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ミカエル晴雨堂の晴耕雨読な映画処方箋

晴雨堂ミカエルの飄々とした晴耕雨読な映画処方箋。 体調に見合った薬膳料理があるように、 料理に合う葡萄酒があるように、日常の節目に合った映画があります。映画の話題をきっかけに多彩な生活になれば幸いです。詳しいレビューは「続きを読む」をクリックしてください。

「Uボート 最後の決断」 突込みどころを楽しもう〔2〕 

Uボート 最後の決断
トーマス・クレッチマン
ハリウッド初本格主演作か?

 

  
【原題】IN ENEMY HANDS
【公開年】2004年  【制作国】亜米利加  【時間】98分  
【監督】 トニー・ジグリオ
【音楽】スティーヴン・ブラムソン
【脚本】ジョン・E・ディーヴァー トニー・ジグリオ
【言語】イングランド語 ドイツ語     
【出演】ウィリアム・H・メイシー(ネイト・トラバース兵曹長)  ティル・シュヴァイガー(ヨナス・ヘルト大尉)  スコット・カーン(ランド・サリバン少佐)  トーマス・クレッチマン(ゲルハルト・クレマー中尉)  ローレン・ホリー(レイチェル・トラバース)     
 
【成分】勇敢 絶望的 ヒューマン 潜水艦 第二次大戦
 
【特徴】トーマス・クレッチマン氏がハリウッドの戦争映画でおそらく初の善玉主役を演じる。内容はともかく、クレッチマン氏のハリウッドにおける地位が上がったことを示す作品だ。
 
【効能】ヒューマンな内容で安心、家族団欒でも観賞できる。
 
【副作用】些か古風でクサイ場面がある。時代考証に厳しい人や軍事マニアが見たら思わず笑ってしまうくらいデタラメが多い。あまりのムチャクチャ表現に不快感を感じる者もいるかもしれない。
 
下の【続きを読む】をクリックするとネタバレありの詳しいレビューが現れます。  
名優たちが奏でるB級戦争ショー
 
 善し悪しは別にして潜水艦モノが好きなので観た。1960年代のTVドラマ「コンバット!」を潜水艦モノにしたら、こんな作品になるのだろう。ただ、内容のわりには贅沢に個性派俳優を使っている。
 
 これから述べる「突っ込みどころ」の割にはリアリティーがあるのは、ドイツ人はドイツ語、アメリカ人は英語、Uボートの薄暗くて不潔で窮屈な艦内と、アメリカ潜水艦の明るくて広くて清潔で快適そうな艦内の対比も時代考証通り(細かい間違いは多々あるが)に表現しているためだ。それと、ドイツ軍とアメリカ軍をイーブンで描いているのが、稚拙な描写を和らげている。
 
 が、どうしても首を傾げる部分は多い。数え上げればキリがない。しかしこの作品の意図は戦争ショーを楽しむものだから、「Uボート」や「K-19」のリアルさを求めるのは野暮なことだろう。とは言え、子供向けTVドラマではなく、一応は万人向けに銭かけて撮った映画だから、もう少し何とかならんかったのか?
 
 物語の構成や設定に無理があるのは無視できるが緊迫感が無さ過ぎ。まだTVシリーズの「スタートレック」や「原潜シービー号」の方が緊迫感がある。
 それから、Uボートの僚艦を指揮する艦長たちの格好、なんで晴着を着ているのか? 立ち襟カラーにネクタイに冬のジャケット(それも色が違う)、Uボート乗りに晴着を着る余裕は無い。
 
 仮に「男たちの大和」で同じ事をしたら、さしずめ伊藤長官役の渡哲也氏が幕末の官軍のごとく陣笠に蝶ネクタイにフロックコート姿で艦橋に立ち、周囲の参謀たちは第二次大戦時の国防色背広形第3種軍装に邪魔になる日本刀を腰にさし、中には丁髷頭の士官が若干名混じり、艦橋や指揮所の壁には日の丸のほか菊の御紋や葵の御紋などが飾られている。
 
 つまり、この「Uボート 最後の決断」はどれだけギャグしているか。そして失笑を買う映画に、クレッチマン氏らはよく出演したものだ。名優たちのおかげで、デタラメが多い内容であるにも関わらず、それなりに内容のある作品になっている。ハリウッドへの本格進出のため受けたのかな? 「U-571」では単なる敵の艦長役だったが、この作品では主役だ。ハリウッドでのクレッチマン氏の地位向上を示す映画であり、そういう意味では興味深い映画だ。
  
晴雨堂スタンダード評価
☆☆ 可
 
晴雨堂マニアック評価
☆ 駄作

  
晴雨堂の関連作品案内
U・ボート TVシリーズ完全版 [DVD] ヴォルフガンク・ペーターゼン
ラストUボート [DVD] フランク・バイヤー
U-571 デラックス版 [DVD] ジョナサン・モストウ
 

 
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こんにちは。

トーマス・クレッチマンもですが、
それ以外の出演陣も渋い。
このころのウィリアム・H・メイシーは
彼が出ていると言うだけで、
ある程度の作品保証ができていた気がします。
[ 2009/06/02 19:26 ] [ 編集 ]
たしかに、その通りですね。あの作品はかなり馬鹿げたギャグをやっていますが、それなりに見れたのは俳優陣がしっかりしていたからだと思っています。
[ 2009/06/03 00:19 ] [ 編集 ]
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---------Uボートの映画って多くない? 「そうだね。このUボートってドイツ軍の潜水艦。 第二次世界大戦の潜水艦映画を作ると、 これが出てこないわけにはいかないんだ」 ---------でも、空間が限られてるわけだから、 どれもこれも似たような話になるんじゃない? 「うん...
[2009/06/01 23:34] ラムの大通り
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