ミカエル晴雨堂の晴耕雨読な映画処方箋

晴雨堂ミカエルの飄々とした晴耕雨読な映画処方箋。 体調に見合った薬膳料理があるように、 料理に合う葡萄酒があるように、日常の節目に合った映画があります。映画の話題をきっかけに多彩な生活になれば幸いです。詳しいレビューは「続きを読む」をクリックしてください。

「死霊のはらわた」 不安と恐怖を楽しむ時に〔12〕 

死霊のはらわた」 美女を襲う淫靡な森
 


【原題】THE EVIL DEAD
【公開年】1983年  【制作国】亜米利加  【時間】86分  【監督】サム・ライミ
【制作】ブルース・キャンベル ロバート・G・タパート サム・ライミ
【音楽】ジョセフ・ロドゥカ
【脚本】サム・ライミ
【言語】イングランド語
【出演】ブルース・キャンベル(アッシュ/アシュレイ・J・ウィリアムズ)  エレン・サンドワイズ(シェリル)  ベッツィ・ベイカー(リンダ・ウィリアムズ)  ハル・デルリッチ(スコッティ)  サラ・ヨーク(シェリー) 
  
【成分】笑える パニック 不気味 恐怖 絶望的 セクシー スプラッタ ホラー
  
【特徴】20代前半の若者サム・ライミ氏が放つ低予算・新感覚ホラー。雄大な森林地帯にあるロッジが閉鎖された空間へとすりかえる手法、腐乱風メイクや血飛沫などスプラッタ映画の火付け作品にもなり、この手の金字塔となる。
 主役は当時無名の俳優でサム・ライミ監督の中学生時代からの友人ブルース・キャンベル氏が務める。彼はこの作品以降もライミ監督の作品の常連出演者であり続ける。
 休日を山のロッジで過ごそうとやってきた若者たち5人が、地下室にある奇怪な書物を偶然見つけてしまい、森に封じられていた死霊を呼び覚ましてしまう。次々と友人や恋人たちが憑依され血みどろの乱闘が繰り広げられる。
 真夜中の暗い森林を歩く美女が森の木々に襲われレイプされる場面が大評判。
 
【効能】真夏の真夜中で鑑賞すると涼を得られる。
 
【副作用】血飛沫場面など、残酷映像のオンパレードに気分が悪くなる。
 
下の【続きを読む】をクリックするとネタバレありの詳しいレビューが現れます。  
監督と主演が創り上げたホラー傑作。

 御存知の方も多いと思うが、今や「スパイダーマン」などのメジャー級映画の監督サム・ライミ氏の出世作である。当時はまだ20歳代前半。主演はブルース・キャンベル氏、ライミ監督とは1つ歳上で中学生時代からの自主映画制作の仲間である。後にB級ホラーを中心に俳優活動を本格展開するが、ライミ監督の作品には概ね出演し一種の「顔」となっている。(余談1)

 監督も主演も、その他の出演者も無名の若者ばかりだ。20歳代の若者が気合を入れて創る映画、単純な設定、単純なストーリー、単純な舞台、広大な森林に狭い閉鎖された山小屋、斬新だが奇を衒っている訳ではない物語構成と画面構成、ひたすらスプラッタな描写に徹したつくり。
 日本公開時は84年だったと思う。当時の私は大学生だった。歳の近いアメリカの若者たちが創ったホラー映画に恐怖よりも完成度の高さに驚き感心した。けっこうホラーは見慣れている自負があったので、「まだ、こんな手があったのか」と不明を恥じた。(余談2)

 少ない予算で最大限の効果を発揮させ現有戦力を使い切る手腕、そして監督と主演の同志関係、名作の条件であり醍醐味だ。
 銭を大量にかければ、凄い映画ができて当たり前だ。「機動戦士ガンダム」でザクを大量投入して主人公たちの艦を追い詰めるジオン軍司令官ガルマ大佐に、傍らの盟友シャア少佐が「これで勝てなければ貴様は無能だ」と冷笑する場面がある。そんな心境に近い。
 よく邦画批判に対する言い訳に、アメリカは銭が使えて邦画は銭が無いから、というのは決定的な理由にはならない。むしろ銭よりも若い才能に表舞台を提供するアメリカ映画界の特色と、「自分は若いから」「金が無いから」では甘えないアメリカ映画人トップの気風が違うと思う。

 蒸し暑い熱帯夜に、この作品で爽やかな若さを感じていただきたい。(ホラー嫌いの連れ合いをはじめ多くの鑑賞者には無理だと思うが)

(余談1)当時のブルース・キャンベル氏は今ほど濃い顔つきはしていない。当時の印象は、異論があるかもしれないが、トム・クルーズ氏の顔に少し眉をゲジゲジにして、顎をアントニオ猪木風にしたような、基本は優男系と思っていた。後に「スーパーマーケット」や「ムーン・トラップ」でゾンビ笑いする怪優になるとは。

(余談2)主人公の妹だったか、最も霊感が強く当初から得体の知れぬ恐怖を感じていた女の子が何かの気配を察知して野外に出て深夜の森林を歩く場面がある。観ながら「やはり、この女優が第1被害者を担当か。それにしても1人で暗い外に出るなんて、強引で不自然やなぁ」と思っていた。すると案の定、死霊が襲ってくる。森の木々が枝を伸ばして襲い掛かり、女の子の服を脱がせレイプする有名な場面。「なんだ、これをやりたかったのか」と妙に納得したものだ。
 隣の席でいびきをかいて寝ていた鬱陶しい中年の男性が、この場面で突然目を覚ましたのか、いびきがやみ、腰に負担がかがるダラけた体勢から行儀の良い姿勢に座りなおしよった。色欲は睡魔に勝るか。
 
晴雨堂スタンダード評価
☆☆☆☆ 優
 
晴雨堂マニアック評価
☆☆☆☆☆ 金字塔

 
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