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ミカエル晴雨堂の晴耕雨読な映画処方箋

晴雨堂ミカエルの飄々とした晴耕雨読な映画処方箋。 体調に見合った薬膳料理があるように、 料理に合う葡萄酒があるように、日常の節目に合った映画があります。映画の話題をきっかけに多彩な生活になれば幸いです。詳しいレビューは「続きを読む」をクリックしてください。

「ターミネーター」 カップルで泣きたい時に〔21〕 

ターミネーター」 サイボーグ映画の金字塔
 


【原題】The Terminator
【公開年】1984年  【制作国】亜米利加  【時間】128分  
【監督】ジェームズ・キャメロン
【音楽】ブラッド・フィーデル
【脚本】ジェームズ・キャメロン ゲイル・アン・ハード
【言語】イングランド語
【出演】アーノルド・シュワルツェネッガーターミネーター)  マイケル・ビーンカイル・リース)  リンダ・ハミルトンサラ・コナー)  ポール・ウィンフィールド(エド・トラクスラー警部補)  ランス・ヘンリクセン(ブコヴィッチ)  アール・ボーエン(ドクター・シルバーマン)  ベス・モッタ(ジンジャー)  リック・ロソヴィッチ(マット)  ディック・ミラー(銃器屋の主人)  ビル・パクストン(パンク)  ブライアン・トンプソン(パンク)  ショーン・シェップス(ナンシー)

【成分】泣ける 悲しい パニック 不気味 勇敢 絶望的 切ない SF 2029年 1984年

【特徴】シュワちゃんの俳優としての地位を不動のものにしたB級傑作といわれているが、同時にマイケル・ビーン氏、リンダ・ハミルトン氏、そしてジェームズ・キャメロン監督にとっても出世作である。あとから気がついたが、下積み時代のビル・パクストン氏が脇役で出演、若い。
 なお、ターミネーターが何故サイボーグであるかの私の見解は追記(【続きを読む】をクリック)にて述べる。

【効能】カイル・リースのストイックで一途な純愛、サラ・コナーの逞しい母性、ターミネーターの強靭な体格と無表情にパワーをもらえる。佳境以降はもらい泣きの連続。

【副作用】ホラー的なスプラッタも多少あるので、血を見るのが嫌な方は気分が悪くなる。

下の【続きを読む】をクリックするとネタバレありの詳しいレビューが現れます。記事に直接アクセスした場合は、この行より下がネタばれになりますので注意してください。  
監督と主演者たちにとって
記念碑的金字塔


 ジェームズ・キャメロン氏初監督作「殺人魚フライングキラー」では、セットは揃っていないは脚本は勝手に書き換えられるは散々だった。クリエイターにとって、自分の作品を勝手に「修正」いや大幅に書き換えられるなんて屈辱の極である。傷心のキャメロン監督は寝込んでしまったようだが、その時に浮かんだアイディアがこのターミネーターという噂がある。

 この作品には新機軸がある。1つはサイボーグを生きた組織で被っているターミネーターの描写だ。それ以前はロボットそのものだったり、特殊な素材で人間ソックリにしている描写だったが、今回は明確に生体組織でメカを包んで人間そのものに見せている設定が光っている。(余談1)
 その役にはアーノルド・シュワルツェネッガー氏(字数節約のため以下シュワちゃん)が扮しているが、これは当たり役だった。シュワちゃん本人も俳優としてのキャラを十二分に考えて引き受けた悪役だ。人間離れしたボディビル体型で「コナン」シリーズ(余談2)の主人公でブレイクするも、イマイチ英語台詞が不得手という事と、筋肉化物のような強烈なイメージが強くて一発屋で終わる可能性もあった。自分の欠点を逆手にとって、無表情のサイボーグ役を選んだのは正解だった。

 この作品でシュワちゃんが空前のブレイクを果たし、以後ヒット作に恵まれることになるが、監督や他の出演者にとっても人生の転機的な作品となる。キャメロン監督はまだ30歳くらいだ。マイケル・ビーン氏もリンダ・ハミルトン氏も監督とほぼ同世代俳優。マイケル・ビーン氏の華奢でストイックなイメージがファンに大好評、「エイリアン2」のヒックス伍長役につながる。ダサくてドジな女子大生から悲壮感と逞しさを備えた女傑へと変化する姿を好演したリンダ・ハミルトン氏も女優としてのキャリアが上がる。
 当時のシュワちゃんも30代半ば、作品の主要部を占める監督と主役たちが伸び盛りの若さというのは、B級映画の特徴の1つだ。

 サイボーグが登場する映画や、終末論をイメージした映画も、機械が叛乱を起こして人類を滅ぼすネタも、「ターミネーター」が初めてではない。(余談3)これらのネタは使い古されているといっても良い。にも関わらず「ターミネーター」は新しさに満ち、開祖的な存在になっている。
 物語の設定や構成力もさることながら、魅力的な主人公たちと強烈な悪役が活きて新機軸を作り出し、ヒットにつながった。これを低予算で行ったのがさらに評価を上げる。
 これまで多くのサイボーグ映画が制作されてきたが、間違いなく「ターミネーター」は映画史に残るだけでなく、色褪せずに輝き続ける金字塔だ。

(余談1)生きた組織で被っているので、傷つけば一応出血するし、化膿すれば臭いも放つ。主人公たちと戦っているうちに、次第に生体組織が剥げて中のロボットの部分が露出していくのも魅せ場だ。その後制作される続編のお約束定番となった。サイボーグにゾンビ的な要素を絡めた事で画期的である。

 潜伏している安宿で、「負傷」した目の部分が腐って蝿がたかり始めた時、不審に思う隣人が怒鳴ってきたら、画面がターミネーター視線に変わり、返答例がいくつか出て臨機応変に状況にあった返答を選択する場面がある。この時代はちょうど一般家庭にパソコンが普及し始めた頃でもあるので、興味深い表現だった。
 当時はまだろくなCGは無かったので、特撮技術の魅せ場である。

(余談2)当然のことながら「未来少年コナン」でも「名探偵コナン」でもない。戦前に活躍したSF作家ロバート・E・ハワード氏のヒロイックファンタジー小説のコナンである。紀元前1万年くらいの時代が舞台。

(余談3)「ウエストワールド」「未来世界」のユル・ブリンナー氏がターミネーターのような殺人ロボットを好演している。
 

「サイボーグ」についての私の見解
 サイボーグは生身の人間をベースにした機械化人間を指すのであって、ターミネーターはアンドロイドというべきだ、との指摘もある。
 私もむかし生体の一部分が機械化したのがサイボーグと聞いた。単純にそれだけがサイボーグとロボットを分かつ定義であれば、ターミネーターはサイボーグになる。何故なら作中でメカはタイムトラベルできないという設定があり、そのためターミネーターも骸骨のようなメカに筋肉や血管や皮膚などの生きた組織で被って「生物」として転送されたからだ。
 また、人間がベースという定義なら、「ロボコップ」も殉職警官のまだ活きている脳細胞を使っている事からロボットではなくサイボーグとしなければならない。実際に作中でサイボーグと称しているところがある。その一方で大半が機械でほんの一部に生体を使っているからロボットだという理屈もある。
 ようするに、私は批判を否定はしないが、自分の意見も誤っているとは断じて思わない。しっかりとした定義は国際的な学者会議で行って、科学と言語学のレベルで取り決めて国際条約で法的コンセンサスを得てくれ。それまでは俺の解釈は正当である。

晴雨堂スタンダード評価
☆☆☆☆ 優

晴雨堂マニアック評価
☆☆☆☆☆ 金字塔





 
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