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ミカエル晴雨堂の晴耕雨読な映画処方箋

晴雨堂ミカエルの飄々とした晴耕雨読な映画処方箋。 体調に見合った薬膳料理があるように、 料理に合う葡萄酒があるように、日常の節目に合った映画があります。映画の話題をきっかけに多彩な生活になれば幸いです。詳しいレビューは「続きを読む」をクリックしてください。

「禁断の惑星」 家族と一緒に考えよう〔13〕 

禁断の惑星
スタートレック」の原型となったSF傑作

 


【原題】FORBIDDEN PLANET
【公開年】1956年  【制作国】亜米利加  【時間】98分  
【監督】フレッド・マクロード・ウィルコックス
【原作】アービング・ブロック アレン・アドラー
【音楽】ルイス・アンド・べべ・バロン
【脚本】シリル・ヒューム
【言語】イングランド語
【出演】ウォルター・ピジョン(モービアス博士)  アン・フランシス(アルティラ)  レスリー・ニールセン(アダムス中佐)  ウォーレン・スティーヴンス(オストロ軍医大尉)  ジャック・ケリー(ファーマン大尉)  リチャード・アンダーソン(兵曹長)  アール・ホリマン(コック)         
【成分】不思議 パニック 不気味 知的 セクシー かわいい サスペンス SF
    
【特徴】当時、子供が親しむ幼稚な活劇の位置づけだったSFを、心理学なども取り入れて大人の鑑賞に堪えうるものにしたのが本作である。後の「スター・トレック」や日本の「宇宙戦艦ヤマト」にも影響を与えたSF映画の金字塔である。
 前述のように、現代では定番だが当時は最新のアイディアである深層心理にメスを入れた内容に加え、太古に滅んだ異星人の音楽をこれまた当時発展しつつあった電子音楽で表現している。
 
【効能】知的好奇心を刺激する。真夏の夜中に観るとムード満点。
 
【副作用】現在のCG映像にしか価値を求めない人には古臭くて退屈。
 
下の【続きを読む】をクリックするとネタバレありの詳しいレビューが現れます。記事に直接アクセスした場合は、この行より下がネタばれになりますので注意してください。  
50年代を代表するSF映画の金字塔。
 
 SF映画ファンなら御存知のように、50年代を代表する作品であり後のSFドラマ「宇宙家族ロビンソン」や「スタートレック」へ明らかに強い影響を与えた金字塔作品である。いわばSF映画史を語るに外せない作品がこれだ。
 
 公開年は1956年だから第二次大戦終了後わずか11年である。当然、当時の特撮技術にCGは無い。撮影はたぶん全てスタジオで行なわれ、背景イラストとの合成で画面に奥ゆきを持たせている。このイラストは昔の図鑑で描かれた某惑星の風景画のようだ。宇宙船のデザインは当時流行っていたアダムスキー型円盤、機械類も古さを感じさせる。しかしCGに慣れてしまった現在の映画ファンには当時の特撮は手作り感があって好感を持つ人も多いだろう。BGMには当時としては斬新な電子音楽が使われ、泡の音に似た効果音とも音楽ともつかない不思議な音色が惑星の不気味な雰囲気を盛り上げている。
 DVDパッケージのイラストにある万能ロボット・ロビーは気を失った半裸の美女を抱きかかえて些か恐ろしげなイメージもあるが、作中ではコミカルな動きをして一種のマスコット的なキャラだ。探知活動や思考活動をすると頭の透明部分から覗くメカが動く凝った仕掛け、このロボットのイメージも後に「スター・ウォーズ」のR2D2や「ヤマト」のアナライザーなどに影響を与える。
 科学設定では戦後流行った深層心理モノを取り入れ、台詞回しは無駄が無くテンポ良くウイットに富んでいて飽きさせない。不自然で無理のある台詞も間抜けで幼稚な台詞も無く、脚本の完成度も極めて高い。
 ざっと見渡してみると、古さゆえに現代の映画ファンにはチャチな映像に見えるかもしれないが、当時の技術ではかなり手の込んだ映画づくりをしているのが判る。

 主役はレスリー・ニールセン氏。宇宙船の船長役(余談1)である。今の映画ファンにはお笑いの老俳優のイメージが強いだろうが、この作品では真面目で渋い二枚目船長役であり、彼にとってはデビュー作か初カラー作だったのではないかと思う。当時まだ30歳だったはずだが、40代のような貫禄を見せている。
 ヒロインのアン・フランシス氏はまだ20代前半、超ミニスカート姿で白い美脚を披露している。(余談2)

 台詞回しの妙技を楽しんだり、特撮の職人技を愛でたり、老俳優たちの若き日を懐かしんだり、古さを新鮮に感じたりなど、様々な楽しみ方ができる作品である。
 
(余談1)作中では船長を「Captain」ではなく「Commander」と呼んでいる。海軍方式だと中佐だ。副長的な立場の2人の士官を「Lieutenant」と呼んでいるので、たぶん大尉だ。ところが字幕では「中尉」となっている。もちろん、海軍中尉は「Sub-Lieutenant」と呼称し、話し言葉でサブを省略することがあるが、船長の補佐をしたり船長不在時の指揮を任されているので大尉だろう。キャスト表も海軍大尉をあらわす「Lt.」の略記号があった。

(余談2)惜しげもなく美脚を魅せるファッションが当時としては「未来的」か。庭の広い池で全裸姿で泳ぐ場面があるが、チラホラと胸を隠す淡い肌色の水着が覗いている。しかし台詞を聞く限りでは全裸という設定だ。膝が見えただけで「ミニスカート」と分類していた当時の風俗を考えれば、世論の反発を考慮してのことかもしれない。この映画は子供から大人まで楽しめる作品として制作されたのだから。
 もし21世紀初頭の世でリメイクされたら、迷わずヘアヌードだろう。


 
晴雨堂スタンダード評価
☆☆☆☆ 優
 
晴雨堂マニアック評価
☆☆☆☆☆ 金字塔

 
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