FC2ブログ

ミカエル晴雨堂の晴耕雨読な映画処方箋

晴雨堂ミカエルの飄々とした晴耕雨読な映画処方箋。 体調に見合った薬膳料理があるように、 料理に合う葡萄酒があるように、日常の節目に合った映画があります。映画の話題をきっかけに多彩な生活になれば幸いです。詳しいレビューは「続きを読む」をクリックしてください。

「UDON」 カップルで愉快になろう〔6〕 

UDON」 讃岐うどんをザルで食いたくなる。
 


【公開年】2006年  【制作国】日本国  【時間】134分  【監督】本広克行
【音楽】渡辺俊幸
【脚本】戸田山雅司
【言語】日本語
【出演】ユースケ・サンタマリア(松井香助)  小西真奈美(宮川恭子)  トータス松本(鈴木庄介)  鈴木京香(藤元万里)  升毅(大谷昌徳)  片桐仁(三島憲治郎)  要潤(青木和哉)  小日向文世(藤元良一)  木場勝己(松井拓富)  江守徹(綾部哲人)  二宮さよ子(馬渕嘉代)  明星真由美(淳子)  森崎博之(牧野)  中野英樹(中西)  永野宗典(水原宗典)  池松壮亮(水沢翔太)  ムロツヨシ(石松)  与座嘉秋(新美)  川岡大次郎(小泉)
               
【成分】笑える 楽しい コミカル 町おこし映画 香川県
            
【特徴】町おこし村おこし映画。香川県を舞台に香川出身の俳優・エキストラが多数参加。本広克行監督自身も香川県出身である。
 世界的コメディアンを目指して海外へ飛び出した主人公が夢敗れて傷心の帰省、ところがヒロインをはじめ故郷の人々と触れ合ううちに、讃岐うどんの味を再確認し人生を取り戻していくという平凡なストーリー展開に香川県ならではのエピソードも加え楽しい雰囲気の作品に仕上げている。
 
【効能】讃岐うどんが食べたくなる。香川県を観光したくなる。
 
【副作用】とってつけたエピソードの羅列でリアリティーが無く、しらける。
 
下の【続きを読む】をクリックするとネタバレありの詳しいレビューが現れます。  
町おこし村おこし映画。

 試みは好意的に観た。私に映画を創る経済力があれば、郷里で郷里ならではの映画を創りたい。全国ヒットする必要はない、郷里だけでウケれば良い。世間では忘れ去られても、郷里では不朽の名作扱いで看板やチラシ・DVDがレンタル屋だけでなく図書館や雑貨屋でも常時置かれている、そんな映画で十分だ。
 私のお気に入りにNHK大河ドラマ「翔ぶが如く」がある。全国では不評でイマイチ視聴率は伸びなかった。政治ドラマであるので話が複雑、しかもリアリティーにこだわったので台詞は方言重視であったのが原因とされている。なにしろ薩摩言葉を多く取り入れ字幕スーパー付なのだ。が、主人公西郷隆盛の郷里鹿児島では80%の視聴率を誇ったと聞いている。
 私はそんな作品も好きなので、この「UDON」で香川県民にはウケるであろう試みの数々(例えば、香川県出身俳優や香川県のテレビでは著名人を多数起用)は良いことだと思っている。本広監督自身が香川の丸亀出身らしい。

 近年、町おこし村おこし映画・ドラマが注目されている。結果として町おこしになった映画は以前からあった。古くは香川県に近い小豆島を舞台にした「二十四の瞳」がある。ドラマ「北の国から」は北海道の田舎町富良野をラベンダーとワインが香るお洒落な観光都市へと変貌させた。そもそも前述のNHK大河ドラマは町おこし的機能を以前から果たしている。取り上げられた主人公ゆかりの土地は放送期間中は観光スポットとして脚光を浴びるのである。様々な問題を指摘されている放送局だが、さすがは天下のNHKだ。

 それが最近では変わりつつある。今までは「中央」のメディアが地方を取上げてくれるのを待つ図式だったのが、地方が積極的に映画という媒体を町おこしに活用する動きへと変わりつつある。松田龍平氏主演「長州ファイブ」は山口県の政財界が積極支援した。松平健氏主演「バルトの楽園」では徳島県が応援し、撮影後のオープンセットは観光名所にした。緒形直人氏主演「草の乱」では秩父の市民有志達が制作に参加協力した。島根県を大々的に宣伝している島根在住のFROGMAN氏のアニメは大ブレイクだ。

 この傾向を私は歓迎している。映画とは総合藝術、分野が多岐に渡っているので裾野が広いから様々な人々が参加できるし応用が利く。映画制作は個人では大きな負担だが、自治体や地方財界の経済力なら十分手が届く。低予算でも評価されればヒットの可能性もある。ヒットすれば、「二十四の瞳」のように小豆島経済を半世紀以上に渡って貢献するのだ。なにより、映画人に活躍の機会が増える、とりわけ地方の映画人や映画制作を志す若者たちに。

