衆議院選挙(3) 近頃の現象[二百七]
自民党は30日夜、衆院選惨敗に、ぼうぜん自失の状態だ。圧勝した前回の郵政選挙とは一変し、党幹部や派閥領袖らが選挙区で相次ぎ落選。今後の党運営に混乱が生じることは必至だ。党内からは「党存亡の危機」(中堅)との声も上がった。(時事通信)
【雑感】前評判どおり民主党の大勝となった。前回の郵政選挙で大量当選した小泉チルドレンの殆どが姿を消し、大勢の小沢チルドレンにとって代わった。これが小選挙区制の怖さだ。オセロのように黒と白が入れ替わる。
今回の選挙で賛否あるだろうが、一見すると憲政史上画期的な現象になった。民主党新人議員の多くが30代・40代の「若者」なので国会議員の平均年齢が大巾に若返った。さらに小沢チルドレンと呼ばれる新人たちの中核は女性たちなので、国際社会から「男社会」と批判されている日本の国会男女比率は大巾に改善されることとなった。
そして、いうまでもないが結党以来常に国会の半分を支配し続けた自民党は経験した事の無い少数議席を味わった。長らく独占し続けた衆院議長や各委員長ポストも民主党に明け渡すことになる。
率直にいって、偉そうな物言いのメタボ体型の自民党大物議員が小選挙区で次々と敗退する様を見るのは、けっこう痛快だ。派閥領袖や大臣経験者の影響力は急激に減退する。それによって党内はかなり混乱するだろう。
ただ、自民党がこれで潰れてしまっては、単に一党独裁の主役が自民党から民主党に入れ替わっただけになる。自民党には優れた野党として体勢を立て直し党内浄化と若返りを進め、「次の政権」として気張ってもらいたい。
心配なのは、自民党議員は冷飯を食べた経験が無いため、節操なく自民党を見限ってしまわないか? 知人の革新系地方議員から聞いた話では、あることで共闘しても党や支援企業から兵糧攻めにあうと簡単に膝が笑うそうである。
野党として民主党政権の暴走に睨みを利かせ、贅肉を削ぎ落とし筋肉質の身体になって与党に返り咲く事がこれからの自民党の仕事だ。けっして分裂などして新党を結成したり、民主党へ流れたりしないよう頑張ってもらいたい。


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