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ミカエル晴雨堂の晴耕雨読な映画処方箋

晴雨堂ミカエルの飄々とした晴耕雨読な映画処方箋。 体調に見合った薬膳料理があるように、 料理に合う葡萄酒があるように、日常の節目に合った映画があります。映画の話題をきっかけに多彩な生活になれば幸いです。詳しいレビューは「続きを読む」をクリックしてください。

「チャーリーとチョコレート工場」 家族と一緒に愉快になろう〔8〕 

チャーリーとチョコレート工場
白塗りジョニー・デップの怪演が光る

 

 
【原題】Charlie and the Chocolate Factory
【公開年】2005年  【制作国】亜米利加  【時間】115分  
【監督】ティム・バートン
【原作】ロアルド・ダール
【音楽】ダニー・エルフマン
【言語】イングランド語
【出演】ジョニー・デップ(ウィリー・ウォンカ)  フレディ・ハイモア(チャーリー・バケット)  デヴィッド・ケリー(ジョーじいちゃん)  ヘレナ・ボナム=カーター(バケット夫人)  ノア・テイラー(バケット氏)  ミッシー・パイル(ボーレガード夫人)  ジェームズ・フォックス(ソルト氏)  ディープ・ロイ(ウンパ・ルンパ)  クリストファー・リー(ドクター・ウォンカ)  アダム・ゴドリー(ティービー氏)  アンナソフィア・ロブ(バイオレット・ボーレガード)  ジュリア・ウィンター(ベルーカ・ソルト)  ジョーダン・フライ(マイク・ティービー)  フィリップ・ウィーグラッツ(オーガスタス・グループ)  リズ・スミス(ジョージナおばあちゃん)  アイリーン・エッセル(ジョゼフィーンおばあちゃん)  デヴィッド・モリス(ジョージおじいちゃん)     
 
【成分】楽しい ファンタジー ゴージャス 不思議 パニック かわいい コミカル ミステリー 童話 
 
【特徴】色彩豊かでファンタジックでどこか不気味なチョコレート工場に招待された子ども達の物語。ホストのジョニー・デップ氏がどこか妖怪のような妖気を漂わせているが、実はただの天才変わり者。家族団欒で少し緊張しながら観ると良いだろう。
 それにしてもジョニーは「シザー・ハンズ」をはじめ白塗り役が多い。
 
【効能】知的好奇心をくすぐられる。
 
【副作用】ウィリー・ウォンカが意外にまともな人間だったのでガッカリ。
 
下の【続きを読む】をクリックするとネタバレありの詳しいレビューが現れます。記事に直接アクセスした場合は、この行より下がネタばれになりますので注意してください。  
意外に素直な童話で拍子抜けだった。

 原作を知らなかったので、予告編を観た限りでは楽しいファンタジーを装った残酷ホラーだと思った。チョコレート工場は実は巨大な化物で、チョコレートを餌に子供たちを誘い出しては喰らう。白面の不気味な工場主ウォンカは人と会うために化物が作り出した仮の姿、誘い出された5人の子供たちは一人また一人と喰われていく。(余談1)

 そんな物語を想像していたので、実際に観るとスタンダートな子供向けハッピーエンドの童話だったので拍子抜けした。誰一人死者はでないし、不気味なウォンカ工場主は父親と少しうまくいっていない反抗期の少年のまま大人になった「人間」だった。
 登場人物のキャラ設定もいたって定番、「ドラえもん」のジャイアンやスネ夫を彷彿させる男の子や、少女漫画に登場しそうな生意気な女の子に我がままな女の子、主人公は貧しい家庭に育ったが親思いの「良い子」だ。子供たちはチョコレート工場へ見学に行って、日頃の悪い行いが仇となり一人ずつ懲らしめられていく。最後に残った主人公が幸福を掴むという実に解りやすくてありきたりな物語、多少はブラックユーモアで不気味だが幼児が観るのに丁度良い映画だろう。(余談2)

 いや、まて。厳密には勧善懲悪的な物語ではない。たしかに懲らしめられる子供たちは日頃の素行が良くない。しかしそれは親の躾がなってなかったゆえに我欲が素直に出てしまっただけで、子供にあまり責任は無い。問題は、懲らしめられる子供たちの眉をひそめる素行で目立ってはいないが、「良い子」のはずの主人公が「不正行為」をして工場見学のチケットを得ている点だ。父親が職場で生産される製品の一部をちょろまかすのに倣ってか、彼もちょろまかしをやったのである。

 子供たちは日頃の素行に相応しい形で酷い目に遭うのだが、映画だから笑い話になるのであって実際に同じ目に遭ったら大変だ。で、その子供たちは別段違法行為をしたわけではない。明らかに法に抵触する反則を行なったのは「良い子」であるはずの主人公だ。私はきっとこの「不正行為」が伏線となって、幸運を掴みかけたラストで奈落に突き落とされるようなドンデン返しが必ずあるものと期待していた。しかし無事に大団円に終わった。

 多くの童話は子供たちに夢を与えるものであるのと同時に教訓もふくんでいる。では、この「チャーリーとチョコレート工場」の教訓とは何だろうか? 主人公以外の子供たちは確かに日頃の言動に相応しい形で笑い事ではない「罰」を受けた。だが、明らかに「犯罪」をやってしまった主人公は幸運を掴んでしまう。これではあまりに不公平で、下手をすれば万引きや置き引きを肯定しかねない。
 「出る杭は打たれるので慎ましく「良い子」として振る舞い、弱肉強食の社会では家族だけが最後の味方なので大切にし、チャンスを目の前にしたら自分のため家族のために幸運を掴み盗れ」という人生訓なのだろうか? 

(余談1)むかし、邦画に「ザ・ハウス」というのがあった。遊びにきた女の子たちが次々と家に喰われてしまう物語だ。あれは些か笑えないギャグの連続とチープな特撮の連続だった。少しお色気のある本格ホラーとしてリメイクしてほしい作品である。

(余談2)ジョニー・デップ氏の怪演はいつもながら素晴らしい。蒼白の不気味男がよく似合う。思えば、彼が演じるキャラクターは殆ど変人ばかりだ。格好良い単純なアメリカンヒーローは居ない。
 ハリウッドのメジャー作品に出演する群衆エキストラや子役の演技も、邦画とは比べ物にならない。なにしろ邦画は金をかけたメジャーでもダイコンがいるからだ。
 因みに勝気なガム噛み少女アンナソフィア・ロブ氏は「リーピング」でヒロインとなる。子役はあっという間に大きくなってしまうのだな。
 
晴雨堂スタンダード評価
☆☆☆☆ 優
 
晴雨堂マニアック評価
☆☆ 凡作

 
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チャーリーとチョコレート工場 オリジナル・サウンドトラック
HOUSE [DVD] 大林宣彦
「HOUSE」は池上季実子氏、大場久美子氏ら70年代後半のアイドル美少女たちが主演したホラー映画。マニアには希少価値あり。大林宣彦氏の映画監督デビュー作だったかな。

晴雨堂関連書籍案内
チョコレート工場の秘密 (ロアルド・ダールコレクション 2)
Charlie And the Chocolate Factory 洋書
 

 

 
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チャーリーとチョコレート工場 ~Charlie and the Chocolate~ 監督: ティム・バートン 出演:  ジョニー・デップ、フレディ・ハイモア、デヴィッ...
[2009/06/27 23:31] 映画@見取り八段
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