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ミカエル晴雨堂の晴耕雨読な映画処方箋

晴雨堂ミカエルの飄々とした晴耕雨読な映画処方箋。 体調に見合った薬膳料理があるように、 料理に合う葡萄酒があるように、日常の節目に合った映画があります。映画の話題をきっかけに多彩な生活になれば幸いです。詳しいレビューは「続きを読む」をクリックしてください。

「王立宇宙軍 オネアミスの翼」 青春回帰〔4〕 

王立宇宙軍 オネアミスの翼
バンダイを欺いた傑作?!

 

 
【公開年】1987年  【制作国】日本国  【時間】119分  【監督】山賀博之
【原作】山賀博之  
【音楽】坂本龍一
【脚本】山賀博之
【言語】日本語 一部架空外国語 架空宮廷語      
【出演】森本レオ(シロツグ・ラーダット大佐)  弥生みつき(リイクニ・ノンデライコ)  村田彩(マナ)  曽我部和恭(マティ中佐)  平野正人(カロック)  鈴置洋孝(ドムロッド)  伊沢弘(ダリガン)  戸谷公次(チャリチャンミ)  安原義人(ネカラウト)  島田敏(ヤナラン)  安西正弘(マジャホ)  大塚周夫(グノォム博士)  内田稔(将軍)  飯塚昭三(指揮官)  徳光和夫(アナウンサー)   
 
【成分】泣ける 楽しい スペクタクル ロマンチック 勇敢 切ない かっこいい コミカル 宇宙飛行士 架空世界 アニメ
 
【特徴】1950年代の地球に似た架空の世界が舞台。初の有人宇宙飛行を目指す若者たちの青春群像を描く。坂本龍一氏が音楽を担当したことでも評判。設定・構成・作画はピカイチ。
 
【効能】自堕落な若者たちが目標を見つけて突き進む姿に感涙。面白くも悲しく切ない。
 
【副作用】アメリカ映画「ライトスタッフ」のパクリに見える。
 
下の【続きを読む】をクリックするとネタバレありの詳しいレビューが現れます。記事に直接アクセスした場合は、この行より下がネタばれになりますので注意してください。  
懐かしのゼネプロ

 当時、制作のガイナックスはまだゼネプロ(ゼネラルプロダクツ)と呼ばれていたと思う。大阪生野区の桃谷駅前にまだ店鋪があり、特撮・アニメファンがよく集っていて、大阪の某藝大生だった私もちょくちょく足を運んだ。大学SF研の知人が休学して「オネアミス」の制作に参加したので、私にとっても印象の強い作品である。制作者たちの作品に賭ける意気込みというか気合いというものは、部外者の私でも感じた。
 
 内容を観れば判るように、バンダイが喜ぶ作品とは思えない。何故ならキャラクターグッズが売れるような性格の作品ではないからだ。あの頃、学友たちとで「よくバンダイを騙した」ものだと制作者たちの手腕に驚いたものだ。後に同人誌仲間たちとビデオを見ながら拍手喝采しビールで乾杯したものだ。
 
 この作品が公開される数年前に、ハリウッドではアメリカ史上初の有人宇宙カプセルマーキュリーに搭乗した7人の物語「ライトスタッフ」が制作されている。これを観た人達は「オネアミス」をパクりと思うかもしれない。が、決してそんな内容ではない。(これを「ライトスタッフ」のパクリなら、「ブレイブハート」も「スパルタカス」のパクリになる)
 
 架空世界の設定は文化・歴史・風俗など細部までこだわっており、登場人物の性格や生い立ちも細部まで検討されている事は台詞でも窺い知る事ができる。
 動画の動きも精密。レシプロ戦闘機が急降下したり、湖面に墜落し分解する様は実写に劣らないリアリティーであり、加えて翼の反射や水飛沫での光の描写はアニメならではの味わいがある。宇宙船等の設定も機械工学者が見ても粗は目立たないだろう。敵国の声優も外国人を使っているので、映画版「マクロス」のように日本語発音丸出しゼントラーディ語のような失敗はない。音楽も坂本龍一氏等の名曲、現在でもしばしばバラエティ番組などのBGMに使用されている。
 
 物語には政治・経済・軍事などが絡み宇宙飛行の理論説明もあるが、それが物語の世界を現実感あるものへと深みを与え、青春ドラマの形式で進められるので感情移入しやすく、適度な頻度でギャグもあるので飽きもこない。
 
 特に批判すべき箇所が見当たらず、名作であるとしか評しようがない。

 余談だが、一点だけズッコケたところがあった。声優の1人がラストの緊迫する管制室で、オバサンの井戸端会議の長電話のノリで台詞をいう。これは愛嬌か。
 
晴雨堂スタンダード評価
☆☆☆☆☆ 秀
 
晴雨堂マニアック評価
☆☆☆☆☆ 金字塔
 
 
晴雨堂関連作品案内
オネアミスの翼 ―王立宇宙軍― オリジナル・サウンド・トラック 坂本龍一

晴雨堂の関連書籍案内
オネアミスの翼―王立宇宙軍〈1〉
オネアミスの翼-王立宇宙軍〈2〉
オネアミスの翼‐王立宇宙軍 コンプリーテッドファイルオネアミスの翼―王立宇宙軍


  

 
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[ 2007/12/02 20:24 ] 映画・・青春回帰 | TB(2) | CM(2)
こんにちは
以前にコメントをいただきました、クプクプです。
ゼネプロはぼくも行ったことがあります。
店内には「SID」なるカフェもありましたね。
バンダイの山科社長を騙したのは本当みたいですけど、でもそのおかげでバンダイは映像コンテンツ会社としても発展しました。
バンダイビジュアルの米国でのレーベルはオネアミスというらしく、「当時無名だった若者達の鮮烈なデビュー作であり、現在彼らは日本を代表するクリエイターとして活躍している。この映画のようにチャレンジ精神を忘れず、常に質の高い作品を提供していきたいという願いから採用した」とあるから、この作品を誇りに思っているのです。
[ 2007/12/05 21:46 ] [ 編集 ]
 当時の私は貧乏な学生でしたので、店内の喫茶コーナーでコーヒーを飲んだのは一回程度です。あそこで軽食を楽しみたかったな。

 当時、社員をやっていた友人の話によると、あの喫茶コーナーは経営を圧迫したようですね。コーヒー一杯で何時間も粘る客や、従業員の女の子を目当てに買い物もせずに居座ろうとする客など。
 今でも当時のゼネプロの包装紙は大事に持っていますし、マクロスのコーヒーカップでコーヒーを飲んでいます。
 
 生活は未だ安定しているとはいえませんが、あの頃の躍動感を持ち続けたいと日々思っています。
 また、お話しましょう。
[ 2007/12/06 12:47 ] [ 編集 ]
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 というのは劇場公開時の名前で、今は「王立宇宙軍」の方が正式タイトルだったでしょうか。何の気無しに見始めたDVDで、適当に途中で打ち切って早めに寝るつもりだったのですけれど...
[2007/12/28 18:50] Old Dancer\'s BLOG
王立宇宙軍オネアミスの翼 スペースシャトル打ち上げ延期だってね。 前回派手にやらかしてしまっているから、今回はさすがに慎重だな。 NASAは失敗できないよな。 前回の失敗がなかったら、センサーの不良ぐらいでは中止せず打ち上げていたんとちゃうか。 タイル..
[2009/06/06 07:13] カフェビショップ
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