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ミカエル晴雨堂の晴耕雨読な映画処方箋

晴雨堂ミカエルの飄々とした晴耕雨読な映画処方箋。 体調に見合った薬膳料理があるように、 料理に合う葡萄酒があるように、日常の節目に合った映画があります。映画の話題をきっかけに多彩な生活になれば幸いです。詳しいレビューは「続きを読む」をクリックしてください。

「オリヲン座からの招待状」 人生をふり返ろう〔7〕

オリヲン座からの招待状」 
宮沢りえの清らかさが魅力

 


【公開年】2007年  【制作国】日本国  【時間】116分  【監督】三枝健起
【原作】浅田次郎
【音楽】村松崇継
【脚本】いながききよたか
【言語】日本語
【出演】宮沢りえ(豊田トヨ)  加瀬亮(仙波留吉)  宇崎竜童(豊田松蔵)  田口トモロヲ(三好祐次(平成))  中原ひとみ(豊田トヨ(平成))  樋口可南子(三好良枝(平成))  原田芳雄(仙波留吉(平成))  小清水一揮(少年時代の三好祐次)  工藤あかり(少女時代の三好良枝)  
  
【成分】ロマンチック 切ない かわいい 1950年代~現代 京都 
  
【特徴】日本版「ニューシネマパラダイス」を目指したような内容になっている。宮沢りえ氏が透明感のある清らかな未亡人を好演。「三丁目の夕日」の鈴木一平役で有名な小清水一揮君が田口トモロヲ氏の少年時代を演じているが、顔の風貌がよく似ている。
 映画全盛期の昭和30年代の町の映画館、ノスタルジーを感じる。
 
【効能】人生をふり返る良い機会となる。映画館で見る映画の良さを再認識させる。
 
【副作用】展開はダラダラ唐突、リアリティに欠ける部分を感じてしまう。
 
下の【続きを読む】をクリックするとネタバレありの詳しいレビューが現れます。記事に直接アクセスした場合は、この行より下がネタばれになりますので注意してください。  
雰囲気は大好きなのだが・・。
 
 夏らしい白を基調とした水玉模様のブラウスを着たオサゲの宮沢りえ氏と腕まくりしたワイシャツに黒いズボンとボサボサ頭の加瀬亮氏のツーショット白黒写真。
 この映画ポスターを観た時に私が連想したストーリーは、60年安保闘争前夜の京都が舞台で、大学近くにある場末の映画館を中心に、チケット売りの美女と映画館常連の飄々とした京大生のプラトニックな恋愛ドラマかな、と思った。(余談1)
 
 内容は私の期待を裏切り、予想の範疇に収まった定番ドラマだった。しかし嫌いではない。私も昔ながらの映画館は好きだ。(余談2)私が作中の少年時代を過したのは、映画の舞台より十数年後の時代だが、情景はさほど変わりはないので郷愁を感じる。

 宮沢りえ氏の落ち着いた演技と、原田芳雄氏が俳優としてのキャラを殺して留吉キャラに忠実な演技をしたのも、俳優として当たり前の事なのだが良かった。子役も良かったし、田口トモロヲ氏が子役によく似ていた。(余談3)
 ただ、個性派で灰汁と毒のある俳優があれだけ揃えてこの内容では、些か勿体無い使い方ではないか? 幼馴染が結婚していたり、主役とヒロインのプラトニック的な関係が数十年も続いていたり、けっして嫌いなストーリーではないが少し無理を感じる。

(余談1)私ならこんな物語にする。
 昭和60年代のストリップ劇場「オリヲン座」に通いつめる大学生加瀬亮と売れっ子の踊り子さん宮沢りえとの束の間の恋と別れを描いた物語。
 私の案の方が淡々としていてそれなりに波乱のあるドラマが無理なくできると思うのだが。
 早朝割引を目当てに朝早くから劇場前で列をつくる男たち、その中に学生風の加瀬亮氏が俯き加減に列に並ぶ。そんな光景を近所の女学生たちが軽蔑を混ぜた笑顔で見る。(京都の某「劇場」は閑静な住宅街にある)
 そこへ爽やかに白いブラウスと膝くらいまでの丈のフレアスカート姿で、ごく普通に会社に出勤するOLのような雰囲気で劇場の正面玄関に入っていく宮沢りえ氏。目当ての踊り子さんであることに気付きハッとする加瀬亮氏。
 紆余曲折のあと、二人は知り合い恋をし付き合い破局するのだが、10年後の彼女の引退公演に妻子あるサラリーマンとなった加瀬氏が背広姿で花束を持ち客席の最後列にさりげなく座り、彼女は舞台から彼の姿を確認してさりげなく笑顔の視線を送る。ラストは舞台そで近くで花束を渡して立ち去ろうとする加瀬氏を引き止め宮沢氏は握手する。そこで終劇。
 私が考えた案の方がインパクトあると思うのだが。(フェミニストたちに非難されるか)小説にする時間が無いので誰か小説化・映画化してくれんかな。

 「オリヲン座からの招待状」はどうやら「三丁目の夕日」に対抗し「ニューシネマ・パラダイス」テイストを加えて制作されているかのように見られる恐れがある。それだけ内容や雰囲気にダブる部分があるからだ。
 実際に対抗しているのかどうかは別にして、やはりダブる部分があり過ぎるとインパクトが無くなり物語が平板となる。それに変化を付けようとすると展開に無理がくる。思い切って、マニアックな分野とか世間が軽蔑するようなアングラ文化に焦点を当てるクリエイターとしての矜持を見せて欲しいものだ。

(余談2)大阪梅田のOS劇場が有名だった。巨大スクリーンに大音響が自慢だ。そこでさえも映画斜陽の時勢に抗しきれず閉鎖。サヨナラ公演は「ベン・ハー」だった。やはりスクリーンで観る「ベン・ハー」は素晴らしい迫力だった。

(余談3)「三丁目の夕日」の鈴木オートの息子を演じた子役が出演していたと思ったが、なぜかヤフーのキャスト表には子役の名前が無い。石橋蓮司氏が写真屋に扮していたと思のだが、これも載っていない。
 
晴雨堂スタンダード評価
☆☆☆ 良
 
晴雨堂マニアック評価
☆☆ 凡作

 
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映画「オリヲン座からの招待状」オリジナル・サウンド・トラック
 
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鉄道員(ぽっぽや) (集英社文庫) 浅田次郎


 
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映画~オリヲン座からの招待状

  ☆公式サイト☆京都を舞台に激動の時代に翻弄(ほんろう)されながらも、老舗の映画館を守り続けた男女の純愛と奇跡を描く感動ドラマ。浅田次郎の「鉄道員(ぽっぽや)」最終編に所収されている同名小説を、『ジェニファ 涙石の恋』の三枝健起監督が映像化。昭和25年の?...

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