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ミカエル晴雨堂の晴耕雨読な映画処方箋

晴雨堂ミカエルの飄々とした晴耕雨読な映画処方箋。 体調に見合った薬膳料理があるように、 料理に合う葡萄酒があるように、日常の節目に合った映画があります。映画の話題をきっかけに多彩な生活になれば幸いです。詳しいレビューは「続きを読む」をクリックしてください。

「原子力潜水艦浮上せず」 絶望から脱出しよう〔25〕  

原子力潜水艦浮上せず
なんと!
デビッド・キャラダイン主演のメジャー映画。

 

 
【原題】GRAY LADY DOWN
【公開年】1978年  【制作国】亜米利加  【時間】111分  
【監督】デヴィッド・グリーン
【原作】デヴィッド・ラヴァリー
【音楽】ジェリー・フィールディング
【脚本】デヴィッド・ラヴァリー フランク・ローゼンバーグ ジェームズ・ホィッテカー ハワード・サックラー
【言語】イングランド語         
【出演】チャルトン・ヘストン(ブランチャード艦長)  デビッド・キャラダイン(ゲイツ大佐)  ネッド・ビーティ (ミッキー大尉)  ローズマリー・フォーサイス(ヴィッキー)  ステイシー・キーチ(ベネット大佐)  スティーヴン・マクハティ(マーフィ)  ロニー・コックス(サミュエルソン副長)  クリストファー・リーヴ(原潜クルー)   
 
【成分】パニック 勇敢 切ない 悲しい 海難 潜水艦
 
【特徴】漁船と衝突して大破した原潜乗組員を救助すべく奮闘する海の男たちの物語。アメリカ海軍支援のもとで撮影、救助用の機材は本物が使われている。(ゲイツ大佐の潜航艇は実際にあるのかは知らないが)
 ここでの見どころは、大御所俳優チャルトン・ヘストン氏とハリウッド初のカンフー俳優デビッド・キャラダイン氏の2人が並んで主役であること、それから本作直後の「スーパーマン」でブレイクする事になるクリストファー・リーヴ氏がチョイ役で出演している。
 
【効能】危機に直面した時、努めて楽観的に振舞う艦長の姿と、身を挺して仲間を救おうとするゲイツ大佐と副長の姿に感涙。
 
【副作用】完璧なハッピーエンドではないので、痛快娯楽を求める人には後味悪し。
 
下の【続きを読む】をクリックするとネタバレありの詳しいレビューが現れます。記事に直接アクセスした場合は、この行より下がネタばれになりますので注意してください。  
海難モノ映画の佳作
 
 チャルトン・ヘストン氏主演の映画と記憶しているファンは多いと思う。潜水艦モノ・海洋パニック物の秀作である。近年、軍艦が民間船舶に追突して沈没させる人災が多発しているが、この映画もそんな海難事故がテーマであり、しかも原潜の方が沈没してしまうのである。アメリカ海軍の積極的な協力を得て臨場感あるリアルな映像が創られた。

 さて、この映画には「燃えよ!カンフー」「キル・ビル」で有名なデビット・キャラダイン氏もチャルトン・ヘストン氏と並んで主役をはっている。沈没する原潜の艦長役がヘストン氏で、救出活動をする特殊潜航艇の艇長役がキャラダイン氏だ。キャラダイン氏はどちらかといえばB級アクションの出演が多く、大スターというよりは性格俳優といった感じで、マニアックなファンが多い。その彼がアメリカを代表するタカ派の大御所俳優と共演する訳だから、メジャー映画出演という事になる。(余談1)

 物語は任務を終えて帰路についている原潜の和やかな雰囲気から始まる。帰港したらブランチャード艦長は昇進して現場を離れ、次期艦長には副長が繰り上がることが決まっていた。艦内では2人の指揮官の栄転を讃えるチョットしたアトラクションが行なわれ、艦長と副長はお互いを讃えあい笑いがあった。
 そこへ貨物船が衝突、原潜は事前に貨物船の位置を把握していたので、結局は艦長の采配ミスだろう。艦は損傷して深海へと沈没、衝撃で死傷者が出る。艦長はうろたえる事なく冷静に部下からの報告を聞き現状把握に努めテキパキと指示を飛ばすが、副長の様子がおかしくなり艦長への嫌悪感を隠さなくなった。(余談2)
 一方、原潜遭難の報せを受け、救助隊に合流する2人の海軍士官がいた。キャラダイン氏扮する髭面のゲイツ大佐とその部下で退役間近そうな老大尉である。特殊潜航艇を操るスペシャリストのようで、現場で自由に判断できる権限があるらしく救助隊指揮官は渋々ゲイツ大佐の行動を認める。

 鉄の棺桶と化した深海の原潜から如何に生存者を救い出すか、沈没原潜内と海上の救助隊母艦での主要人物たち各々の立場から出る正当な主張のぶつかり合いが良き物語を奏でる。
 また、ゲイツ大佐が操る潜航艇が実際に海軍で使われているかどうかは未確認だが、潜水艦のハッチにドッキングして乗組員を海上へ運ぶカプセルは本物らしい。アメリカ海軍の全面協力によって実現したリアルな映像は必見だろう。当時はCG無しの特撮によるリアリズムなので、スタッフや俳優たちの職人技とも思える技術を観てほしい。

 衝突の衝撃で壁や機械に激しく顔をぶつけて倒れるクルーや溺死したクルーの表情など、ハリウッドのパニック映画は贅を尽くした豪華なセットだけではなく、それに見合った俳優たちの生々しい演技で魅せてくれる。
 逆に邦画のパニック作品は何故か臨場感が無い。これは何故だろうか? けっしてダイコン役者ではないにも関わらず緊迫感の欠如を観ると、俳優の演技力以前に何か文化的な背景があるかもしれない。

 チャルトン・ヘストン氏が涙ぐむ場面がある。これは彼の数多い作品の中でチョットした異例の場面だ。

(余談1)この作品では珍しく髭面、けっこう体毛が濃い。「燃えよ!カンフー」では毛の薄い人物だったが。さては、体毛の薄いモンゴロイドになりきるため、腕毛・胸毛・頬髭・モミアゲを剃っていたな。眩しくもないのに目を細めたりしていたし。
 
(余談2)この作品には「スーパーマン」でブレイク直前のクリストファー・リーヴ氏もチョイ役として出演している。手元にソフトが無いので確認できないが、私の記憶が正しければ、衝突事故のあと艦長に水と食糧の備蓄量を報告する若い士官に扮していたように思う。
 「艦長、牛肉2週間分、野菜10日分・・」
 「ああ、判った判った、当分は大丈夫だな」
たしか、こんなやり取りだったと思う。エキストラに毛の生えたチョイ役だった。
 
 それにしても、原潜と漁船が衝突したら普通は漁船が沈没して原潜は小破程度のように思うが。漁船に比べて軍艦は遥かに頑丈に造られている。
 
晴雨堂スタンダード評価
☆☆☆☆ 優
 
晴雨堂マニアック評価
☆☆☆☆ 名作

 
晴雨堂関連書籍案内
原潜919浮上せず (ハヤカワ文庫NV) デイヴィッド ラヴァリイ 原作
 

 

 
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