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ミカエル晴雨堂の晴耕雨読な映画処方箋

晴雨堂ミカエルの飄々とした晴耕雨読な映画処方箋。 体調に見合った薬膳料理があるように、 料理に合う葡萄酒があるように、日常の節目に合った映画があります。映画の話題をきっかけに多彩な生活になれば幸いです。詳しいレビューは「続きを読む」をクリックしてください。

「機動戦士ガンダム 逆襲のシャア」 突っ込みどころを楽しもう〔3〕 

機動戦士ガンダム 逆襲のシャア

 

 
【英題】Mobile Suit Gundam Char's Counterattack
【公開年】1988年  【制作国】日本国  【時間】120分  【監督】富野由悠季
【原作】富野由悠季
【音楽】三枝成章
【脚本】富野由悠季
【言語】日本語      
【出演】古谷徹アムロ・レイ)  池田秀一シャア・アズナブル)  鈴置洋孝(ブライト・ノア)  榊原良子(ナナイ・ミゲル)  白石冬美(ミライ・ヤシマ)  
   
【成分】悲しい ファンタジー ゴージャス 切ない セクシー ベネチア 20世紀初頭
 
【特徴】アムロシャア」エピソードとも言うべき旧シリーズを一掃し、新たなガンダムシリーズ展開の為の一作。
 シャアはネオジオンの独裁者となり、アムロは部隊長として立ち向かう。
 
【効能】気晴らしに観る分には楽しめるロボットアクション。序盤から中盤にかけてのアクションは清々しさを得られるかもしれない。
 
【副作用】・キャラとしてシャアの零落は明白。キャラたちを粗末に扱い無理やりラストへもっていくやり方に怒りをおぼえる者もいる。
 
下の【続きを読む】をクリックするとネタバレありの詳しいレビューが現れます。記事に直接アクセスした場合は、この行より下がネタばれになりますので注意してください。  
続編の弊害

 「ヤマト」のデスラー総統も該当するが、続編をつくる事でキャラとしての役割が悪い方向へ変質してしまう事が多々ある。この「ガンダム」のシャアも「ヤマト」のデスラーも、当初は主人公達に立ち塞がる強力強大な敵だった。それが続編を重ねるごとに情けないキャラに落ちぶれる。

 一年戦争時代のシャアはまだ良い。成人していない主人公たちから見れば恐怖の敵であり、雲の上の「大人」である。初期のシャアは随所にハリウッド俳優のような貫禄と威圧感とゴージャスな魅力を出している。年上の部下たちから畏敬されたり、艦橋や戦闘指揮所で余裕の表情で珈琲を飲んだり。台詞も本当に二十歳となのかと思えぬほど老成していた。

 一年戦争の終盤になると、パイロットとしては次第にアムロのニュータイプへの覚醒とともに脅かされるようになり、さらには子飼いの後輩ララァからも戦闘中に「邪魔です、大佐」と叱られるに至る。とはいえ、主人公達が成長していく物語でもあるし、シャア自身も成長しザビ家への復讐から来るべきニュータイプ時代への政治的指導者へ人生の方向を自覚していく途中で物語は一旦終わる。ここまでは良かった。

 続編からは、また同じパイロットからの出発だった。しかし「Z」ではやがて指導者としてシャアが本腰を入れ始めるので許せた。問題はこの「逆襲のシャア」である。総帥となっても相変わらずパイロットをやっている。だから「ヤマト」第1シーズンのデスラーほどの貫禄もカリスマも無い。当然、一年戦争で見せた圧倒的な威圧感も無い。アムロも「Z」から目立った成長は見られなくなった。相変わらずガンダムのパイロットをやっている。それどころか、艦内の役割は一年戦争終盤の曹長任官以降と殆ど変わっていない。

 シャアとアムロの二人は、身分や階級が上がったものの同じ事をあいも変わらず繰り返した挙句に果てる。ニュータイプはかつて物語の重要な要素だったはずなのに、この絡みは意味を成さなくなってしまった。それだけでない、人間というのは立場が変わるとモノの見方も考え方も変わっていくし変えざるを得なくなるもので、それがまたドラマでもあるのだが、一年戦争で見れた人間ドラマが完全になりをひそめて、ロボットアクションだけの作品にして抹殺された。

 ある意味、シャアは商業主義の犠牲になった訳だが、私は商業主義を否定するつもりも無いし藝術産業に幻想も持っていない。商業主義に徹するのであれば、なおさら折角の「商品」であるシャアをもっと魅せてほしかった。些か粗末に叩き売りしてしまったのではないか、と思う。シャアのファンの多くはやはり一年戦争時代のジオン軍将校のシャアが好きだろう。
 シリーズを強引に「完結」させたい富野氏の気持ちは多少理解できるが、想像力構成力に私は疑問を感じている。

晴雨堂スタンダード評価
☆☆ 可

晴雨堂マニアック評価
☆ 駄作


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機動戦士ガンダム 逆襲のシャア―ベルトーチカ・チルドレン (角川文庫)
 

 
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