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ミカエル晴雨堂の晴耕雨読な映画処方箋

晴雨堂ミカエルの飄々とした晴耕雨読な映画処方箋。 体調に見合った薬膳料理があるように、 料理に合う葡萄酒があるように、日常の節目に合った映画があります。映画の話題をきっかけに多彩な生活になれば幸いです。詳しいレビューは「続きを読む」をクリックしてください。

ストレス解消活劇 「レッドクリフ Part I」 

レッドクリフ Part I」 ハリウッド活劇と京劇の融合

  

【原題】赤壁
【英題】RED CLIFF: PART I
【公開年】2008年  【制作国】米・中・台・日・韓  【時間】145分  【監督】呉宇森
【音楽】【脚本】呉宇森 陳汗 郭筝 盛和
【出演】梁朝偉周瑜)  金城武孔明)  張豊毅(曹操)  張震(孫権)  趙薇(尚香)  胡軍(趙雲)  中村獅童(甘興)  林志玲(小喬)  尤勇(劉備)  侯勇[俳優](魯粛)  バーサンジャプ(関羽)  臧金生(張飛)  佟大為(孫叔材)  宋佳(驪姫)  張山(黄蓋)    
  
【成分】スペクタクル パニック 勇敢 知的 絶望的 セクシー かわいい かっこいい 時代劇 3世紀初頭 中国 三國志 
   
【特徴】三國志で名高い赤壁の戦いを実写映画化。中国映画界空前の制作費100億円を投じた超大作の前編。京劇的テンポのあるヒロイックファンタジーに仕上げている。
 金城武氏がなんと軍師諸葛孔明を演じたことでも話題になった。絶世の美女と言われた周夫人小喬を台湾のモデル林志玲氏が華やかに艶やかに好演、一時は激太りのお騒がせ女優趙薇氏(ヴィッキー・チャオ)が男勝りの孫権の妹尚香を演じる。体型はスリムになっていた。
 
【効能】血わき肉おどりストレス解消。イケメン武者たちの活躍に萌え。白く輝く林志玲に萌え。
 
【副作用】三国志ファンの中には、三国志を薄っぺらい男の友情活劇にされて憤懣。
 
下の【続きを読む】をクリックするとネタバレありの詳しいレビューが現れます。  
東アジア映画界渾身の超話題作だが・・。
 
 さすが超話題作だった。私は公開日の11月1日に観に行ったのだが、劇場は久々の大混雑だった。20時45分からのレイトショーでも満席、0時からの上映でもかなりの人が並んでいた。もちろん、連休の初日で映画サービスデーという事も原因なのだが、それでも久々の混雑ぶりだった。

 私は小学生の頃から横山光輝氏の漫画「三国志」を愛読し、学生の頃は光栄のシミュレーションウォーゲーム「三国志」のファンだった。(余談1)だからハリウッドばりの超スペクタクルとして映画化される、監督は呉宇森監督(ジョン・ウー)、お気に入り俳優の金城武氏がなんと諸葛孔明に扮して流暢な中国語で理屈をこねる、となれば映画館に足を運ばざるを得ない。(余談2)

 前半は期待通りの迫力と展開だった。曹操が献帝を恫喝し逆らう輩を粛清したかと思えば、さっそく荊州の劉備に攻め込み、趙雲たちの獅子奮迅の戦いも甲斐なく圧倒的兵力で蹴散らす。孔明は全権大使として孫氏を味方にするべく呉へ赴き、君主孫権や大都督周瑜と交渉する。
 後半は、赤壁の戦いを描くパート2の前哨戦である平原での合戦をクライマックスにもってくるわけなのだが、大掛かりな殺陣の割に迫力を感じる事ができなかった。もっとリアルな戦術を期待していたのだが、楯を持った歩兵に一種の塀をつくらせて敵を攻囲し、関羽たち一騎当千の豪傑が一人ずつ登場して敵兵を斬り倒す。なんだかチャンピオンがリングにあがって小兵レスラーたちを投げ飛ばすショーを観ているようで拍子抜けし、それが延々続くのでイライラした。あげくに総司令官であるはずの周瑜が指揮扇を置いて単騎チャンバラしに行って重傷を負う。(余談3)なんだか壮大なスペクタクル映画から急にカンフー・チャンバラTV時代劇に萎んだような感じに見えた。

