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ミカエル晴雨堂の晴耕雨読な映画処方箋

晴雨堂ミカエルの飄々とした晴耕雨読な映画処方箋。 体調に見合った薬膳料理があるように、 料理に合う葡萄酒があるように、日常の節目に合った映画があります。映画の話題をきっかけに多彩な生活になれば幸いです。詳しいレビューは「続きを読む」をクリックしてください。

「黄色い大地」 カップルで泣きたい時に〔1〕 

黄色い大地」 
少女の切なさに感涙 
中国語学習者にとっては素晴らしい教材

   
黄色い大地
黄色い大地 [DVD]
 
【原題】黄土地
【英題】Yellow Earth
【公開年】1984年  【制作国】中華人民共和国  【時間】94分  
【監督】陳凱歌
【原作】柯藍
【音楽】趙季平
【脚本】張子良
【言語】中国語   
【出演】薛白(翠巧)  王学圻(顧青)  劉強(弟)  譚托(父親)    
 
【成分】泣ける 悲しい 切ない 淡い恋愛 30年代 黄河 日中戦争
 
【特徴】雲一つ無い青空と荒涼とした広い黄土、まるで火星の風景みたいな所にしがみつく貧しい村人たち。そこへ新しい風を送り込みにやってきた若者がやってくる。自分の将来に夢を抱けないヒロインは若者に希望の光をみるが、その少女の表情が切ない。
 中国語学習者にとっては、参考になる会話例が盛り沢山。
 
【効能】少女の可憐さ儚さに涙する。
 
【副作用】だだっ広い風景の長まわしが続くので退屈で眠くなる。。
 
下の【続きを読む】をクリックするとネタバレありの詳しいレビューが現れます。  
我一定再来(必ずまた来る)
 
 雲一つ無い青空と荒涼とした広い黄土、まるで火星の風景みたいな所にしがみつく貧しい村人たち。そこへ一人の教養のありそうな若い兵士がやってくる。毛沢東ひきいる八路軍の兵士だった。女性を人身売買するかのような村の結婚式を暗い表情で眺める14歳の少女にとって、この兵士は希望の光だったが・・。

 中国映画の中で最も思い出に残る映画だ。監督は陳凱歌氏(「始皇帝暗殺」)、そしてカメラマンは張藝謀氏(「ヒーロー」「あの子を探して」)。いまやこの2人は世界的に著名なエンタメ映画監督だ。
 風と土漠の黄色い大地を広角レンズで撮るシンプルな構図、そこで生活する人々が小さく映し出され、農民たちが即興で口ずさむ歌を絡めて物語は進む。(余談1)
 多くの人々は主人公の八路軍(便宜的にいえば毛沢東率いる共産党軍)兵士に感情移入するだろう。ヒロインに自分を重ねる女性も少なくないかもしれない。
 
 兵士は社会主義啓蒙活動のために善意でもって貧しい村を訪れるが、結局は女の子一人助けられなかった。村の掟で人身御供に近い形で嫁がされるヒロインは八路軍に加わって自由になりたいと兵士に訴えるが、彼は規則でできないと言う。(余談2)
 
 あの時の台詞は今でも覚えている。寒風が吹きすさぶ荒涼とした広い黄土で2人は向き合う。ヒロインは「改改規則!(規則を変えて!)」と言う。兵士は規則の下で闘っているから勝手にはできないと断り、許可をもらってから「我一定再来(必ずまた来る)」(余談3)と答える。去っていく兵士の後ろから、少女の歌声がこだまする。季節が変わって律儀に兵士は村を再度訪れるが・・・。
 ラストは心を揺さぶられて泣いてしまった。 
 
(余談1)八路軍兵士が村人を前にして自己紹介したり、ヒロインの家に泊まって挨拶する場面など、基礎から中国語を勉強する人にとっては参考になる台詞が沢山でてくるので教材に適しているかもしれない。 
 
(余談2)八路軍兵士の描き方には旧来の共産党宣伝映画の名残りがある。兵士が農作業を手伝う場面で、ヒロインの父親よりも牛の扱いが上手く、種まきが早く終わる。以前の人民中国映画は共産党の英雄たちをやたらスーパーマンに描く事が多かった。本作では、ヒロインの苦境を助ける事ができず、人民中国映画としては画期的なリアリティだ。
 当局が「黄色い大地」にあまりクレームをつけなかったのは、ラストで律儀に来訪した兵士によって共産党の誠意がリアルになり、力が及ばなかったが努力は続けた姿で党の宣伝になるからかもしれない。
 
 兵士がヒロインの家を訪れた時、暗い土間にいた少女の大きく光る鋭い目が印象に残っている。むかし「誰ために鐘は鳴る」でゲイリー・クーパー氏がスペイン共和派の山賊アジトを訪れた時、イングリット・バーグマン氏が鋭い瞳でクーパー氏を睨み付ける場面がある。シチュエーション的によく似ている。
 
(余談3)当時文通していた中国のペンフレンドと万が一恋仲になったら、別れ際に「我一定再来」を使おうとなどと陳腐な事を考えた。
 

  
晴雨堂スタンダード評価
☆☆☆☆ 優
 
晴雨堂マニアック評価
☆☆☆☆☆ 金字塔

 

 
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