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ミカエル晴雨堂の晴耕雨読な映画処方箋

晴雨堂ミカエルの飄々とした晴耕雨読な映画処方箋。 体調に見合った薬膳料理があるように、 料理に合う葡萄酒があるように、日常の節目に合った映画があります。映画の話題をきっかけに多彩な生活になれば幸いです。詳しいレビューは「続きを読む」をクリックしてください。

「ホット・ファズ 俺たちスーパーポリスメン!」 寂しさをまぎらわす時に〔16〕 

ホット・ファズ 俺たちスーパーポリスメン!
日本人が観ても面白い痛快コメディ

 


【原題】HOT FUZZ
【公開年】2007年  【制作国】英吉利 仏蘭西  【時間】120分  
【監督】エドガー・ライト
【音楽】デヴィッド・アーノルド
【脚本】エドガー・ライト サイモン・ペッグ
【言語】イングランド語
【出演】サイモン・ペッグ(ニコラス・エンジェル巡査部長)  ニック・フロスト(ダニー・バターマン警部補)  ジム・ブロードベント(フランク・バターマン署長)  パディ・コンシダイン(アンディ・ウェインライト刑事)  ティモシー・ダルトン(サイモン・スキナー)  ビル・ナイ(首都警察警視)  ビリー・ホワイトロー(ジョイス・クーパー)  エドワード・ウッドワード(トム・ウィーヴァー)  ビル・ベイリー(ターナー巡査)  デヴィッド・ブラッドリー(アーサー・ウェブリー)  ケヴィン・エルドン(トニー・フィッシャー巡査)  レイフ・スポール(アンディ・カートライト刑事)  カール・ジョンソン(ボブ・ウォーカー)  オリヴィア・コールマン(ドリス・サッチャー)  ケン・クラナム(ジェームズ・リーパー)  ピーター・ワイト(ロイ・ポーター)  アン・リード(レスリー・ティラー)  ジュリア・ディーキン(メアリー・ポーター)  パトリシア・フランクリン(アネット・ローパー)  ポール・フリーマン(フィリップ・シューター)  スチュアート・ウィルソン(Dr.ロビン・ハッチャー)  アダム・バクストン(ティム・メッセンジャー)  ロン・クック(ジョージ・マーチャント)  マーティン・フリーマン(首都警察巡査部長)  ルーシー・パンチ(イヴ・ドレイパー)  デヴィッド・スレルフォール(マーティン・ブローワー)  ケイト・ブランシェット(ジャニーン)  ピーター・ジャクソン(サンタの格好をした泥棒) 
  
【成分】笑える 楽しい 不思議 パニック 不気味 勇敢 知的 かっこいい コミカル イングランド
  
【特徴】痛快ドタバタコメディ。異常に優秀な巡査が犯罪の無い田舎町へ「栄転」させられるところから物語が少しホラーがかかったミステリアスな方向へ展開。
 冒頭から日本人にもウケるギャグが機関銃のように発射、佳境からはハードなアクションが炸裂し、ほのぼのとしたヒューマンなラストで締めくくる。少し異常で捻くれていて素直なコメディだ。
 
【効能】熱帯夜に観ると涼がとれると同時に愉快になる。
 
【副作用】ラストのアクションは老人虐待に見えて不快感。
 
下の【続きを読む】をクリックするとネタバレありの詳しいレビューが現れます。  
サイコ・ミステリーなコメディ。

 これは日本でもウケる! ほどよいテンポのほどよいギャグが冒頭からほどよい間隔で連続する。まさに掴みはOKといった具合か。さすが「ショーン・オブ・ザ・デッド」のエドガー・ライト監督。脚本はライト監督とニコラス役で主演しているサイモン・ペッグ氏の共同執筆。

 主人公ニコラスは度が過ぎる優秀な人物、これほど高学歴で文武両道に秀でているのならエリート街道を突き進み、もっと高い地位で政治的に高度な仕事をやってもよいはずなのに現場の巡査にこだわる。結果、上司や同僚から迷惑がられ、巡査部長昇格を付けて全英一治安の良いとされる田舎のとある村へ「栄転」させられる。(余談1)