 これは5時間の映画を半分に分けたものなので、パート2ではかなり迫力のある内容になっている。しかし、投下資本を考えたら、もっと辛い評価をしたいくらいだ。

(余談1)吉川英治氏の小説「三国志」を土台に漫画化。ほとんど内容は同じといって良い。近年は李學仁・王欣太両氏が正史を土台にして描いた「蒼天航路」が有名。
 正史とは国家が認めた「正式な歴史書」の事。著者は陳寿、元々は劉備が樹立した蜀漢の官僚だったが、蜀漢が滅亡した後に曹氏の魏王朝の後継政権である晋王朝に仕えた。晋王朝は魏を正統としているため、正史「三国志」の主人公は映画で悪役となっている曹操である。「蒼天航路」の主人公も曹操、劉備も魅力的に人間臭く描かれているが、従来の生真面目純粋真っ直ぐ君主ではない。

 三国志は多くの小説家や漫画家たちが作品化しており、各々の解釈によって登場人物の性格が異なる。関羽や張飛のキャラは「レッド・クリフ」も含めてほぼ同じだが、例えば呂布は金髪の西洋人に描く人がいるかと思えば、ゴリラみたいなキャラにする方もいる。諸葛孔明を仏陀か弥勒菩薩のように描く方もいれば、精力絶倫の奇人に描く人もいる。
 
 「レッド・クリフ」の場合、「三国志演義」や吉川・横山版「三国志」に近い。劉備・関羽・張飛・趙雲は従来のイメージそのものだ。諸葛孔明は圧倒的な知力を有する天才軍師というよりは、やっと一人前になった若き作戦参謀といった風情だ。
 三国志は男主体の世界なので、艶かしい小喬やキュートな尚香が登場するのは好感が持てる。

(余談2)金城武氏の風貌は諸葛孔明よりも「蒼天航路」の趙雲にそっくりなのだが。

(余談3)周瑜が重傷を負うのは、赤壁の戦いに勝利した後の話。
 
晴雨堂スタンダード評価
☆☆☆☆ 優
 
晴雨堂マニアック評価
☆☆☆ 佳作

 
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まあこれはジョン・ウーによる新解釈の三国志ですね。
今まで読んだ物が思い出されるので、最初ちょっと違和感もありましたが、これはこれとして大いに楽しみました。
アクションは2の方がもっとテンコ盛りになっていて、流石におなか一杯。
二部に分かれていて良かったと思いました。
[ 2009/09/22 01:44 ] [ 編集 ]
ノラネコ氏
 
 私も2が気に入っています。時代劇なのに近代戦のような迫力、それでもって爽快なヒロイックファンタジーにしてしまう強引さ、あそこまでやると違和感を感じる前に楽しんでしまいます。
 
 林志玲が白くてまぶしかった。

> まあこれはジョン・ウーによる新解釈の三国志ですね。
> 今まで読んだ物が思い出されるので、最初ちょっと違和感もありましたが、これはこれとして大いに楽しみました。
> アクションは2の方がもっとテンコ盛りになっていて、流石におなか一杯。
> 二部に分かれていて良かったと思いました。
[ 2009/09/22 01:55 ] [ 編集 ]
ジョン・ウーが描く三国志は面白かったのですが、配給元のエイベックスが差し込んだOP前の「三国志解説」がジャマに感じましたね。

やっぱりエイベックスはまだ映画のことを何も分かっていないんでしょうね。
[ 2009/09/22 11:07 ] [ 編集 ]
 エイベックスは100%ビジネスですよ。ビジネスなら当然映画を調査し理解することも業務のうちですが、基本は映画好きでやっているわけではないから、映画ファンの気持ちまで汲み取れないのでしょう。

> ジョン・ウーが描く三国志は面白かったのですが、配給元のエイベックスが差し込んだOP前の「三国志解説」がジャマに感じましたね。
>
> やっぱりエイベックスはまだ映画のことを何も分かっていないんでしょうね。
[ 2009/09/24 00:23 ] [ 編集 ]
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