリックしてください。

「ヘルハウス」 萌えたい時に〔1〕 

ヘルハウス」 上品なオカルト映画。
 

 
【原題】THE LEGEND OF HELL HOUSE
【公開年】1973年  【制作国】英吉利  【時間】93分  【監督】ジョン・ハフ
【原作】リチャード・マシスン
【音楽】ブライアン・ホジソン デライア・ダービシャー
【脚本】リチャード・マシスン
【言語】イングランド語     
【出演】ロディ・マクドウォール(ベンジャミン・フランクリン・フィッシャー)  パメラ・フランクリンフローレンス・タナー)  ゲイル・ハニカット(アン・バレット)  クライヴ・レヴィル(ライオネル・バレット)  ローランド・カルヴァー(ルドルフ・ドゥイッチ)  ピーター・ボウルズ(ハンレー)  マイケル・ガフ(ベラスコ)   
 
【成分】知的 かっこいい 密室 討論劇 セクシー 官能
 
【特徴】パメラ・フランクリンが可愛い! 淡々とリアルな展開で格調高くてなおかつ淫靡なゴシックホラーを描写。パメラ扮する美少女霊媒師を悪霊がジワジワ追い詰めていく様がエロい。ハリウッドでは描けない上品なホラー映画。まさにゴシックホラー・オカルトの金字塔的作品である。
 なお、パメラとならんでヒロインのゲイル・ハニカット氏は後にジェレミー・ブレット主演「シャーロック・ホームズの冒険」で好敵手エレーナ・アドラーを気高く演じる。
 
【効能】すでに成人したパメラ・フランクリンだが、美少女ぶりに萌え。
 
【副作用】最後のオチにガッカリする人もいる。
 
下の【続きを読む】をクリックするとネタバレありの詳しいレビューが現れます。記事に直接アクセスした場合は、この行より下がネタばれになりますので注意してください。  
恐怖とエロチシズム
 
 初めて観たのは10歳頃だったか、全編に漂う湿った陰鬱さと恐怖を感じた。それは肝試しに廃屋を探険したり、夏の遊園地に設置されたお化け屋敷に入るのに近い感情だった。
 
 物語はいたって淡々と進められた。近年のホラー映画のように生々しく血飛沫が飛び内臓や脳髄が破裂したり、血まみれ半熟れのゾンビが襲いかかってきたり、大音響などで観客を驚かす事は無い。カビ臭い洋館・ヤニ色基調の室内を超広角やパンフォーカスなどを駆使した効果的なカメラワークで視聴者の不安感を煽る。
 物理学者と霊媒師の混成チームはまるでルポルタージュを作成するかのように粛々と調査を進めていく様は一種ドキュメント風でもあり、作品の説得力を高めるとともに、観る者の周囲からジワジワと恐怖が迫る効果をあげている。
 
 しかし中学生以降にTVやビデオで観た時は、子供のころとは違った目線で観てしまうようになった。単に恐怖だけでなく、色気というかエロさを感じるようになったのだ。
 これとて近年のホラー映画にありがちな女性の裸がダイレクトに出てくる訳ではない。当然、成人指定やR指定になるような性描写は無いが、英単語が幾つか解るようになり性的知識も増えてくると、悪霊の趣味も「理解」するようになった。子供の頃は怨霊が何を考えているのか掴み所が無かったが、中高生以降になると悪霊の意図や戦術も把握できるようになった。
 
 そのため、子供のころはヒロインのパメラ・フランクリン氏(余談1)を単にワガママで情緒不安定なキャラにしか見えなかったが、中高生になると実際にクラスメイトに性格や所作がソックリな女の子がいてパメラの演技に親近感をおぼえるとともに、発情する少女特有の艶っぽさと悪霊の卑猥目線がAV以上に淫靡さを醸し出しているのを感じるようになった。
 中年の助平親父になってしまった今は悪霊のベラスコのほうに感情移入してしまう。
 
 特殊効果や刺激のあるシーンに頼りがちな近頃のアメリカ製映画とは違い、見事にカメラワークと俳優の演技だけで恐怖と「淫美」な空間を創りだした秀作だろう。
 
(余談1)パメラ・フランクリン氏は私の好きな女優の一人だ。が、この作品以降はお目にかかれない。数年後の「巨大生物の島」やアメリカの刑事ドラマに脇役で出演しているのを見ただけである。今どうしているのだろうか? 「ヘルハウス」のときは20歳過ぎ、還暦前の彼女が出演している作品を観てみたいものだ。
 
 噂によると結婚して引退したとの事。しかし、イギリスで売られている「ヘルハウス」のDVDには彼女の解説が収録されているらしいので、芸能界とのつながりは完全には切っていないのだろう。カムバックしてくれないかな。
 
 共演者のゲイル・ハニカット氏、本作でベラスコの妖気に発情して真夜中の屋敷を徘徊する美人妻を演じている女優だが、後に有名なジェレミー・ブレッド氏主演「シャーロック・ホームズ」シリーズ記念すべき第1話「ボヘミアの醜聞」でホームズの好敵手にして勝利者エレーナ・アドラーに扮する。男装して不敵にもホームズの居場所を突き止め、ホームズ本人に「Goodnight, Mr.Sherlock Holmes」と挨拶して去って行く様は男装のタカラジャンヌのようで格好いい。
 

 
晴雨堂スタンダード評価
☆☆☆☆ 優
 
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コメント

そう、淡々と

 拙ブログへの訪問、ありがとうございます。

 こちらの記事の内容に、全くもって同感です。この淡々としたドキュメンタリー・タッチの重苦しさ、カメラ・ワークでの緊迫感の積み重ね。こけおどし的ホラーしか知らない人には、新鮮な恐怖だと思います。

Re: そう、淡々と

自由人大佐殿、ご訪問ありがとうございます。

 あの雰囲気はハリウッドのアメリカ人には無理ですね。それにパメラが純で可愛い。たしかあの時で23歳・子持ちだったと思います。

>  拙ブログへの訪問、ありがとうございます。
>
>  こちらの記事の内容に、全くもって同感です。この淡々としたドキュメンタリー・タッチの重苦しさ、カメラ・ワークでの緊迫感の積み重ね。こけおどし的ホラーしか知らない人には、新鮮な恐怖だと思います。

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