 ロンドンで修羅場をくぐってきたニコラスにとって、新しい任地は何もかもがカルチャーショックだった。村人たちは一様に笑顔でノンビリしている。未成年の飲酒には鷹揚で、どうでもよい小さな事には変に根にもつところがあり、その感覚にまず戸惑ってしまう。(鑑賞者にとってはこれら文化摩擦はギャグなのだが、これが後半への伏線になる)
 村の警察署は年輩の警部を署長に7・8人の小さな職場だ。好意的にみればアットホーム、悪くとればダラケきった雰囲気、当然のことながらニコラスはその環境にストレスを感じる。しかも正式赴任直前に飲酒運転の現行犯逮捕した太った酔っ払いは、なんと署長の息子ダニーで現職巡査でありコンビを組まされる羽目となった。ビールと甘い物に目がない愛嬌のあるダニーはお人よしが過ぎて犯罪の前兆には全くの無頓着、ニコラスは悩む。(余談2)

 村の警察の仕事は教会イベントの形式的な警備や逃げたペットを捕獲するといった呑気な次元、住民全員は顔見知りで凶悪犯罪も無し。ところが奇怪な交通事故が発生して男女2人が死亡する。生首が2つ道路に転がるという凄惨なもの。ロンドンで凶悪犯検挙も手掛けてきたニコラスは事件の臭いを感じるが、地元医師による鑑識では事件性無し、同僚も上司もノーテンキに笑うだけ。
 やがて第2・第3の「死亡事故」が発生する。最初のうちは自分の異常な仕事熱心さが問題なのかと悩んでいたニコラスは、やはり静かな村には凶悪犯が堅気の振りをして潜んでいる事を確信する。

 こうして、予告編にも一部紹介されているように、後半はごく普通の年輩の村人たちとニコラスたちの激烈かつ滑稽な銃撃戦へと流れていくわけだが、そこに至るまでのミステリーもなかなか完成度が高い。雰囲気は異なるが方向性としては類似点のある「うる星やつら・ビューティフルドリーマー」のようにこなれた笑いと緊張感のワクワクする雰囲気だ。展開は大雑把には予測できるが、想定外のドンデン返しも幾つもあった。
 元007ジェームズ・ボンド役のティモシー・ダルトン氏が場を盛り上げている。ダンディーな口髭を生やした地元スーパーの店主役だが、ニヒルに薄笑いを浮かべているが目は笑っていない顔が効いている。ダルトン氏はこんなコメディ映画にも出るんだ、と感心もする。
 切れ者ニコラスとお人よしダニーのコンビも、ホームズとワトソンとはまた一味違う名コンビで格好良い。

 最後に、ニコラスたちはあれほどの銃撃戦をやったにも関わらず、1人も殺していない。健全なコメディーだ。
 
(余談1)アメリカの「刑事コロンボ」では、巡査部長はサージェント(陸軍では軍曹)・警部補はルタナン(陸軍では少尉)・警部はキャプテン(陸軍では大尉)といった具合に軍隊の呼称とダブっている。このイギリスを舞台にした本作では巡査部長のサージェントは同じだが、警部補はインスペクター・警部はチーフインスペクターと呼んでいた。
 もっともアメリカでも州によっては呼称が違うので、私が知らないだけでイギリスと同じ呼び方のところもあるかもしれない。日本では軍隊の階級は等級を表す意味でしかないが、欧米の場合は役割の意味もある。たとえばルタナンは「副長」「補佐役」の意味がある。

(余談2)パブでビールを呑む場面が多く出てくる。どんな銘柄なのか知りたい。大邸宅に住んでいる村の名士は、オランダのグロールシュを瓶で多数もっていた。というか、冷蔵庫にはそれしか入っていなかったように見えた。

晴雨堂スタンダード評価
☆☆☆☆ 優
 
晴雨堂マニアック評価
☆☆☆☆☆ 金字塔

 
晴雨堂関連作品案内
ショーン・オブ・ザ・デッド [DVD] エドガー・ライト


 
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アメリカのコメディとは一味違うイギリスらしいクスクス笑いがでるようなコメディでした。かなり好きです。
最後のほうの町のジオラマのなかでの取っ組み合いは 監督がゴジラのファンで 町を破壊する場面が夢だったということでいい話?だなと思いました。
[ 2011/08/21 16:03 ] [ 編集 ]
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