FC2ブログ

ミカエル晴雨堂の晴耕雨読な映画処方箋

晴雨堂ミカエルの飄々とした晴耕雨読な映画処方箋。 体調に見合った薬膳料理があるように、 料理に合う葡萄酒があるように、日常の節目に合った映画があります。映画の話題をきっかけに多彩な生活になれば幸いです。詳しいレビューは「続きを読む」をクリックしてください。

「風の谷のナウシカ」 家族と一緒に癒されよう〔4〕 

風の谷のナウシカ」 昔は駄作、今は秀作。
 

 
【英題】Warriors of the Wind
【公開年】1984年  【制作国】日本国  【時間】116分  
【監督】宮崎駿
【制作】高畑勲
【原作】宮崎駿  
【音楽】久石譲
【脚本】宮崎駿
【言語】日本語      
【出演】島本須美ナウシカ)  辻村真人(ジル)  松田洋治(アスベル)  京田尚子(大ババ)  納谷悟朗(ユパ)  永井一郎(ミト)  榊原良子(クシャナ)  冨永みーな(ラステル)  坪井章子(ラステルの母)  家弓家正(クロトワ)     
 
【成分】ファンタジー スペクタクル 勇敢 知的 絶望的 切ない 架空世界 アニメ
 
【特徴】環境問題をテーマにした壮大な架空世界のヒロイックファンタジー。巨大文明(現代の事か?)が最終戦争によって崩壊し、地球上は毒性の菌類でおおわれた腐海とそこで生きる獰猛な蟲で占められ、僅かに残った土地で人類は前近代的な生活を営んでいる、という設定が面白い。
 
【効能】環境問題への理解が深まるとともに、ヒロインの清らかさと逞しさで清々しい気分になる。
 
【副作用】原作ファンの中には強引なアニメ化に反対の人は少なくなく、人物描写がステレオタイプに見えて白けてしまう場合がある。また原作の持つ世界観も大幅に縮小されている。
 
下の【続きを読む】をクリックするとネタバレありの詳しいレビューが現れます。記事に直接アクセスした場合は、この行より下がネタばれになりますので注意してください。  
強引なアニメ化
 
 この作品の評価は、私の友人知人の間では真っ二つに分かれる。環境保護運動関係の知人たちは高い評価をする。高校・大学時代の同人誌仲間は低い評価をする。評価が分かれる一番の原因は、「アニメージュ」連載の原作を読んでいたかどうかであろう。私は連載当初から原作漫画のファンだったので、残念ながら後者の立場である。
 
 他の作品のレビューでも書いたが、「原作」と「映画」は別作品と見なさなければならない。原作を見てファンになってしまった人は、映画化でそれ以上の完成度がないと納得できないからだ。逆に制作する側は「原作」の風味を損なわないようにするのは至難の技である。だから別作品であるという割り切りが必要である。
 
 この映画を公開時に観た時、私も他の同人誌仲間と同じく「宮崎駿は金儲けに走った」という印象を持ってしまった。(余談1)原作はまだ連載が続いていたし、作品では未だ語られていない世界や人物や謎があった。あの時の段階でアニメ映画化などと、私には作品を損なうだけだと思っていた。そして観た感想も良いモノではなかった。当然である。
 
 原作がもつ壮大な世界観や多彩なキャラクターを2時間足らずの作品に収めるなど無理である。2時間枠に収めきれないモノは切り捨てられた。中央集権のトルメキア王国と封建諸侯の連合王国の土鬼との2大勢力の対立や、それぞれの王国が抱える権力闘争や社会不安は削除、そういう背景を抱えていたからこそ魅力的だったクシャナ王女もただの権力者に成り下がり、その部下のクロトワ参謀も単なるゴロツキ武辺者に成下がっている。また、そうしないと2時間枠には収らないだろう。
 
 原作ファンにとって、映画化されるにあたり最も嫌なのは、原作が持つスケールや深みが損なわれる事である。映画化という名の矮小化が嫌なのである。そうなってくると、絵柄も嫌になってくる。市販されている作画資料を見ると、衣装の質感に気遣いがあったが、それでも原作で表現されていた厚手のフェルトのような装束が、アニメになると安っぽく見える。
 
 公開から20年以上が経過した今、ようやく冷静にこのアニメ映画を「作品」として観れるようになった。原因の一つに、時間の経過とともにやっと原作のイメージから自由になり、正当にアニメを観る事ができるようになったからだ。それと、原作の終わり方に納得できなかった事が映画への悪感情を和らげる効果があった。
 
 作品というのは、公開時だけでは評価はできないかもしれない。時間が経過したり、齢を重ねた事で再評価することも多々ある。もっとも、作品によってはどう考えても評価が変わらない駄作もあるが。

(余談1)当初は短編映画として企画され、幼女時代のナウシカのエピソードを描写する予定だったらしい。また、宮崎駿氏本人はもともと漫画ならではの世界観、アニメーションでは実現できない世界観を描写するつもりで「ナウシカ」執筆を始めたので、いざ映画化の話が動き出すと困惑したようだ。
 映画化の話は宮崎駿氏本人から出たのではなく、当時「アニメージュ」編集長を務めていた尾形英夫氏から発案されたものである。
 
晴雨堂スタンダード評価
☆☆☆☆ 優
 
晴雨堂マニアック評価
☆☆☆ 佳作


晴雨堂関連作品案内
天空の城ラピュタ [DVD] 宮崎駿
もののけ姫 [DVD] 宮崎駿




 
 blogram投票ボタン にほんブログ村 映画ブログへ
ブログランキングに参加しています。
関連記事
スポンサーサイト



コメントの投稿













管理者にだけ表示を許可する
映画処方箋一覧
晴雨堂が独断と偏見で処方した映画作品。
下段「日誌」項目は晴雨堂の日常雑感です。
メールフォーム
晴雨堂ミカエルに直接ご意見を仰せになりたい方は、このメールフォームを利用してください。晴雨堂のメールアドレスに送信されます。

名前:
メール:
件名:
本文:

プロフィール
↓私の愛車と野営道具を入れたリュックです。

晴雨堂ミカエル

Author:晴雨堂ミカエル
 執筆者兼管理人の詳しいプロフィールは下記の「晴雨堂ミカエルのプロフ」をクリックしてください。

晴雨堂ミカエルのプロフ

FC2カウンター
2007年10月29日設置
当ブログ注目記事ランキング
当ブログで閲覧数の多い順ランキングです。
設置2013年6月13日
ブログランキング
下記のランキングにも参加しております。ご声援ありがとうございます。
  にほんブログ村 映画ブログへblogram投票ボタン
アクセスランキング
[ジャンルランキング]
映画
130位
アクセスランキングを見る>>

[サブジャンルランキング]
レビュー
64位
アクセスランキングを見る>>
タグランキング
晴雨堂の関心度が反映されています。当ブログ開設当初は「黒澤明」が一位だったのに、今は・・。
訪問者閲覧記事
最近のアクセス者が閲覧した記事を表示しています。
月別アーカイブ
ブロとも申請フォーム
リンク