 しかしである。映画ファンとして観た場合、「UDON」全編に渡って漂う陳腐さはどうにかならなかったのかと思う。手垢のついたエピソード、不自然で感情移入の難しい展開、いくら試みを支持できても、これでは15秒から30秒のCM制作のほうが安くついた。どうせ創るなら「二十四の瞳」のように長く地元に貢献できる作品にしてほしかった。(余談1)

 この作品は本広監督の肝煎りと自動車メーカーのタイアップなどでできた作品のようで、スポンサーは日産自動車・東洋水産・ローソン。丸亀市の協力はあったようだが香川県の政財界は名を連ねていない。町おこし的映画ではあるが、たぶん制作陣は町おこしを意識しなかったのではないか? 「うどん」を中心に取って付けたエピソードを並べただけの映画という印象を拭う事ができなかった。
 映画を町おこし村おこしとして活用する事を考えている方々は、ぜひ反面教師として鑑賞していただきたい。
 
 最後に、私はどちらかといえば蕎麦派、信州蕎麦が好きである。ただ真夏の暑い日は、コシのある讃岐うどんのザルが食べたくなってしまう。めんつゆに葱と生姜と白胡麻をたっぷり入れて、弾力のあるうどんを浸して一気にすする。ザル蕎麦よりも冷やしうどんのほうが凉がとれると、私は体感している。

(余談1)例えば、主人公はコメディアンを目指して日本を飛び出した設定だった。日本料理に窮屈さを感じパスタ職人としてイタリアで修行した設定のほうが、ありきたりだが無理が無い。コメディアンの設定なら、文藝的才能が開花し地域誌の記者から全国区のうどん通ジャーナリストとして大成するほうが無理が無い。

 この主人公の性格で友人が大勢いて大切にされるのが理解できない。むしろ逆のほうが自然だろう。傷心で故郷に帰ってきたものの誰からも相手にされず家で引き篭もり呆ける毎日、それをみかねて優しい父親が饂飩の仕事を手伝わしたのがきっかけで職人の血が目覚める。そのほうが父親も主人公も現代っ子らしくて説得力がある。

 四国の熊はほとんど絶滅状態である。月の輪熊はかつて西日本に広く生息していたが、九州では生息の痕跡は報告されてはいるが絶滅と見なされ、四国も遠からず絶滅が確実視されている。

晴雨堂スタンダード評価
☆☆ 可
 
晴雨堂マニアック評価
☆☆☆ 佳作

 
晴雨堂関連書籍案内
本場さぬきうどんの作り方 香川県生麺事業協同組合
誰でもできる手打ちうどん―30分で打ててこしの強さ抜群 大久保裕弘
香川さぬきうどん高松・琴平・小豆島 2009最新版 (マップルマガジン 四国 3)
 
晴雨堂関連商品案内
(香川讃岐うどん)讃州屋のぶっかけさぬきうどん 2人前 久保田麺業
香川こんぴらや 讃岐うどん 半生熟成麺10人前(つゆ付) SG-35 こんぴらや
創業明治三十三年本場讃岐うどん メッセージ
 

 
 blogram投票ボタン にほんブログ村 映画ブログへ
ブログランキングに参加しています。
関連記事
スポンサーサイト



コメントの投稿













管理者にだけ表示を許可する
この記事のトラックバックURL
http://seiudomichael.blog103.fc2.com/tb.php/678-937a11da

ウドンよりソバが好きなひらりん。 うーーーん、ユースケだし・・・ フジテレビくさいし・・・ っと、迷ったけど、今月あんまり映画見てないし・・・ チネチッタのポイント貯まっててタダだし・・・ ちょっと笑えそうなので、見てみることに・・・
映画処方箋一覧
晴雨堂が独断と偏見で処方した映画作品。
下段「日誌」項目は晴雨堂の日常雑感です。
メールフォーム
晴雨堂ミカエルに直接ご意見を仰せになりたい方は、このメールフォームを利用してください。晴雨堂のメールアドレスに送信されます。

名前:
メール:
件名:
本文:

プロフィール
↓私の愛車と野営道具を入れたリュックです。

晴雨堂ミカエル

Author:晴雨堂ミカエル
 執筆者兼管理人の詳しいプロフィールは下記の「晴雨堂ミカエルのプロフ」をクリックしてください。

晴雨堂ミカエルのプロフ

FC2カウンター
2007年10月29日設置
当ブログ注目記事ランキング
当ブログで閲覧数の多い順ランキングです。
設置2013年6月13日
ブログランキング
下記のランキングにも参加しております。ご声援ありがとうございます。
  にほんブログ村 映画ブログへblogram投票ボタン
アクセスランキング
[ジャンルランキング]
映画
15位
アクセスランキングを見る>>

[サブジャンルランキング]
レビュー
5位
アクセスランキングを見る>>
タグランキング
晴雨堂の関心度が反映されています。当ブログ開設当初は「黒澤明」が一位だったのに、今は・・。
訪問者閲覧記事
最近のアクセス者が閲覧した記事を表示しています。
月別アーカイブ
ブロとも申請フォーム
リンク